【『WiLL』10月号チョイ読み】国葬を潰したいリベラルの暗躍【阿比留瑠比】

『WiLL』10月号の一部をご紹介。 「アベガー」は死人にムチを打つがごとく下品で騒がしい。【『WiLL』2022年10月号初出】

あびる るい 
1966年生まれ、福岡県出身。早稲田大学政治経済学部卒業。90年、産経新聞社入社。仙台総局、文化部、社会部を経て、98年から政治部。首相官邸、自由党、防衛庁(現防衛省)、自民党、外務省などを担当し、第一次安倍内閣、鳩山内閣、菅内閣、第二次以降の安倍内閣で首相官邸キャップを務める。『総理の誕生』(文藝春秋)、『安倍晋三の闘い』(ワック)など著書多数。

岸田政権の正念場

 第2次岸田改造内閣が発足しました。
 内閣の評価について不満や疑問は多々あります。しかし、安倍晋三元総理という存在がなくなったことで、むしろ岸田文雄総理は「岸田色」を全面的に打ち出しにくくなったのではないか。そういう印象を受けます。

 今までは政権としてやりたくないことでも、安倍氏に言われているから仕方なくやらされているというポーズをとることができた。ところが、今後はそれができなくなりました。
 安倍氏が批判の矢面に立ち、岸田政権は支持率を維持できていましたが、その批判の矢が、次は岸田総理に直接向かう。岸田政権が長期化できるかどうかは、安倍政権を支えていた岩盤保守層に訴えかけられる政策がどこまで実行できるかどうかにかかっています。そこが崩れてしまえば、あとはあてにならない浮動票と限界のある組織票しか残りません。

 気になる人事としては、安倍派の萩生田光一前経済産業相を政調会長に据えました。人事を決定する前、岸田総理は萩生田氏を官邸に呼んでいます。その段階では「政調会長」という具体的なポストについて話は出なかったようですが、岸田総理の狙いとしては安倍氏の役割を萩生田氏に担ってもらおうとしたのではないか。具体的に言えば、安倍的・保守的な政治姿勢を党から発信してもらう役割です。

 早速、萩生田氏は政調会長が決まった後の記者会見で「総裁にならって『聞く力』を発揮し、ときには『聞かない力』も発揮しながら方向性を決めていく。結果を出すことに全力を尽くしたい」と述べています。バカな左翼は、「聞かない力」について「野党の話も聞かないつもりか」と反応していましたが、まったくの見当違いです。 萩生田氏は政府と党内に向けて言っているのです。政調会長の権限を最大限に発揮し、岸田総理に耳が痛いことや、岸田総理の方針に反することであっても、そして、時には独断専行に見えても、思った通りのことを実行すると宣言した。(続きは本誌にて!)

『WiLL』2022年10月号(8月26日発売!)
◎『WiLL』2022年10月号目次
櫻井よしこ・門田隆将 安倍元総理の遺言に〝聞く耳〟はないのか 裏切りの岸田政権/高市早苗 安倍元総理の遺志をつぐ覚悟です/高市早苗 早苗の国会月報 萩生田政調会長への期待/阿比留瑠比 国葬を潰したいリベラルの暗躍/岩田 温・小川榮太郎 安倍元総理が戦ってきた戦後レジームの正体/髙橋洋一・掛谷英紀 内閣改造の目玉は「旧統一教会」を利用した〝岸降ろし〟/渡邉哲也 霊感商法 旧統一教会と闘ったのは安倍さんだ!/朝香 豊 旧統一教会―ズブズブなのは朝日・毎日ではないか/氷川貴之 氷川政話 国葬と旧統一教会をリンク、政争の具にした野党/白川 司 PCR検査とザル融資の闇 小池都知事の危うい売国媚中政策/佐々木 類 上海電力だけではない またしても大阪がはまった中国の罠(わな)/藤井 聡・木村盛世 決められない日本 これは〝コロナ禍〟ではなく〝岸田禍〟だ!/古森義久 ワシントン報告 安倍元総理の死―悲嘆にくれるアメリカ/孫 向文 孔子学院なんて閉鎖しろ!「安倍晋三射殺万才!」だって!? 不埒な留学生を野放しにする立命館大/岩田清文・尾上定正 台湾危機と令和の国防/平井宏治 日本のサイバーセキュリティー 河野太郎で大丈夫か/仲村 覚 9・11 台湾危機下の沖縄知事選=問われる保守の力/須田慎一郎・小川泰平 安倍元総理暗殺事件 警察史に残る大失態と残るナゾなど