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きはら せいじ
1970年、東京都生まれ。東京大学法学部を卒業後、大蔵省に入省(証券業務課)。95年~97年、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)に留学し、帰国後、主計局法規課勤務。99年~2001年、イギリス大蔵省に派遣。01年7月、財務省大臣官房文書課長補佐(審査管理)兼大臣官房秘書課長補佐(調査)となり、03年7月から国際局の課長補佐を2年務めた。05年、岩見沢税務署長に転任するも、急遽行われた郵政解散を受け出馬するため8月17日に財務省に復籍のうえ退職し、第44回衆議院議員総選挙に自由民主党公認で出馬し初当選。外務大臣政務官(第二次安倍内閣)、外務副大臣(第3次安倍第1次改造内閣)、衆議院内閣委員長などを歴任し、現在、内閣官房副長官。
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かとう こうこ
東京都出身。慶應義塾大学卒業後、CBSニュース調査員を経て、ハーバード大学ケネディスクール政治行政大学院修士課程修了(MCRP)。主な著書に『産業遺産』(日本経済新聞社)がある。元内閣官房参与、「九州・山口の近代化産業遺産群」世界遺産登録推進協議会コーディネーター、(財)産業遺産国民会議専務理事。「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」のユネスコ世界遺産、「山本作兵衛炭坑記録画・記録文」の世界記憶遺産の推薦書作成と登録に尽力した。

国民は「国防」を求めている

木原 加藤さんとは、共通の知り合いが何人かいたものの、まだ知り合ってから長くありません。なので、今日は対談ができると聞いて、とても楽しみにしていました。
加藤 私もです。会ってみたら、意外にも保守的な考え方だったので、かなりの親中派だと聞いていた手前「先行しているイメージと違う」と感じて、むしろ親近感を覚えましたよ。
木原 よかったです。10年、15年前は、米国を含めて世界中で「いずれ中国は経済発展を遂げて民主化、自由化が進んでいく」と希望も込めて考えられていました。正直、私もその一人でしたが、平成の終わりから令和に入って、中国の拡張主義的、権威主義的、そして一方的な行動を前に、見方は厳しさを増しています。世界の大国らしい責任ある行動を取ってもらう必要があります。
加藤 それが聞けて安心しました。今日は忌憚(きたん)のないご意見を聞かせてください。
木原 よろしくお願いします。
加藤 旧統一教会や物価高騰などの対応をめぐって岸田政権に対する国民の不満が爆発しています。時事通信が実施した10月の世論調査では、内閣支持率が過去最低の27.4%を記録した。それも自民党の岩盤支持層であるはずの保守派からも政策や人事について「媚中」や「親中」だと厳しい目が向けられている。
木原 そうした批判があることは承知しています。
加藤 これまで国民は岸田政権に不満があっても「きっと安倍さんが何とかしてくれる」と安倍元総理を心の拠りどころにすることで安堵してきた部分があります。ところが、突如その大きな存在を失ったことで〝誰が日本を守ってくれるのか〟という危機感が、保守派を中心に国民の間で広がっています。中国やロシアなどの核大国が軍事侵攻をチラつかせるなか、安倍元総理が提唱した「核共有の議論」に向き合わない姿勢も無関係ではないでしょう。
 今、国民が最も危機感を覚えているのは軍事膨張する中国の脅威です。フジテレビの番組「日曜報道 THE PRIME」(6月12日放送)で行われたアンケートでは「防衛費『GDP比2%』への拡大策にあなたは?」との質問に、3万5899の回答が寄せられましたが、そのうち90%が賛成としています。政府より国民のほうが安全保障の危機に気づいています。
木原 東シナ海、南シナ海での一方的な活動、不透明な軍事支出の増大、東アジアでの米中のパワーバランスの変化、そして、先日、中国が台湾周辺で実施した軍事演習で、日本の排他的経済水域(EEZ)内にミサイルを撃ち込んだことを考えれば当然でしょう。(続きは本誌にて!)
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『WiLL』2022年12月号(10月26日発売!)
◎『WiLL』2022年12月号目次
こんな人たちに負けられない!
決められない岸田総理に質問権を行使! 櫻井よしこ/防衛費増額、外国人の土地買い……加藤康子元内閣参与が岸田政権の参謀に迫る! 木原誠二・加藤康子/中国に大阪の土地が爆買いされている 添田詩織/総理、官僚には聞く耳不要です 小川榮太郎・阿比留瑠比/岸田政権秘挽回策―高市早苗命がけの告発を聞け 平井宏治/玉川徹ワイドショー・朝日に葬式を! 門田隆将・岩田 温/氷川政話 菅弔辞 空井北大教授の〝空々しいイチャモン〟 氷川貴之/安倍晋三の遺言 日本に核攻撃! でも「米国は撃たないね」 江崎道朗・平井文夫/「戦後」を終わらせた安倍晋三 坂元一哉/『インド太平洋戦略』日本を世界史の舞台に引き上げた外交政策 墓田 桂/オーストラリア アボット元首相に聞く 安倍さんは世界的重要人物 山岡鉄秀/疑惑の凶弾 二発は空砲だった 高田 純/台湾になぜ安倍総理の銅像か 張 吉雄
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女女(じよじよ)問題は生殖本能のなせる業(わざ) 竹内久美子・黒川伊保子/香川照之〝カマキリ先生〟ご乱行(らんぎよう)考 竹内久美子・白坂亜紀
バイデンの挑発 プーチンよ、核を撃て! 渡辺惣樹・福井義高 など

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