【『WiLL』2月新春号チョイ読み】河野太郎は総理にしてはいけない人物【有本香・飯山陽】

『WiLL』2月新春号の一部をご紹介。誤った方向に「実行力」を発揮すると「破壊力」になりかねない【『WiLL』2023年2月新春号初出】

ありもと かおり
ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』『「日本国紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。

いいやま あかり
1976年、東京都生まれ。イスラム思想研究者。アラビア語通訳。上智大学文学部史学科卒。東京大学大学院人文社会系研究科アジア文化研究専攻イスラム学専門分野単位取得退学。博士(東京大学)。現在はメディア向けに中東情勢やイスラムに関係する世界情勢のモニタリング、リサーチなどを請け負いつつ、調査・研究を続けている。著書に『イスラム教の論理』(新潮新書)、『イスラム教再考』(扶桑社新書)などがある。

価値観の衝突

有本 ワールドカップ、盛り上がりましたね。日本は予選落ちするだろうと思われていましたが、大方の予想を覆して「死のグループ」をトップ通過しました。
飯山 クロアチア戦はPKの末に敗れましたが、国民が一体となって日本代表の勝敗に一喜一憂した2週間でした。「ナショナリズム」というやつですね。
有本 中東カタールで開催された今大会では、各国の勝敗や選手たちのプレーとは別に、「価値観の相違」も注目されました。
 ドイツやイングランド、オランダなど欧州7カ国のサッカー協会は、各チームの主将が「One Love」と記された腕章の着用を発表しました。多様性や差別撤廃を訴える「One Love」の主眼は「LGBT」。カタールをはじめとするイスラム圏では性的マイノリティの権利が侵害されていると考える欧州が、抗議の意思を示そうと計画したわけです。
飯山 大会を主催する国際サッカー連盟(FIFA)は、腕章を着けた選手にはイエローカードを出すと通告しました。結局、試合中に「One Love」を目にすることはなかった。
有本 郷に入っては郷に従え──。FIFAの判断は現地カタールの価値観を尊重したものですね。
飯山 欧州がいくらパフォーマンスしたところで、何も変わりません。カタールでは同性愛行為が法律で禁止されている。その法律はイスラムの教義、つまり神様の意思を反映したものです。「LGBTを差別するな」などと西洋的価値観を押し付けられても、「神様がダメと言っている」で終わり。議論は平行線です。(続きは本誌にて!)

『WiLL』2023年2月新春号(12月20日発売!)