性的に虐待していた悪魔?
本年1月、米司法省が「エプスタインファイル」を公開したことが話題になっています。これは2019年、勾留中に死亡したジェフリー・エプスタイン元被告についての捜査資料で、そのボリュームは約2000本のビデオと約18万点の写真を含む300万ページ以上、さらにこれまで公開したものとあわせると、350万ページ分にもなると言われています。
エプスタインは投資家として名を成したものの、児童への性的暴行、性的人身売買で起訴された人物。政財界での有力者や王族にも人脈を持っていたため、彼らへの売春斡旋(あっせん)が噂されていました。何しろ11、12歳といった幼い少女に性的虐待を加え、売買していたというのだから、尋常ではありません。
FBIと警察がエプスタインの住居を家宅捜索すると、性的人身売買の証拠と、何百、何千という女性の性的な写真、また被害者のデータを収めたCDが見つかったと言います。彼は権力者に少女をあっせんする「女衒(ぜげん)」的な行為に手を染め、それによって広大なコネクションを形成していたのです。そんなわけで死亡も一応、自殺とされているものの、事件性があるのではとの疑惑がずっと囁(ささや)かれておりました。
さて、しかしその権力者というのは、具体的に誰だったのでしょう。『日本経済新聞』Web版における、〈「エプスタイン文書」300万ページ追加公開 米司法省、作業を終了〉から引用します。
《資料には、起業家のイーロン・マスク氏とエプスタイン氏の電子メールのやり取りが含まれている。2013年12月、マスク氏が年末年始の時期にカリブ海のエプスタイン氏所有の島を訪れる相談をしていた電子メールなどがある。
(中略)
トランプ大統領や、クリントン元大統領の名前も多数現れる。16年の裁判関係資料では、エプスタイン氏がクリントン氏との関係を質問される度に黙秘権を行使していた》
何だか穏やかではありません。
エプスタイン氏は所有する島に少女を集め、そこで性的虐待を行っていたとされます。
イーロン・マスクもトランプもそしてクリントンも、エプスタインに少女を提供され、性的に虐待していた悪魔だったのでしょうか。
何しろ記事は以下のように続いています。
《野党・民主党のシューマー上院院内総務はX(旧ツイッター)への投稿で、トランプ氏に言及した文書など全ての資料が公開されたかどうかに疑問を呈した。民主は政権による隠蔽(いんぺい)の可能性をさらに追及する構えだ》
事実だとしたら、絶対に許されない話です。
トランプ側の人物の反論にも一応、触れてはいるのですが、記事は一読してトランプもマスクもとんでもない大悪人であるかのような印象を与えるものになっています。
エプスタインは投資家として名を成したものの、児童への性的暴行、性的人身売買で起訴された人物。政財界での有力者や王族にも人脈を持っていたため、彼らへの売春斡旋(あっせん)が噂されていました。何しろ11、12歳といった幼い少女に性的虐待を加え、売買していたというのだから、尋常ではありません。
FBIと警察がエプスタインの住居を家宅捜索すると、性的人身売買の証拠と、何百、何千という女性の性的な写真、また被害者のデータを収めたCDが見つかったと言います。彼は権力者に少女をあっせんする「女衒(ぜげん)」的な行為に手を染め、それによって広大なコネクションを形成していたのです。そんなわけで死亡も一応、自殺とされているものの、事件性があるのではとの疑惑がずっと囁(ささや)かれておりました。
さて、しかしその権力者というのは、具体的に誰だったのでしょう。『日本経済新聞』Web版における、〈「エプスタイン文書」300万ページ追加公開 米司法省、作業を終了〉から引用します。
《資料には、起業家のイーロン・マスク氏とエプスタイン氏の電子メールのやり取りが含まれている。2013年12月、マスク氏が年末年始の時期にカリブ海のエプスタイン氏所有の島を訪れる相談をしていた電子メールなどがある。
(中略)
トランプ大統領や、クリントン元大統領の名前も多数現れる。16年の裁判関係資料では、エプスタイン氏がクリントン氏との関係を質問される度に黙秘権を行使していた》
何だか穏やかではありません。
エプスタイン氏は所有する島に少女を集め、そこで性的虐待を行っていたとされます。
