安倍晋三さんが命がけで開いた戦後レジームからの脱却 統一教会問題はこう解決せよ【山本一郎】

安倍晋三さんが命がけで開いた戦後レジームからの脱却 統一教会問題はこう解決せよ【山本一郎】

安倍晋三氏を射殺した容疑者においては、容疑者の母親が信仰していた旧統一教会(現・家庭連合、以下表記は統一教会とします)への恨みから、その関わりとなる安倍さんへの殺意へと変わっていったとされている。実際に計画を立て、自家製の銃をしつらえ、奈良県警警備のタイミングを見計らい、また躊躇なく2回の発射に及んで暗殺を成功させてしまった――何とも不運で、悲劇的な事件だが、宗教と政治の距離はどうするべきなのか。

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Paper Tiger 2022/8/12 15:29

前回に補足をさせていただきたい。
私の理科系頭脳によれば、旧統一教会=「似非宗教/邪悪なカルト」という等式は成立しない。前述論文は極めて冷静で客観的だ。
むしろ、共産主義=「カルト」の等式が正しい。ベルジャーエフは「共産主義はこの世の王国の宗教であり、彼岸世界も、どんな精神世界をも、最終的にかつ決定的に否定する宗教である」とした。旧統一教会はその共産主義と対峙してきた。真の愛国者で稀代の名宰相中曽根、安倍両氏は本件に関して何も間違ったことはしていないし、言ってもいない。逆に大多数が無警戒なまま、左翼勢力が旧統一教会を「カルト」に仕立て上げる策略に奏功したというのが私の見立てである。共産党から旧統一教会にスパイが送り込まれたという噂も何度か耳にした。

本質に迫るべく、表層だけでなく、少し深層に立入る。
聖書に依り歴史を観ると、人類歴史は、堕落によって「命の木」のあるエデンの園から追放された人類が再び「命の木」に復帰するプロセスとなる。これは、乱暴だが、聖書の最初(創世記第1〜3章)と最後(ヨハネの黙示録第22章)を読めばおよそ確認できる。この歴史観は旧統一教会に限らず一般キリスト教徒でも同じと思う。
聖書によればその復帰プロセスは長く険しい。悪を押し退け、善の版図を徐々に拡大していく試練と苦難の連続だ。されば、我々の使命は、何が悪なのかを見極め、それを警戒し、克服していくこととなる。当然、その際に何を悪と見做し、それに対しどう対処するかが重要で、もしその判断を誤るならその宗教がカルト化してしまう可能性もある。

マルクスは19歳の時「神への復讐」を誓う詩を書いており、彼の思想はその為に体系化されたものと見る。旧統一教会や関連団体は、現代における悪の一つが「神への復讐」を目論む共産主義と見てその克服(勝共)に努めてきた。
さらに、旧統一教会及び関連団体が「神への復讐」の動きとして警戒してきたのが、家庭崩壊を導く社会革命運動(LGBTやフェミニズム等)だ。これも結局は共産主義と結びつく。その活動は米国ワシントン・タイムズ設立にしても一貫している。同紙は米国の左傾化を抑止するのに多大な貢献をしてきた。

安倍氏のUPFへのメッセージ後半(以下)は上記と呼応するような内容だ。
「UPFの平和ビジョンにおいて、家庭の価値を強調する点を高く評価致します。世界人権宣言にあるように家庭は社会の自然かつ基礎的集団単位としての普遍的価値を持っているのです。偏った価値観を社会革命運動として展開する動きに警戒しましょう。いつの時代も理想に向かう情熱が歴史を動かしてきました。理想の前には常に壁があります。よって戦いがあるのです。情熱を持って戦う人が歴史を動かしてきました。自由と民主主義の価値を共有する国々の団結、台湾海峡の平和と安定の維持、そして朝鮮半島の平和的統一の実現を成し遂げる為にはとてつもない情熱を持った人々によるリーダーシップが必要です。この希望前進大会が大きな力を与えてくれると確信致します」
旧統一教会は、特にその草創期においては、安倍氏の表現を借りれば、「とてつもない情熱を持った人々」の集団だったと想像する。それは側から見て狂信的、カルト的に見えたとしても全く不思議ではない。文師は、何度投獄されても、拷問を受けても、その姿勢が首尾一貫していた。中曽根氏はその一貫性について知っていたのだろう(多分安倍氏も)。
また、客観的に見て、一般の会社等の組織と比較し、宗教団体での会員教育、監督等がいかに困難かを理解しておくのがフェアだと考える(勿論それを理由に悪事をしてよい訳ではない)。
会社なら入社試験があり、学力等によるスクリーニングが可能だ。しかし、それにも関わらず、近年この世のエリート達を揃えた一流企業によるデータ改竄不正等が次々と明るみになっている。
そんな一流企業ですらそうなのに、旧統一教会の場合はどうか? 基本的には誰に対しても門戸は開かれ、出入りも激しい。そこに正体を隠した共産党員らが紛れ込む。会員の年齢、学歴/学力、職業等は多岐に渡り、その教育、管理、監督は決して一筋縄にはいかないだろう。そんな中、一部会員が上記情熱故に過激な行為をしてしまった事例や反省すべき点もあるだろう(活動家による悪事の可能性も)。しかし、その場の空気と感情に流され、その領域にだけ焦点を当てていては、全体像と本質を見失い、左翼陣営の思う壺だ。

「補足」が随分長くなってしまった。文化系の方々にもっとしっかりしてもらわなければ日本が終わる。昨今のマスメディアのあまりの偏向ぶりに危機感を感じ、いたたまれなくなり、今回一人の理科系人間からの悲痛な叫びをお届けした。稚拙な文章だが、日本の将来を真剣に憂いて行ったこととしてご理解願う。

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