【『WiLL』8月号チョイ読み】『秋篠宮』─皇室不要論に導いた左派の悪だくみ【竹内久美子】

『WiLL』8月号の一部をご紹介! 問題の書『秋篠宮』。中身を見れば憲法改正、安倍政権批判、ジェンダー問題……巧みなすり替え話がワンサカ。【『WiLL』2022年8月号初出】

たけうち くみこ
1956年、愛知県生まれ。79年、京都大学理学部卒。同大学大学院博士課程にて動物行動学を専攻する。92年、『そんなバカな! 遺伝子と神について』(文春文庫)で第8回講談社出版文化賞「科学出版賞」受賞。ほかに、『ウエストがくびれた女は、男心をお見通し』(ワック)、『フレディ・マーキュリーの恋』(文春新書)、『悪のいきもの図鑑』(平凡社)など多数。共著に『「浮気」を「不倫」と呼ぶな』(川村二郎氏との共著/ワック)がある。新刊に『女はよい匂いのする男を選ぶ! なぜ』(ワック/6月29日発売)。

誤解が解ける?

随分前に入手したものの、なかなか開くことができなかった話題の本『秋篠宮』(江森敬治著、小学館)。
 ところが、岩田温氏がYouTubeチャンネルで紹介、本誌7月特大号の「『秋篠宮』─その慄然と国難」を拝読、秋篠宮家の周辺には極左の人物が蠢(うごめ)いていることを強調されていた。これは一度読まねばと、『秋篠宮』を手に取りました。

 著者の江森氏と秋篠宮家の縁は、江森氏の奥様が結婚前に、紀子さまのお父様である、川嶋辰彦学習院大学教授の副手をつとめていたことから始まります。江森氏は秋篠宮さまのご結婚以前に川嶋教授と紀子さまと知り合っており、江森夫妻の仲人が川嶋教授夫妻でした。
 その縁もあってか、秋篠宮さまとは公私にわたり長い付き合いがあり、1998年には『秋篠宮さま』(毎日新聞社)という本を出版されました。このときには「さま」と敬称をつけているのに、今回は『秋篠宮』と呼び捨てにしている。

 ともかく著者は毎日新聞という朝日にも劣らぬ左翼系新聞の記者出身であり、出版元が「ポスト・セブン」を抱える、秋篠宮家バッシングの中心出版社。マイナスイメージを幾重にも背負ったこの本を読むには、覚悟が必要でした。

 大きく分けて3つの感想を持ちました。
 1つ目は、マスコミ、ネットなどで総力をあげて行われている秋篠宮家貶(おとし)めについての誤解がかなり解けるのではないかということ。

 特に「やりたい放題、贅沢三昧、公務をさぼっている、公私混同である」という、まるで呪文のように繰り返される秋篠宮家の噂に対し、そんなことはこのご一家にはあり得ないと確信できる。秋篠宮家、特に秋篠宮さまの日常が手にとるように示されているからです。秋篠宮家のイメージは、むしろ本書を読めば訂正されるのではないでしょうか。
 秋篠宮さまの思慮深さや言葉を選び、淡々とお考えを述べるさまがよくわかる。研究者としての情熱や学問に対する真摯な態度もうかがえる。

 随分昔から言われている、「気楽な次男坊」は単なる印象操作にほかならず、派手な遊び人といった、外見から推測されがちな憶測も、実際にはまったく逆であることがわかります。そういう意味では非常によかった。(続きは本誌にて!)

『WiLL』2022年8月号(6月24日発売!)
◎『WiLL』2022年8月号目次
安倍晋三・櫻井よしこ:■葛西敬之JR東海名誉会長を偲(しの)びつつ 防衛費GDP比2%は独立国家の覚悟の証(あかし)だ/河野克俊:米ミサイル配備で中国の野望を挫(くじ)け/平井宏治:疑惑の上海電力 浮上した金脈と人脈
中国が仕掛けるハイブリッド戦争 付 上海電力関連人脈 北尾吉孝・竹中平蔵/大高未貴:米海兵隊岩国基地を包囲するメガソーラー 付 上海電力関連人脈 林芳正外相・山口県議会の〝ドン〟/北村 滋・平井宏治:中国の野心 警戒なき日本 トヨタ・ソニー・ソフトバンクは大丈夫か/片山さつき・有本 香:北海道 中国資本の土地買い その先に自衛隊の施設/阿比留瑠比:ステルス岸田、幸運の星に恵まれて/高市早苗:「岸田内閣が無為無策」という虚構/ 飯山 陽・岩田 温:帰ってきた「魔女・重信房子」―日本赤軍は死んだフリ/武藤正敏・髙山正之:オモテでニコニコ ウラで対日軍備増強 韓国はナニ考えてンだ!!