(13326)

たかやま まさゆき
1942年、東京生まれ。東京都立大学卒業後、産経新聞社に入社。社会部デスクを経て、テヘラン、ロサンゼルス各支局長。80年代のイラン革命やイラン・イラク戦争を現地で取材。98年より3年間、産経新聞の時事コラム「異見自在」を担当。辛口のコラムで定評がある。2001年~07年、帝京大学教授。著書に『日本人よ 強かになれ──世界は邪悪な連中や国ばかり』(ワック)、共著に『核大国は氏素性の悪さを競う』(石平/ワック)など。
 (13327)

いいやま あかり
1976年、東京都生まれ。イスラム思想研究者。アラビア語通訳。上智大学文学部史学科卒。東京大学大学院人文社会系研究科アジア文化研究専攻イスラム学専門分野単位取得退学。博士(東京大学)。現在はメディア向けに中東情勢やイスラムに関係する世界情勢のモニタリング、リサーチなどを請け負いつつ、調査・研究を続けている。著書に『イスラム教の論理』(新潮新書)、『イスラム教再考』(扶桑社新書)などがある。

中国は人権侵害国家そのもの

髙山 中国の横暴が止まらない──。今度はアステラス製薬の社員が突然反スパイ法違反の容疑で中国当局に拘束された。
飯山 相変わらず人権意識のない国家ですね。
髙山 日中青年交流協会元理事長の鈴木英司氏も向こうで懲役六年の実刑判決を受け、2022年にようやく出所した。
飯山 大きな話題になりましたね。中国当局が以前にも増して監視を強めていることが読み取れます。他にも、伊藤忠商事の社員や準大手ゼネコン、フジタの社員が拘束されたこともありました。
髙山 伊藤忠の社員は中国に憧れて、中国語を一生懸命勉強して伊藤忠に入った。それが愛する中国に「国家の安全に危害を与えた」容疑で捕まえられ、懲役3年の判決を食らった。伊藤忠自体、親中派の企業だ。社長を務めた丹羽宇一郎は、民間初の駐中国大使を務めたこともあった。その丹羽の部下が捕まっても、丹羽は解き放つこともできなかった。親中派などと言っても中国には屁みたいなものらしい。
飯山 フジタの社員が拘束された2010年は、ちょうど尖閣諸島沖で、中国漁船が日本の海保の船に体当たりした時期と重なります。
髙山 あの時、日本側で中国漁船の船長を捕らえたら、フジタの社員4人が拘束された。フジタの社員はかつて旧日本軍が埋めた遺棄化学兵器処理の現地調査のために中国に行っていた。ところが、その日は案内人の中国人が無断欠勤し、しょうがないから日本人だけで現地に行ったら、軍事管理区域に不法侵入したとという名目で逮捕された。つまり、仕組まれた逮捕だった。当時は菅直人の民主党政権だ。おたおたして那覇地検が独断で船長を釈放したことにして、フジタの社員4人の釈放を懇願した。中国は何をしたか。中国人船長が拘束されたのと、ほぼ同じ日数を拘留して解き放った。
飯山 つまり、中国は外交カードとして使うために、人質として彼らを捕らえたわけですね。
髙山 ものすごく悪質で、その辺の暴力団の方がまだましなくらいの陰険さだ。そういう国が相手なのに、日本はいつまで経っても中国とは友好第一だ。この船長も賓客待遇で、民主党は裁判にもかけさせず、行政権が司法権に蓋をした。旧民主党の名残の立憲民主党の支持率が最低なのは、この時の中国への対応を国民がいまだに覚えているからだと思う。(続きは本誌にて!)
 (13331)

『WiLL』2023年6月号(4月26日発売!)

関連する記事

関連するキーワード

投稿者

この記事へのコメント

コメントはまだありません

コメントを書く