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わたなべ そうき
1954年、静岡県生まれ。東京大学経済学部卒。日米近現代史研究家。30年にわたり、米国・カナダでビジネスに従事。米英史料を広く渉猟し、日本開国以来の日米関係を新たな視点でとらえた著作が高く評価される。『日米衝突の萌芽1898-1918』(草思社)で第22回山本七平賞奨励賞受賞。『真珠湾と原爆 日米戦争を望んだのは誰か ルーズベルトとスチムソン』(ワック)など著書・訳書多数。
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ふじい げんき
1952年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。77〜85年、アメリカ留学。クレアモント大学院政治学部(修士)を経て、ハーバード大学政治学部大学院助手、同大学国際問題研究所研究員。82年から近未来予測の「ケンブリッジ・フォーキャスト・レポート」発行。株式会社ケンブリッジ・フォーキャスト・グループ・オブ・ジャパン代表取締役。古田博司氏との共著『韓国・北朝鮮の悲劇 米中は全面対決へ』、石平氏との共著『米中「冷戦」から「熱戦」へ』(ともにワック)など著書多数。

トランプ復活を許せない人々

渡辺 米国の衰退が顕著な印象を受けます。
藤井 米下院議長選出がこじれにこじれ、15回目の投票でようやく共和党下院議員のケビン・マッカーシーが選出されました。
渡辺 日本では、米共和党は統治能力がない、リーダーシップがない……などと、共和党に関するネガティブなことばかりが報じられていますけど。
藤井 ニューヨーク・タイムズやCNNなど、米国のMSM(メイン・ストリーム・メディア)の報道をそのまま垂れ流しているだけです。米国の草の根保守(トランプ派)からすると、今回の選出劇は大成功に終わりました。実は共和党内でも、トランプ派・反トランプ派に分裂しています。
渡辺 反トランプ派の多くは民主党にも存在するエスタブリッシュメントですね。
藤井 共和党のエスタブリッシュメント派は4年間のトランプ政権は〝悪夢〟だったとし、トランプの復活なんて到底許せないと思っています。マッカーシーも、その流れに乗った人物です。
渡辺 マッカーシーの仲間の1人は共和党系の世論調査専門家でありながら、検閲で悪名高いグーグル(YouTube)のコンサルタントもしています。そもそもマッカーシーが風見鶏であり、民主党に甘いことは気づかれています。
藤井 トランプ派は、元共和党下院議長、ポール・ライアンのようなことにならないかと心配していました。ライアンは2018八年の中間選挙でトランプを裏切り、現役議員を40人ほど引退に追いやりました。
 下院は2年に一度選挙をしますから、再選率がとても高い。40人が立候補していたら、下院で共和党が過半数を取れていた可能性は十分ありました。(続きは本誌にて!)
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