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さくらい よしこ
ベトナム生まれ。ハワイ州立大学卒業後、「クリスチャン・サイエンス・モニター」紙東京支局勤務。日本テレビニュースキャスター等を経て、現在はフリージャーナリスト。国家基本問題研究所理事長。『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』(中央公論社)で大宅壮一ノンフィクション賞受賞。『日本の危機』(新潮社)など一連の言論活動で菊池寛賞受賞。第26回正論大賞受賞。
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かどた りゅうしょう
1958年、高知県生まれ。作家、ジャーナリスト。中央大学法学部卒業。『週刊新潮』元デスク。『この命、義に捧ぐ─台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(集英社、のちに角川文庫)で第19回山本七平賞受賞。『死の淵を見た男─吉田昌郎と福島第一原発』(角川文庫)、『オウム死刑囚 魂の遍歴─井上嘉浩 すべての罪はわが身にあり』(PHP研究所)、『なぜ君は絶望と闘えたのか─本村洋の3300日』(新潮文庫)、『新・階級闘争論─暴走するメディア・SNS─』(ワック)などベストセラー多数。

内閣改造「前倒し」の真相

櫻井 内閣改造は当初、9月上旬に行われるだろうと報じられていました。ところが、岸田総理は早いタイミングで改造に踏み切った。
門田 9月上旬の内閣改造は、岸田総理が安倍元首相と交わした「約束」でした。年初から6月中旬まで通常国会が開かれ、閉会直後に参院選がスタート。コロナ禍という事情も重なって、閣僚は長らく「お国入り」ができなかった。
 そこで安倍氏は岸田総理に、閣僚には盆休みに墓参りも兼ねて故郷に錦を飾らせてやってくれ、と要請。岸田総理も了承していました。ところが急遽、8月10日に内閣改造すると言い出した。安倍氏との約束を破ったのです。
櫻井 8月2日夜から3日にかけて、米国のペロシ下院議長が台湾を訪問しました。蔡英文総統との会談を受けて、中国は台湾を取り囲むように大規模な演習を開始。4日には中国の弾道ミサイル5発が日本の排他的経済水域(EEZ)内に着弾しました。
 早期の内閣改造が報じられたのは5日です。中国の脅威に備えるため、盤石の布陣で臨まなければならない──。そんな危機感から、内閣改造を急いだのかと思いました。ところが、フタを開けてみるとガッカリ。日本が置かれている状況をまったく理解していません。
門田 岸田総理本人いわく「有事に対応する政策断行内閣」だそうです。しかし、その実態は「有事に対応できない検討・先送り内閣」。その証拠に、中国がEEZにミサイルを撃ち込んでも、岸田総理はNSC(国家安全保障会議)すら開かず、森健良外務次官による電話抗議だけで済ませた。
櫻井 内閣改造「前倒し」の背景に、旧統一教会をめぐるメディアの追及をかわしたい意図があったのでしょうか。
門田 真逆です。旧統一教会問題が下火にならないうちに内閣改造しておきたかった。旧統一教会との関係が取り沙汰されているのは清和会の議員が多い。安倍派が打撃を受けて身動きがとれない間に、思い通りの人事を強行しようと考えたわけです。そのためには、閣僚を「お国入り」させる約束など守っていられない。安倍氏への裏切り行為にほかなりません。(続きは本誌にて!)
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『WiLL』2022年10月号(8月26日発売!)
◎『WiLL』2022年10月号目次
櫻井よしこ・門田隆将 安倍元総理の遺言に〝聞く耳〟はないのか 裏切りの岸田政権/高市早苗 安倍元総理の遺志をつぐ覚悟です/高市早苗 早苗の国会月報 萩生田政調会長への期待/阿比留瑠比 国葬を潰したいリベラルの暗躍/岩田 温・小川榮太郎 安倍元総理が戦ってきた戦後レジームの正体/髙橋洋一・掛谷英紀 内閣改造の目玉は「旧統一教会」を利用した〝岸降ろし〟/渡邉哲也 霊感商法 旧統一教会と闘ったのは安倍さんだ!/朝香 豊 旧統一教会―ズブズブなのは朝日・毎日ではないか/氷川貴之 氷川政話 国葬と旧統一教会をリンク、政争の具にした野党/白川 司 PCR検査とザル融資の闇 小池都知事の危うい売国媚中政策/佐々木 類 上海電力だけではない またしても大阪がはまった中国の罠(わな)/藤井 聡・木村盛世 決められない日本 これは〝コロナ禍〟ではなく〝岸田禍〟だ!/古森義久 ワシントン報告 安倍元総理の死―悲嘆にくれるアメリカ/孫 向文 孔子学院なんて閉鎖しろ!「安倍晋三射殺万才!」だって!? 不埒な留学生を野放しにする立命館大/岩田清文・尾上定正 台湾危機と令和の国防/平井宏治 日本のサイバーセキュリティー 河野太郎で大丈夫か/仲村 覚 9・11 台湾危機下の沖縄知事選=問われる保守の力/須田慎一郎・小川泰平 安倍元総理暗殺事件 警察史に残る大失態と残るナゾなど

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