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ありもと かおり
ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』『「日本国紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。
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いいやま あかり
1976年、東京都生まれ。イスラム思想研究者。アラビア語通訳。上智大学文学部史学科卒。東京大学大学院人文社会系研究科アジア文化研究専攻イスラム学専門分野単位取得退学。博士(東京大学)。現在はメディア向けに中東情勢やイスラムに関係する世界情勢のモニタリング、リサーチなどを請け負いつつ、調査・研究を続けている。著書に『イスラム教の論理』(新潮新書)、『イスラム教再考』(扶桑社新書)などがある。

花粉症ゼロはどこへ?

有本 寒さも一段落して、桜もそろそろという季節になりました。でも、私にとって春先は憂鬱(ゆううつ)でもあるんです。花粉症のせいで。
飯山 私も海外に住んでいた頃は、ほとんど症状がなかった。でも、2年前に帰国した途端に再発。来日して花粉症になる外国人も多いとか。花粉症はいまや、日本人の4割が苦しむ国民病。今年は花粉の飛散量が過去10年で最多、昨年の12倍という恐ろしい話も。有本さんが花粉症というのは意外ですね。
有本 自分には縁のない話だとタカをくくっていましたが、数年前に発症したんです。これほどツライとは……。市販薬から処方薬、漢方に至るまで、あらゆる薬を試しています。今年は特に酷いですね。早く梅雨入りしないかな(笑)。
飯山 避暑地ならぬ〝避粉地〟という言葉を目にしました。北海道や沖縄県は本州より花粉が少ない「安息の地」。私も梅雨になるまで、願わくば避粉地で過ごしたい!
 花粉症にかかっている人の割合には地域差があります。1位は山梨県、2位は静岡県、3位は埼玉県、その後は神奈川、東京、栃木、群馬と続きます(ウェザーニュース調べ)。東京を中心に、スギ林が多い関東がホットスポットになっている。
有本 高度成長期に、地方から東京に移り住む人が増えました。首都圏の人口爆発が起こり、住宅需要も増加。多摩エリアに大量のスギを植えることで、建材を賄(まかな)ったんです。
飯山 日本経済に活気があった時代の〝負の遺産〟ですね。
有本 花粉症〝撲滅〟は石原都政以来、東京都が抱える課題でした。70歳を過ぎて花粉症になった石原慎太郎さんは、都内でも森林の多い多摩エリアのスギ伐採に年間30億円を超える予算を投入。花粉の少ない樹木に植え替えようとした。
 しかし、多摩エリアは西は山梨県、南は神奈川県、北は埼玉県に接しています。東京都がいくらスギを伐採したところで、近隣県から都内に花粉が飛んでくる。石原さんは「環境省が音頭をとれ!」と、怒りの矛先を政府に向けました。当時の環境大臣は何を隠そう、小池百合子氏にほかならない(笑)。(続きは本誌にて!)
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『WiLL』2023年5月号(3月24日発売!)

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