イーロン・マスクもトランプもそしてクリントンも、エプスタインに少女を提供され、性的に虐待していた悪魔だったのでしょうか。
何しろ記事は以下のように続いています。
《野党・民主党のシューマー上院院内総務はX(旧ツイッター)への投稿で、トランプ氏に言及した文書など全ての資料が公開されたかどうかに疑問を呈した。民主は政権による隠蔽(いんぺい)の可能性をさらに追及する構えだ》
事実だとしたら、絶対に許されない話です。
トランプ側の人物の反論にも一応、触れてはいるのですが、記事は一読してトランプもマスクもとんでもない大悪人であるかのような印象を与えるものになっています。
エプスタインファイル公開に前向きなイーロン・マスク
さて、確かにおぞましい話題ですが、少し落ち着いて考えてみましょう。
まず大前提として申し上げておきますとこのエプスタインファイル、SNSでは何とはなしに売春の「顧客リスト」のようなイメージで語られたりもしていますが、実際にはエプスタインに関するあらゆる記録、例えば彼がやり取りしたどうということのないメール、またネットでどんな記事を見ていたかなど、日常的なものが数多く含まれた(おそらく、そちらの方が圧倒的多数の)ものなのです。トランプやマスクの名前が出てきているのは事実ですが、「顧客リストに二人の名前が!」といった事実が判明したわけでは、全くないのです。
別な記事にも目を通しましょう。
CNNの〈【分析】追加公開された「エプスタイン文書」、初期の分析で分かった5つのポイント〉には以下のようにあります。
《トランプ氏は、エプスタイン氏が絡む不正行為で法執行機関から告発されたことは一度もなく、いかなる関与も否定している。
リストにある疑惑の内容は証明されていないとみられ、一部はまた聞きの情報だと当局者は指摘する。多くの場合、疑惑を寄せた個人とは連絡を取っておらず、連絡先が示されている例もないと文書は記している》
《マスク氏は1月30日夜、X(旧ツイッター)のアカウントに「エプスタイン氏とはほとんどやり取りがなく、彼の島に行くか彼の『ロリータ・エクスプレス』で空の旅をするよう何度も誘いを受けたが断った。それでも彼とのメールのやり取りの一部が誤解され、私に汚名を着せようと中傷する者たちに利用されるかもしれないということはよく分かっていた」と投稿した》
つまり両氏とも、疑惑を否定しているわけです。
大前提としてこの二人、以前よりエプスタインファイルの公開に前向きであり、ことにマスクは熱意を持って取り組んでいました*1。
翻ってバイデン政権時にはこの事件についての捜査進展や公開対応が批判され、またビル・クリントン夫妻はエプスタインとの関係が長年に渡り確認されており、議会での証言を余儀なくされたと、多くの疑惑があります(先の『日経』の記事もここは一応、言及しないわけにはいかなったのでしょう)。
議会での証言は今月末で、いまだはっきりとした証拠が出たわけではないが、不利なのはどちらかと言えば……といった状況にあるわけです。
*1 もっとも、SNSではマスクがエプスタインのお誘いを断ったメールも流出していますが、これは文書番号がなく、またぼくもエプスタインファイルを「Subject: Elon」で検索したのですが、見つけ出すことができませんでした。信憑性は低いようです。
まず大前提として申し上げておきますとこのエプスタインファイル、SNSでは何とはなしに売春の「顧客リスト」のようなイメージで語られたりもしていますが、実際にはエプスタインに関するあらゆる記録、例えば彼がやり取りしたどうということのないメール、またネットでどんな記事を見ていたかなど、日常的なものが数多く含まれた(おそらく、そちらの方が圧倒的多数の)ものなのです。トランプやマスクの名前が出てきているのは事実ですが、「顧客リストに二人の名前が!」といった事実が判明したわけでは、全くないのです。
別な記事にも目を通しましょう。
CNNの〈【分析】追加公開された「エプスタイン文書」、初期の分析で分かった5つのポイント〉には以下のようにあります。
《トランプ氏は、エプスタイン氏が絡む不正行為で法執行機関から告発されたことは一度もなく、いかなる関与も否定している。
リストにある疑惑の内容は証明されていないとみられ、一部はまた聞きの情報だと当局者は指摘する。多くの場合、疑惑を寄せた個人とは連絡を取っておらず、連絡先が示されている例もないと文書は記している》
