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おがわ えいたろう
1967年生まれ。大阪大学文学部卒業、埼玉大学大学院修士課程修了。フジサンケイグループ主催第18回正論新風賞、第1回アパ日本再興大賞特別賞受賞。著書に、『小林秀雄の後の二十一章』『約束の日―安倍晋三試論』(以上、幻冬舎)、『左巻き諸君へ! 真正保守の反論』『徹底検証「森友・家計事件」―朝日新聞による戦後最大の報道犯罪』(以上、飛鳥新社)、『最後の勝機(チャンス)』(PHP研究所)など多数。
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あびる るい 
1966年生まれ、福岡県出身。早稲田大学政治経済学部卒業。90年、産経新聞社入社。仙台総局、文化部、社会部を経て、98年から政治部。首相官邸、自由党、防衛庁(現防衛省)、自民党、外務省などを担当し、第1次安倍内閣、鳩山内閣、菅内閣、第2次以降の安倍内閣で首相官邸キャップを務める。『総理の誕生』(文藝春秋)、『安倍晋三の闘い』(ワック)など著書多数。

大きく変貌した岸田首相

小川 岸田政権がさまざまな成果を上げています。
阿比留 岸田政権の外交・安保政策は概ね評価できます。昨年末に閣議決定された「安保3文書」の内容に関していえば反撃能力(敵基地攻撃能力)も含めて、戦後の安保政策の大転換だった。さらに訪英した岸田文雄首相はスナク英首相と、自衛隊と英国軍が共同訓練をしやすくなる「円滑化協定」に署名しました。これは大きな一歩です。
小川 日英同盟復活の緒についたと言えますからね。
阿比留 米国にも訪問し、バイデン大統領と会談、反撃能力の保有など、日本の防衛力強化を踏まえた日米同盟の抑止力・対処力の強化を話し合いました。これら一連の安保政策は安倍晋三元首相が種をまいたことですが、ようやく芽が吹き始めています。
小川 安倍氏が非業(ひごう)の死を遂げた後、岸田首相は大きく変貌したのではないか。一言でいえば明確に国家を引き受ける覚悟を固めた。防衛費の増額についても、晩年の安倍氏がさまざまな場で発言し、ハードルを高く設定しました。そのハードルに対して、岸田首相は逃げずに飛び込んでいったのです。1年で1兆4000億円もの積み上げができたのは、戦後の日本ではあり得なかった。安倍政権でも7年で7000億円ほどですから。
阿比留 国際情勢の変化があったとはいえ、大きな決断だったことは間違いありません。
小川 安倍路線をさらに加速させる政治家が、岸田首相以外に誰かいたのか。ロシアがウクライナに侵攻し、中国は習近平が3選し、台湾侵攻を公然と語っている。北朝鮮のみならず、中露も同じく〝ならず者国家〟であることが満天下に示されました。この3カ国が連携したら、日米安保だってまともに機能しないでしょう。
 そのような危機的状況だからこそ、私は1人の日本国民として総理大臣の瑕疵(かし)は問わないことに決めたのです。2022年7月、安倍晋三という大政治家が暗殺され、岸田首相が良くも悪くも「日本の砦」になった。もちろん売国的な砦だったら、即、交替を求めるべきでしょう。しかし、岸田首相は安保・外交と日本の国益に適うことを矢継ぎ早に実現しています。(続きは本誌にて!)
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