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ひゃくた なおき
1956年生まれ、大阪市出身。放送作家、小説家。テレビ番組『探偵! ナイトスクープ』のチーフライターを25年以上務めるほか、人気テレビ番組のライターや構成を担当。2006年、『永遠の0』(太田出版)で小説家デビュー。13年、『海賊とよばれた男』(講談社)で本屋大賞受賞。安倍晋三首相との共著『日本よ、咲き誇れ』(ワック)など著書多数。

特大ブーメランが炸裂

 1カ月にわたり国会を空転させた「小西文書」問題に決着がつきました。安倍晋三総理と高市早苗総務相(ともに当時)が、放送法の解釈変更をめぐり圧力をかけたという疑惑は、高市氏の言葉を借りれば「捏造」。「小西文書」は怪文書の類であることが明らかとなった。

 高市氏と小西洋之議員は政治家としての格が違います。どちらの言っていることが正しいか、最初から勝負は見えていました。とはいえ、高市氏のことが気に入らないマスコミは小西氏の味方をしました。そこに論理的な根拠はありません。野党とマスコミを相手に奮闘する高市氏の姿は、かつての安倍元総理を彷彿させました。野党とマスコミが根拠薄弱な疑惑を騒ぎ立てる──。「小西文書」とモリカケ桜は似たような構図でした。
 そんななか、小西氏は「小西文書」とはまったく関係ないところで〝自爆〟します。衆院憲法審査会の毎週開催を「サルがやること」「蛮族の行為」と批判。しまいには「私は憲法学者だ」などと意味不明なことを言い出したのです。

 小西氏はなぜ、このような傲慢(ごうまん)な発言をしてしまったのか。「小西文書」で高市氏を追及する自分の姿が、連日のように新聞・テレビで報じられる。それを見て、世界は自分を中心に回っていると勘違いしたのかもしれません。メディアに注目されて完全に舞い上がってしまったのでしょう。
 NHKとフジテレビが「サル発言」を報じると、小西氏は「元放送政策課課長補佐に喧嘩を売るとはいい度胸だ」とツイート。「放送法などあらゆる手段を講じて、報道姿勢の改善を求めたい」とも書き込みました。小西氏はそれまで、安倍元総理や高市氏がテレビ局や総務省に圧力をかけた疑惑を追及していたはずなのに、完全に〝ブーメラン〟が炸裂した格好です(笑)。(続きは本誌にて!)
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『WiLL』2023年6月号(4月26日発売!)

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