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たかいち さなえ
1961年(昭和36年)生まれ。神戸大学経営学部卒業、(財)松下政経塾卒塾。米国連邦議会Congressional Fellow、近畿大学経済学部教授(産業政策論・中小企業論)、衆議院では、文部科学委員長、議院運営委員長等、自由民主党では、政務調査会長(3期)、日本経済再生本部長、経済安全保障対策本部長、サイバーセキュリティ対策本部長(3期)等、内閣では、通商産業政務次官、経済産業副大臣(3回任命)、内閣府特命担当大臣(4回任命)、総務大臣(5回任命で史上最長在職期間を記録)を歴任。

本当に「正常化」だったのか

※本稿は2022年7月24日に「日本李登輝友の会」で筆者が講演した「日台関係50年─何を失い何を得たのか」の内容を加筆・修正したものです。

 今年は「日中国交正常化50周年」です。しかし、はたして、この50年が本当に「正常化」だったと言えるのか。正しくは「日台断交50年」「日中国交樹立50年」と呼ぶべき年だと考えています。
 日台は50年で何を失い、何を得たのか──失ったものは「真の友人である国家」ですが、得たものも「真の友人」です。日台は断交後も緻密な関係を保ち、むしろ、その絆は一層強固になりつつあります。世界的にも稀有(けう)なことですが、今年3回忌となる李登輝元総統や、去る7月8日に凶弾に倒れられた安倍晋三元総理の大きなご功績です。

 私は「まさかのときの友人こそが、真の友人だ」と考えています。
 日台は、これまで幾多の「まさかのとき」に苦楽をともにしてきました。直近で経験した「まさかのとき」は、まさしく安倍元総理の急逝です。
 台湾からは頼清徳副総統が早々に来日され、弔問してくださいました。お通夜とご葬儀にご参列いただき、自民党役員として、また若手議員時代からの友人として、深く感謝を申し上げます。
 7月11日には、蔡英文総統が台北にある日本台湾交流協会(大使館に相当する)を弔問してくださいました。祭壇に置かれた安倍元総理の遺影に花を捧げ、色紙に「台湾の永遠の良き友よ、台日友好と世界の民主主義、自由、人権、平和に対するあなたの貢献に感謝する」と記してくださいました。台湾国内の献花台には約1万5000人もの方々が、暑いなか、足を運んでくださったとうかがっています。

 また、超高層ビル「台北101」に安倍元総理を追悼するメッセージが早々に流れたこともテレビ映像で拝見し、感動しました。7月11日には、台湾の政府機関や公立の学校で哀悼の意を示すため半旗を掲げてくださったと聞いています(総統府の情報)。いずれも大変ありがたいことだと感じています。(続きは本誌にて!)
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◎『WiLL』2022年10月号目次
櫻井よしこ・門田隆将 安倍元総理の遺言に〝聞く耳〟はないのか 裏切りの岸田政権/高市早苗 安倍元総理の遺志をつぐ覚悟です/高市早苗 早苗の国会月報 萩生田政調会長への期待/阿比留瑠比 国葬を潰したいリベラルの暗躍/岩田 温・小川榮太郎 安倍元総理が戦ってきた戦後レジームの正体/髙橋洋一・掛谷英紀 内閣改造の目玉は「旧統一教会」を利用した〝岸降ろし〟/渡邉哲也 霊感商法 旧統一教会と闘ったのは安倍さんだ!/朝香 豊 旧統一教会―ズブズブなのは朝日・毎日ではないか/氷川貴之 氷川政話 国葬と旧統一教会をリンク、政争の具にした野党/白川 司 PCR検査とザル融資の闇 小池都知事の危うい売国媚中政策/佐々木 類 上海電力だけではない またしても大阪がはまった中国の罠(わな)/藤井 聡・木村盛世 決められない日本 これは〝コロナ禍〟ではなく〝岸田禍〟だ!/古森義久 ワシントン報告 安倍元総理の死―悲嘆にくれるアメリカ/孫 向文 孔子学院なんて閉鎖しろ!「安倍晋三射殺万才!」だって!? 不埒な留学生を野放しにする立命館大/岩田清文・尾上定正 台湾危機と令和の国防/平井宏治 日本のサイバーセキュリティー 河野太郎で大丈夫か/仲村 覚 9・11 台湾危機下の沖縄知事選=問われる保守の力/須田慎一郎・小川泰平 安倍元総理暗殺事件 警察史に残る大失態と残るナゾなど

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