安積明子:山中竹春・横浜市長誕生に立憲民主がイマイチ「...

安積明子:山中竹春・横浜市長誕生に立憲民主がイマイチ「盛り上がれない」事情

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 9月の総裁選の日程も決まり、この秋は一気に政局となって、解散総選挙に突入しそうですね。今年は選挙が多い気がしますが、4月に国政の3つの補選・再選挙が行われ、千葉県知事選、静岡県知事選といった大型の地方選挙が続いたからでしょうか。いずれも野党系の候補が圧倒的な勝利を収めましたが、8月22日の横浜市長選でも立憲民主党が推薦した山中竹春元横浜市立大学教授が50万6392票を得て当選しました。菅義偉首相が応援した小此木八郎前国家公安委員長の獲得票数が32万5947票ですから、それより18万票も多かったわけです。

 さすが、江田憲司立憲民主党代表代行の眼鏡に叶った候補だけありますね!もっとも江田氏の“第一志望”はプロ野球横浜DeNAベイスターズの池田純元社長でしたけど、週刊誌にスキャンダルが報じられて没。山中氏は“第二志望”とか“補欠”とか言われていましたが。

 その山中氏ですが、週刊誌で「パワハラ疑惑」が報じられ、さらに「学歴詐称問題」も追及されていました。そのせいでしょうか。選挙戦後半になると街宣場所を一切公開せず、Twitterなどにも「横浜市内をまわっています」とだけ告知していたんですよね。関係者に理由を聞いてみると、「待ち伏せして疑惑についての野次を飛ばす人がいるから、本人が公開を嫌がっている」とのことでした。
 しかし山中氏の場合、「市民に誠実!、データに正直な市政の実現!」がキャッチコピーで、街宣車の側面にも「誠実」「正直」の文字を意味もなく貼り付けてアピールしていたのに、選挙戦のクライマックスで本人が隠れていたのでは、市民に対して大いに「不誠実」ですよね。さらにいえば6歳児のパパである山中氏は「子育て中」とイクメンぶりアピールしていたのに、前妻との間の子供の「養育費不払い」の噂まで出ていました…。
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安積明子:山中竹春・横浜市長誕生に立憲民主がイマイチ「盛り上がれない」事情

「誠実」「正直」をアピールする山中氏の選挙カー
via 著者提供
 こうしたことについて一切市民に説明せずに当選してしまった「正直」「誠実」の山中氏ですが、8月30日に横浜市長に正式に就任する前に、ついには刑事告発までされてしまいました

 ということで現在、立憲民主党の関係者の間でも(関係者の間だから?)「来年あたりに横浜市長選があるかもしれない」などと、冗談ともつかない話が出ています。中には「もしかして年内かも」などと言う人もいて…。

 そういう意味では、敗戦の弁とともに政界引退を表明してしまった小此木氏は、早まってしまいましたね。どうせなら「1年後にまた頑張りますので、宜しく!」くらい言っていれば、「先見の明があった」と言われたかもしれませんのに。
 (8052)

安積 明子(あづみ あきこ):ジャーナリスト
兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。
1994年、国会議員政策担当秘書資格試験合格。参議院議員の政策担当秘書として勤務の後、執筆活動を開始。夕刊フジ、Yahoo!ニュースなど多くの媒体で精力的に記事を執筆している。

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