《マスク氏は1月30日夜、X(旧ツイッター)のアカウントに「エプスタイン氏とはほとんどやり取りがなく、彼の島に行くか彼の『ロリータ・エクスプレス』で空の旅をするよう何度も誘いを受けたが断った。それでも彼とのメールのやり取りの一部が誤解され、私に汚名を着せようと中傷する者たちに利用されるかもしれないということはよく分かっていた」と投稿した》
つまり両氏とも、疑惑を否定しているわけです。
大前提としてこの二人、以前よりエプスタインファイルの公開に前向きであり、ことにマスクは熱意を持って取り組んでいました*1。
翻ってバイデン政権時にはこの事件についての捜査進展や公開対応が批判され、またビル・クリントン夫妻はエプスタインとの関係が長年に渡り確認されており、議会での証言を余儀なくされたと、多くの疑惑があります(先の『日経』の記事もここは一応、言及しないわけにはいかなったのでしょう)。
議会での証言は今月末で、いまだはっきりとした証拠が出たわけではないが、不利なのはどちらかと言えば……といった状況にあるわけです。
*1 もっとも、SNSではマスクがエプスタインのお誘いを断ったメールも流出していますが、これは文書番号がなく、またぼくもエプスタインファイルを「Subject: Elon」で検索したのですが、見つけ出すことができませんでした。信憑性は低いようです。
玉石混合のデータ
一方でエプスタインファイルには幼児殺害など凄惨な記述もあり、例えばITコンサルで作家の谷本真由美氏はこれについて、Xで積極的に発言しています。
が、繰り返す通り、同ファイルには玉石混合のあらゆるデータが入っており、書かれていたことが真実だというわけではないのです。
例えば、ニューヨーク市警とFBIニューヨーク支局の担当者が作成した、被害者への聞き取りについての文書も公開されています((先日まで公開されていたのですが、現在はリンク切れになっています)。
ここではその人物が幼い頃にエプスタインと出会い、レイプされたこと、また赤ん坊が儀式で殺され、その遺体が食われたことなど、凄惨な描写が並びます。
しかし、これは典型的な「回復された記憶」であり*2物証もなく、また傷つけられたはずの被害者の足に傷痕が残っていない、ジョージ・ブッシュにまでレイプされたと主張しているなど、さすがに信じがたい内容が続き、またこの人物は薬物摂取の常習犯、警察側もこれ以上の捜査の必要はないと判断しています*3。
要するに、騒がれた事件にこうした怪しげな告発が出て来るのは当たり前のことであり、軽率に飛びつくべきではない、ということですね。
谷本氏はまたXで、女性を芝生の上で縛り上げ、虐待を加えているかのような写真がエプスタインファイルにあった児童への拷問の証拠だと拡散していますが、これは女優ドレア・モーガン出演のビデオ「Drea Morgan Stakeout Under Glass」のワンシーンであるとの検証がされています。確かに一見しておぞましい映像ではありますが、合意の下に制作されたアダルト動画であり、これまた軽はずみに批判すべきものではありません。
*2 ファイルでははっきり「recoverd repressed memories」との言葉が使われています。「草津町事件の悲劇を繰り返さないために」でもご紹介した通り、欧米では一時期、女性が幼児期の虐待の記憶を後年になって思い起こすといったことが多発し、フェミニストたちがこれを大袈裟に採り挙げました(いえ、女性を誘導してそうした記憶の回復を盛んに手助けしました)が、その真実性には非常に疑問が残るのです。また、上の告発で語られた悪魔崇拝者による幼児の拉致、虐待というのも「回復された記憶」で思い出される疑似記憶の定番にほかなりません。
*3 詳しくは「エプスタインファイルに釣られる自称リベラルに腹を立てたので書いておく」をご覧ください。
が、繰り返す通り、同ファイルには玉石混合のあらゆるデータが入っており、書かれていたことが真実だというわけではないのです。
例えば、ニューヨーク市警とFBIニューヨーク支局の担当者が作成した、被害者への聞き取りについての文書も公開されています((先日まで公開されていたのですが、現在はリンク切れになっています)。
ここではその人物が幼い頃にエプスタインと出会い、レイプされたこと、また赤ん坊が儀式で殺され、その遺体が食われたことなど、凄惨な描写が並びます。
