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【著者より】
アメリカによる前代未聞のジェノサイド(genocide=皆殺し)と言うほかない核炸裂によるこの大人体実験は、戦前、戦中からの日本へのさまざまな偏見、誤解、デマ、そして明治期以降の日本の独り善がりからも生じたアメリカ側の対日嫌悪、憎悪も大きく影響して引き起こされたと私は考える。

【本書の内容】
なぜ爆撃機(エノラ・ゲイ)は広島上空を通り過ぎてから「反転」したのか!? 軍事的に無用となった原爆投下に固執した米科学者。京都に原爆を落としたかったレズリー・グローヴズらの妄執が悲劇を生んだ。

空襲の警報解除をじっと待って、急遽反転した「エノラ・ゲイ」。反転を知って防空壕に入っていれば助かった人命。防空壕にたまたま入っていた少女たちは、投下直後に爆心地を笑いながら歩いていたのだから……。ポツダム宣言に血迷い、正気を失った日本の悲劇は今日まで続いている……

◆はじめに

◆第一章 完全な人体実験を遂行するために反転飛行をした
  ・ワシントンで手渡された原爆投下糾弾の冊子
  ・ルメイの原爆冷眼視
  ・日本への原爆投下の流れ
  ・原爆機の「反転」はなぜ問題なのか
  ・防空壕に入っていれば助かった!
  ・爆心地を笑いながら歩いていた少女たち
  ・警報解除ですぐ「反転」
  ・願ってもない人体実験だった
  ・京都に原爆を落としたかったグローヴズ
  ・信憑性の高い記録文書から推定できること
  ・語るに落ちるティベッツ機長の回顧
  ・ティベッツはなぜ「クラシキ」と書いたのか
  ・「エノラ・ゲイ」を目視した生き証人たち
  ・ヴァン・カーク元航法士は「反転」を告白した

◆第二章 日本への原爆投下については米側にも葛藤があった
  ・ドイツ敗北で日本に落とす理由はなくなっていたが
  ・それでも日本に投下する理由とは
  ・「対ソ威嚇」以前に投下する必要があった
  ・グルー案から消えた「天皇保証条項」
  ・日本に戦争を続けさせなくてはならなかった
  ・余りにもお馬鹿さんだった日本政府
  ・トルーマンとスティムソンの確執
  ・徒労に終わったソ連を通じての和平交渉

◆第三章 地上の目には米原爆機が焼き付いていた
  ・「ケダモノ」はどっちだったか
  ・ルメイの誇る「戦果」とは
  ・ルメイに勲一等旭日大綬章を与えた佐藤政権
  ・優れていた原爆投下批判の政府声明
  ・やはり「エノラ・ゲイ」は反転していた
  ・米側は真相を語らず、しかし虚偽も言っていない
  ・小学生は光を見た、そして書き残した
  ・人体を対象にした未曾有の巨大実験

◆おわりに
  ・長崎に「反転」はなかったか
  ・主敵のアメリカに白旗を掲げ、和を乞う以外なかった
  ・21世紀(令和)の今も「井の中の蛙……」の持病を患う日本

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