【安積明子】遠山議員「銀座通い」問題が示す、公明党<ト...

【安積明子】遠山議員「銀座通い」問題が示す、公明党<トラブル処理力>の低下

記者会見に応じる遠山議員
 好事魔多しというのか、信心が足りないというべきか……。公明党の遠山清彦衆議院議員の銀座通いの問題です。しかし公明党はこうした問題が起こった時、ちゃっちゃと処理していたはずなんですけどね。

 たとえば近畿ブロックから出馬予定だった樋口尚也衆議院議員(当時)が、2017年の衆議院選の直前にいきなり出馬を辞退しています。実はその直前に女性スキャンダルが発覚し、週刊誌がそれを掴んだのですが、公明党はすぐに樋口氏に公認辞退を表明させ、あれよあれよという間に「なかったこと」にしてしまいました。

 2017年9月に辞任した長沢広明参議院国対委員長(当時)のケースなんて、もっとすごい!
 長沢氏が知人の女性を宿舎に数回泊めた件で週刊誌が動き出すと、すぐさま公明党を離党させて辞職させました。辞職のお知らせの方がスキャンダルよりも伝わるのが早かったくらいでした。

 ところが緊急事態宣言下の深夜に銀座のクラブに行っていた遠山清彦衆議院議員については、公明党は注意と役職(幹事長代理)辞任だけですませようとしています。そもそも遠山議員が2001年の参議院選に初出馬した時、「創価学会青年部が『自分たちの代表を出したい』と党本部に懇願したのが実現したもので、遠山は将来の公明党代表」と期待も大きく、遠山議員が上田勇前衆議院議員に替わって次期衆議院選では神奈川県第6選挙区から出馬するのも、将来の代表就任への布石だと思っていましたのに……。 

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 しかも問題は銀座のクラブ通いだけではなかったようで、福岡市から発信するネットニュースは、2019年にキャバクラとスナックに合計11万円支出していたことを報じました。もっともマズいのは、公明党は内規で飲食代は文書通信交通滞在費から出すことになっているのに、政治資金から出していたことです。知人の秘書さんはため息をついていましたよ。事務所には「遠山を辞めさせろ」などと全国から苦情電話が殺到して、仕事にならないくらいだとか。

 それで「いっそ神奈川県第6区を自民党に渡した方が良いかもしれない。その代わりに斎藤鉄夫幹事長が出馬予定の広島県第3区では、自民党から思い切り応援してもらうとか」などと弱気です。

 しかしもっとも厳しいのは遠山議員本人でしょう。公明党の選挙で中心となって動くのは創価学会婦人部ですが、果たして婦人部がこのようなスキャンダルを許してくれるでしょうか。

 余談ですが、ある自民党関係者が「うちも神奈川県第1区(※松本純・元国家公安委員長の選挙区)の候補を探さなきゃ!」と言っていましたけど、うーん。いまは笑えない……。
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安積 明子(あづみ あきこ):ジャーナリスト
兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。
1994年、国会議員政策担当秘書資格試験合格。参議院議員の政策担当秘書として勤務の後、執筆活動を開始。夕刊フジ、Yahoo!ニュースなど多くの媒体で精力的に記事を執筆している。

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