しかし、これは典型的な「回復された記憶」であり*2物証もなく、また傷つけられたはずの被害者の足に傷痕が残っていない、ジョージ・ブッシュにまでレイプされたと主張しているなど、さすがに信じがたい内容が続き、またこの人物は薬物摂取の常習犯、警察側もこれ以上の捜査の必要はないと判断しています*3。
要するに、騒がれた事件にこうした怪しげな告発が出て来るのは当たり前のことであり、軽率に飛びつくべきではない、ということですね。
谷本氏はまたXで、女性を芝生の上で縛り上げ、虐待を加えているかのような写真がエプスタインファイルにあった児童への拷問の証拠だと拡散していますが、これは女優ドレア・モーガン出演のビデオ「Drea Morgan Stakeout Under Glass」のワンシーンであるとの検証がされています。確かに一見しておぞましい映像ではありますが、合意の下に制作されたアダルト動画であり、これまた軽はずみに批判すべきものではありません。
*2 ファイルでははっきり「recoverd repressed memories」との言葉が使われています。「草津町事件の悲劇を繰り返さないために」でもご紹介した通り、欧米では一時期、女性が幼児期の虐待の記憶を後年になって思い起こすといったことが多発し、フェミニストたちがこれを大袈裟に採り挙げました(いえ、女性を誘導してそうした記憶の回復を盛んに手助けしました)が、その真実性には非常に疑問が残るのです。また、上の告発で語られた悪魔崇拝者による幼児の拉致、虐待というのも「回復された記憶」で思い出される疑似記憶の定番にほかなりません。
*3 詳しくは「エプスタインファイルに釣られる自称リベラルに腹を立てたので書いておく」をご覧ください。
エプスタインファイル=「ロールシャッハテスト」
一方で「エプスタインはトランスジェンダーイデオロギーにも親和的であり、男の子を性転換させ、性をひさがせているのだ」といった声も聞こえてきます。
これについてはおそらく、Lord Beboという人物(陰謀系インフルエンサー?)のポストが根拠になっているように思われます。
しかし添付された文書画像にはやはり文書番号がないため追跡困難、つまり本物かどうか疑問が残ります。また仮に本物だったとして、文書はトランスについての性的な内容ではあるものの、未成年の性転換について懐疑的(少なくとも肯定してはいない)。エプスタインがニューハーフがお好きだったことの傍証とはなっても、児童への性的虐待の根拠にはなりません。
エプスタインファイルは米司法省のHPで公開されており、万人が見ることができます。恐らく世界の何十万、何百万もの人間がまるで宝探しでもする気分でこれを見ているのでしょう。そこには怪しげな資料もあり、それが拡散されることもありましょうが、上の例でもわかる通り、その信憑性はまた別なのです。
いずれにせよエプスタインが子供に対して凄惨(せいさん)な虐待を続けていたことは事実でしょう。また、有力者が彼とともに許されない振る舞いをしていたことも、間違いないと思われます。が、具体的な個人を「クロ」とするのには、もう少し慎重であるべきです。SNSでは本件にフェミニストが関与していたのではと囁かれていますし、また、以前お伝えしたようにフェミの中には小児性愛に親和的な者もおり、その可能性は決して低くないと思うのですが(「フェミを推進したいあまり、トンデモ性愛までを許容するヤバい人たち」)、断定的なことを言うのは、もう少し証拠が出揃ってからにした方がいいようです。
『ノストラダムスの大予言』をご存じでしょうか。
若い方はご存じないかも知れないのでごく簡単に説明しますと、ノストラダムスは著名な予言者。1970年代、「ノストラダムスの遺した予言詩によると、1999年に人類は滅亡するのだ」とした本がベストセラーになったのです。何しろ当時は冷戦時代ですから、「ひょっとして核戦争で人類は滅ぶのでは」との不安にはリアリティがありました。
ところが実際の予言詩は、曖昧でどうとでも解釈できるもの。滅亡予言からして「恐怖の大王」が現れるとは言うものの「その前後の期間、マルスは幸福に支配する」ともあり、(このマルスが何者で、恐怖の大王との関係がどのようなものかはわかりませんし、そもそもどこを見ても滅亡を示す内容は書かれていないのですが、ともあれ)ならばいい統治者が現れるという予言だとも思える。
