橋本岳副大臣&自見英子政務官:政界不倫の裏側

橋本岳副大臣&自見英子政務官:政界不倫の裏側

どこからのリーク?

「今度の厚労副大臣と厚労政務官の不倫報道、おかしいと思わない? 私は、安倍総理や九州や山口を地盤とする保守系政治家の力を削ぐことを目的に、医師会内部からリークされた情報ではないかと思っている」

 7月31日の晩、私の携帯電話に、医師を会員とする職能団体「日本医師会」の関係者から連絡が入った。
 
 医師会の組織内候補で、元小児科医である自見英子政務官と、妻子持ちの橋本岳副大臣が、コロナウィルスが急速に感染拡大していた7月の2週間で、約5回も密会(濃厚接触)していたことを報じたのは、30日発売の『週刊文春』である。
 前出の日医の関係者は、あまりにタイミングが良すぎるんですよと言う。

「今、医師会を実質的に仕切っているのは、中川俊男会長よりも、東京都医師会長である尾崎治夫氏をはじめとした東京都チーム。〝思想が左巻きな人たち〟と呼ばれていて、小池百合子都知事と関係がいいだけではなく、ポスト安倍を見据えて活発に動いている二階俊博幹事長ともパイプがある」

 と、前置きした上で、こう続けた。

「前回、特例公認で出馬したにもかかわらず、ギリギリ滑り込んだ羽生田俊議員は全国比例ではあるが、東京が主戦場。男女を問わず人気の高い自見議員にかなり嫉妬していました。厚労省内でも、もっと存在感を発揮したいという思いもあったでしょう。そうした人々の思惑が合致して、自見政務官と橋本副大臣の不倫疑惑が流されたのではないか」

不倫報道の狙い

 コロナウィルスの新規感染者数は、7月31日、8月1日と2日続けて感染者が400人を超え、1日あたりの過去最多を更新していた。東京の死者は4~5月中に集中していたことも明らかになっている。4月、5月といえば、小池都知事も尾崎都医師会長も、「自分たちの選挙(日本医師会会長選挙)にかまけていた」時期。国=安倍総理に責任転嫁をするには、自見政務官と、厚労族議員で鳴らした橋本龍太郎元総理を父に持つ岳副大臣との不倫疑惑は、絶妙のタイミングだった。

「こんな報道が出たら、この2人に対して、厚労省内での人望も一気に落ちる。実に巧妙な作戦です」

 と、医系の厚労官僚も言うほどだ。
 そもそも、橋本副大臣の下半身の緩さには定評があった。政治家の娘に生まれたとはいえ、超お嬢様の自見政務官を落とすのは、橋本副大臣にとって、赤子の手をひねるぐらい簡単なことだっただろう。じっさい自見政務官は、おっとりとしていて、40を過ぎても、純真さが残っているような性格。
「婚期を逃してしまったのが、痛恨のミスだ」と周囲にいる自見ファンの女性医師からも心配されるほど、人なつこいところもある。

医療関係議員の深い因縁

 さらに、自見議員の父・自見庄三郎元国民新党代表と医師会との深い因縁も、不倫騒動の要因のひとつであるという。

 自見パパは、九大医学部大学院で博士号を取得後、米ハーバード大学で伝染病(感染症)を主とした公衆衛生学部の主任研究員として活躍していた。現役なら、メディアに引っ張りだこになっているだろう。

 自民党の国会議員に転身した後は、郵政族議員としてキャリアを積むが、05年の小泉郵政選挙で落選。しかし、07年参院選で、原中勝征日本医師会元会長(18代)の強い後押しをとりつけて、医師会から推薦をゲットし、当選した。しかし、この時、自見パパの強引な手腕の余波を受けて落選の憂き目を見たのが武見敬三議員だ。父は「武見天皇」とまで呼ばれた武見太郎元日本医師会・世界医師会長。姉は、麻生太郎財務大臣の弟に嫁ぐなど、見た目の地味さからは想像もつかない華やかな経歴だ。

「厚労政策に対する思い入れが強い一方、存在感を発揮できていないジレンマが強い政治家でもある」
 と、厚労省幹部。

 橋本副大臣と自見議員の不倫疑惑、コロナウィルスに関係する人たちの思惑と野心を合わせてみると、当人たちにとっては「よくある不倫」が、そうでなくなっているのが見えてくる。
 (2033)

横田由美子(よこた・ゆみこ) 

埼玉県出身。青山学院大学在学中より、取材活動を始める。官界を中心に、財界、政界など幅広いテーマで記事、コラムを執筆。「官僚村生活白書」など著書多数。IT企業の代表取締役を経て、2015年、合同会社マグノリアを立ち上げる。女性のキャリアアップ支援やテレビ番組、書籍の企画・プロデュースを手がける。

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