米中対立が先鋭化する中、自民党の分断工作が奏功し、左翼勢力がほくそ笑んでいる状況なのがとても気になる。
旧統一教会=「似非宗教/邪悪なカルト教団」との認識が一般的となりつつあるが、どうにも解せないポイントが幾つかある。
(1)勝共連合は70年代終わり頃にスパイ防止法制定のための国民運動を展開した。今でこそ、中国共産党の諸々の悪事が広く知られるようになり、スパイ防止法の必要性を訴える人が増えているが、個人的には、むしろ当時スパイ防止法が制定されていればと悔やまれるほどである。はたして、あれが「カルト教団」の活動だったと言えるのだろうか? 逆に「カルト」とは何だろうか? むしろ勝共運動は教義に基づく彼らの中心的運動のように見える。
(2)なぜか、旧統一教会=「反日団体」と認識されてしまっている節があるが、これにも違和感を覚える。1992年国際合同結婚式に祝辞まで出した中曽根元総理や、昨年UPFにビデオメッセージを送った安倍元総理が「反日」の団体に与するようなことがあり得るのだろうか? 個人的に教義を調べてみても、「反日」を促すような内容は見当たらない。ちなみに、中曽根元総理は、(おそらくテレビ局のインタビューで)文鮮明師を以下の如く評した。「あの人は統一教会あるいは昔の勝共というような関係で、むしろ共産圏の中へくさびを入れていくと、そして自由世界の空気、光を入れていくと、そういうような一貫した方針でやられたんではないかと思う」。
(3)UPFは国連経済社会理事会(ECOSOC)の総合協議資格を持つ国連NGO。資格取得には長期の厳格な審査が必要と思われる。そもそも、これが「カルト」のなせる業なのだろうか? もし「カルト」であるなら国連も非難されるべきこととなり、共産党などは抗議すべきと考える。(だが、もし抗議すれば、自分達に都合の悪いことが晒されるので、決してできないと推察する。)
[以下参考論文]
https://freedomofbelief.net/articles/the-universal-peace-federation-moon-front-or-respected-ngo
(4)安倍元総理をこれまで強く支持してきた保守論陣までもが、旧統一教会問題に関して(だけ)は、左翼系の被害弁護団・全国霊感商法対策弁護士連絡会の発言をやけに素直に聞き入れ、信頼しきっているように見えることがとても気になる。大丈夫なのだろうか? 「霊感商法」なんて、個人的には左翼得意のレッテル貼りの臭いがして仕方がない。「被害額」なんて、実は「届出額」なのではないか?
どうして安倍氏をもっと信じることができないのか? 言葉は政治家の命である。無比の卓越した政治家が軽率にも「邪悪なカルト」に対し「敬意を表します」などとは言えないはずである。個人的には中曽根、安倍両元総理の方が上記弁護団なんかより遥かに信頼できるのだが...
もちろん、「世界平和統一家庭連合」にも監督責任などの問題はあると思うが、冷静に真の敵を見極めたい。
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Paper Tiger 2022/8/9 22:55
安倍晋三さんが命がけで開いた戦後レジームからの脱却 統一教会問題はこう解決せよ【山本一郎】
安倍晋三氏を射殺した容疑者においては、容疑者の母親が信仰していた旧統一教会(現・家庭連合、以下表記は統一教会とします)への恨みから、その関わりとなる安倍さんへの殺意へと変わっていったとされている。実際に計画を立て、自家製の銃をしつらえ、奈良県警警備のタイミングを見計らい、また躊躇なく2回の発射に及んで暗殺を成功させてしまった――何とも不運で、悲劇的な事件だが、宗教と政治の距離はどうするべきなのか。