つまり、1000編近くもあるこの予言詩は大体がこんな調子で、世の中にいいことが起ころうと悪いことが起ころうと、どうとでも当てはめることができるものでした。オカルトに詳しいSF作家の故・山本弘氏はこの予言詩を「ロールシャッハテスト」である、すなわち視る者の不安や願望が投影され、どんな内容でも浮かんできてしまうものなのだと指摘しました。
350万ページに渡るエプスタインファイルも、やはり「ロールシャッハテスト」なのだと言えそうです。
この件についてあまり伝えようとしないオールドメディアにも問題がありますが、ネット民ももうちょっと冷静になった方がいいのではないでしょうか。
これについてはおそらく、Lord Beboという人物(陰謀系インフルエンサー?)のポストが根拠になっているように思われます。
しかし添付された文書画像にはやはり文書番号がないため追跡困難、つまり本物かどうか疑問が残ります。また仮に本物だったとして、文書はトランスについての性的な内容ではあるものの、未成年の性転換について懐疑的(少なくとも肯定してはいない)。エプスタインがニューハーフがお好きだったことの傍証とはなっても、児童への性的虐待の根拠にはなりません。
エプスタインファイルは米司法省のHPで公開されており、万人が見ることができます。恐らく世界の何十万、何百万もの人間がまるで宝探しでもする気分でこれを見ているのでしょう。そこには怪しげな資料もあり、それが拡散されることもありましょうが、上の例でもわかる通り、その信憑性はまた別なのです。
いずれにせよエプスタインが子供に対して凄惨(せいさん)な虐待を続けていたことは事実でしょう。また、有力者が彼とともに許されない振る舞いをしていたことも、間違いないと思われます。が、具体的な個人を「クロ」とするのには、もう少し慎重であるべきです。SNSでは本件にフェミニストが関与していたのではと囁かれていますし、また、以前お伝えしたようにフェミの中には小児性愛に親和的な者もおり、その可能性は決して低くないと思うのですが(「フェミを推進したいあまり、トンデモ性愛までを許容するヤバい人たち」)、断定的なことを言うのは、もう少し証拠が出揃ってからにした方がいいようです。
『ノストラダムスの大予言』をご存じでしょうか。
若い方はご存じないかも知れないのでごく簡単に説明しますと、ノストラダムスは著名な予言者。1970年代、「ノストラダムスの遺した予言詩によると、1999年に人類は滅亡するのだ」とした本がベストセラーになったのです。何しろ当時は冷戦時代ですから、「ひょっとして核戦争で人類は滅ぶのでは」との不安にはリアリティがありました。
ところが実際の予言詩は、曖昧でどうとでも解釈できるもの。滅亡予言からして「恐怖の大王」が現れるとは言うものの「その前後の期間、マルスは幸福に支配する」ともあり、(このマルスが何者で、恐怖の大王との関係がどのようなものかはわかりませんし、そもそもどこを見ても滅亡を示す内容は書かれていないのですが、ともあれ)ならばいい統治者が現れるという予言だとも思える。
つまり、1000編近くもあるこの予言詩は大体がこんな調子で、世の中にいいことが起ころうと悪いことが起ころうと、どうとでも当てはめることができるものでした。オカルトに詳しいSF作家の故・山本弘氏はこの予言詩を「ロールシャッハテスト」である、すなわち視る者の不安や願望が投影され、どんな内容でも浮かんできてしまうものなのだと指摘しました。
350万ページに渡るエプスタインファイルも、やはり「ロールシャッハテスト」なのだと言えそうです。
この件についてあまり伝えようとしないオールドメディアにも問題がありますが、ネット民ももうちょっと冷静になった方がいいのではないでしょうか。
兵頭 新児(ひょうどう しんじ)
本来はオタク系ライター。
フェミニズム、ジェンダー、非モテ問題について考えるうち、女性ジェンダーが男性にもたらす災いとして「女災」という概念を提唱、2009年に『ぼくたちの女災社会』を上梓。
ブログ『兵頭新児の女災対策的随想』を運営中。
本来はオタク系ライター。
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