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さくらい よしこ
ベトナム生まれ。ハワイ州立大学歴史学部卒業後、「クリスチャン・サイエンス・モニター」紙東京支局勤務。日本テレビニュースキャスター等を経て、現在はフリージャーナリストとして活躍。国家基本問題研究所理事長。『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』(中央公論社)で大宅壮一ノンフィクション賞受賞。『日本の危機』(新潮社)など一連の言論活動で菊池寛賞受賞。第26回正論大賞受賞。
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はぎうだ こういち
1963年、東京都生まれ。明治大学卒業。大学在学中より政治の世界に入り、27歳で八王子市議会議員に当選、37歳で東京都議会議員に当選した。40歳で衆議院議員初当選、自民党青年局長や文部科学大臣政務官、官邸と自民党をつなぐパイプ役である自民党筆頭副幹事長兼党総裁特別補佐、内閣官房副長官、自民党幹事長代行、文部科学大臣、経済産業大臣を歴任。現在は自民党政調会長。

戦後最大の試練

櫻井 政調会長は自民党の政策立案における司令塔です。与党・自民党の政策責任者として、政府の方針にも強い影響力を及ぼします。岸田政権が〝安倍路線〟を継承できるかどうかは、萩生田さんに懸かっている。保守派からは、萩生田さんを将来の総理大臣に期待する声があります。
萩生田 総理を目指すと公言したことは一度もありませんが、政調会長として日々、どうすれば政権を前進させられるかと考えている。貴重な経験をさせてもらっています。
櫻井 岸田政権が昨年12月に改定した戦略3文書(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)は歴史的な一歩です。戦後の空想的平和主義からの脱却が戦略として位置づけられました。萩生田さんは新たな戦略3文書をめぐる議論をリードされていましたね。
萩生田 ロシアのウクライナ侵略により、世界の安全保障環境は一変しました。ウクライナは対岸の火事ではありません。中国は東シナ海・南シナ海における一方的な現状変更の試みを推し進め、北朝鮮はかつてない頻度で弾道ミサイルを発射している。国際社会は戦後最大の試練を迎えています。
櫻井 日本の周辺環境は厳しさを増していますが、最大の脅威は中国にほかなりません。米国では官民問わず、台湾侵攻が近づいているとの見方が強い。つい先日も、蔡英文総統の訪米に対抗して、中国は台湾を取り囲むように軍事演習を実施しました。安倍元総理は「台湾有事は日本有事」と警鐘を鳴らされていました。台湾を守ることは日本を守ることと同じだと、本当に理解しないといけませんね。
萩生田 ペロシ米下院議長(当時)が訪台した昨年8月、日本の排他的経済水域(EEZ)内に5発の弾道ミサイルが撃ち込まれた。とうてい看過できない行動ですが、「台湾有事は日本有事」だということを中国みずから証明した格好です。
櫻井 まさに今、危機が目前に迫っている。「遺憾の意」を表明して抗議するだけで、国民の命を守り抜くことはできません。
萩生田 おっしゃる通り。必要なものは言葉ではなく力です。わが国を攻撃しようとしている相手に対して、「それはやめたほうがいい」と再考を促す。そのためには、抑止力を強化しなければならない。防衛費増額や反撃能力の保有を戦略3文書に明記したことは、日本の意思を内外に示すための第一歩です。(続きは本誌にて)
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