9月10日の出馬会見で質問した時は、河野氏は「自民党の歴史認識を踏襲する」とだけ述べました。2017年8月に行われた外相就任会見でこの件を質問した時には、「河野談話」という言葉すら口にしませんでした。2018年2月23日の衆議院予算委員会で岡田克也元外務大臣が質問した時も同じでした。もっとも安倍晋三前首相が2014年3月14日の参議院予算委員会で河野談話の見直しを否定しているのですから、それに背くと閣内不一致になると河野氏は判断したのかもしれません。
しかし自分が総理総裁になろうとするなら、日本人を不当なくびきから解き放ち、新しく未来を切り開く姿勢を見せるべきでしょう。日本側から妥協しても解決に繋がらないというのは、岸田文雄外務大臣時代の2015年に慰安婦問題に関して“最終的かつ不可逆的な解決”を確認した(そして日本は10億円をすでに拠出した)にも関わらず、文在寅政権が合意を一方的に破棄した事実で実証済みです。
なお、「やろう」と思えばできるのです。河野氏は2019年7月19日、いわゆる“徴用工問題”で韓国政府が仲裁委員会開催に応じないために南官杓韓国大使を呼び出した時、「極めて無礼だ!」と怒鳴りつけたことがありました。南大使がすでに日本が拒否した「日韓双方の企業が賠償相当額を支払う」という韓国の提案を、しれっと持ち出してきたからです。これは日本が舐められている証拠ですから、外務大臣だった河野氏はぶち切れて当然。ということで、「やればできる子、河野太郎」。もっとも、しょうもないところにもぶち切れるという短所はありますが…。
河野氏は総裁選のキャッチコピーは「日本を前に進める。」としていますが、それなら自分の足を引っ張っている日本端子などの疑惑を説明すべきですね。そして何より河野談話を上書きすべきでしょう。祖父・一郎氏や父・洋平氏は首相になれませんでしたが、もし「3度目の正直」を狙うなら、まずは自分自身を河野家のくびきから解き放つべきでしょうね。