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ささき るい
1964年、東京都生まれ。産経新聞に入社。事件記者として、警視庁で企業犯罪、官庁汚職、組織暴力などの事件を担当。その後、政治記者となり、首相官邸、自民党、野党、外務省の、各記者クラブでのキャップ(責任者)を経て、政治部デスク(次長)に。この間、米紙「USA TODAY」の国際部に出向。米国テネシー州のバンダービルト大学公共政策研究所 日米センターでは、客員研究員として日米関係を専門に研究した。2010年、ワシントン支局長に就任後、論説委員、九州総局長兼山口支局長を経て、18年10月より論説副委員長。著書に『静かなる日本侵略』『日本が消える日』『日本復喝!』『チャイニーズ・ジャパン』『ステルス侵略』(ハート出版)など。
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いなむら ゆう
元警視庁警部補。警察学校を首席で卒業し、同期で最も早く警部補に昇任。警視庁公安部外事課の捜査官として、カウンターインテリジェンス(スパイ対策)の最前線で多くの諜報活動の取り締まり及び情報収集に従事、警視総監賞など多数を受賞した。また刑事としても、強制性交等事件や強盗致傷事件等の多くの強行事件を担当。退職後は大手金融機関における社内調査や、大規模会計不正や品質不正に係る不正調査にも従事し、捜査経験を活かした社内調査に関する多くの知見を有するほか、大手コンサルティングファーム(Big4)において経済安全保障・地政学リスクのコンサルティングに従事。現在は、その希有な経験から得た知見を民間に還元するとともに、カウンターインテリジェンスを全国に広めるべく、安全保障分野研究者やサイバーセキュリティ専門家とともに日本カウンターインテリジェンス協会を設立、自ら代表を務め、広く民間に諜報活動やサイバー攻撃への対策に関する警鐘を鳴らす活動を進めている。

中国の千粒の砂戦略

佐々木 稲村さんは元警視庁公安部捜査官という経歴をお持ちですが、具体的にどのようなことをされていたのですか。
稲村 警視庁では刑事と公安の両方を担当しました。刑事は死刑や無期懲役に関する強行事件を担当し、公安では、外事を担当、主に情報収集や外国勢力によるスパイ関係を捜査しました。
佐々木 中国からの留学生は年々増加傾向にあります。彼らの中に、中国共産党とつながっている人物がいてもおかしくない。
稲村 私の場合は、民間での経験になりますが、中国人留学生に在日中国大使館職員が接近する状況を目の当たりにしました。この調査の中で彼らの交友関係を調査し、大使館職員と接触している人物が誰かをあぶり出すこともしました。情報収集のため、学生のSNSで発信している内容を絶えずチェックしました。そこに重要な情報が眠っていることも少なくなかった。
佐々木 地道な作業が必要ですね。
稲村 はい、諜報事件捜査でも同様にひたすら証拠集めを続けます。接触の中で違法行為をしていないかを捜査し、法令に基づく、例えば刑法上の構成要件を満たす状況を裏付ける証拠が収集できれば立件を目指します。
佐々木 でも、それを把握するのが難しい。
稲村 立件は本当に難しい状況です。中国は〝千粒の砂戦略〟と言われるように、ビジネスマンや留学生などの様々なチャネルでスパイ活動をする手法をとりますから、実態を把握するのが容易ではありません。(続きは本誌にて!)
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『WiLL』2023年7月号(7月26日発売!)

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