【朝香 豊】米国大統領選・いまだ終わらず

【朝香 豊】米国大統領選・いまだ終わらず

 テキサス州がペンシルベニア、ミシガン、ジョージア、ウィスコンシンの4州を相手取って提起した訴訟が連邦最高裁からは門前払いに近い形で却下されてしまったことを受けて、もはやトランプ大統領の逆転は潰えたとの解説が多い。だが本当にそうなのだろうか。表面的な動きとは裏腹に、私は水面下では急激にトランプ大統領の逆転勝利の道が広がってきているのではないかと感じている。

米国インテリジェンス機構の動き

 私が着目しているのは、アメリカのインテリジェンスのトップに立つラトクリフ国家情報長官の発言だ。ラトクリフ長官は、中国がアメリカにとっての最大の脅威であることを明確に示す一方、中国共産党によるアメリカ大統領選挙への干渉についても触れながら、選挙結果を決める前に解決されるべき問題があると指摘した。これはラトクリフ長官の個人的な意見というより、アメリカのインテリジェンス機構の基本的な考えを反映していると見るべきである。

 さて、ジョー・バイデンの息子のハンター・バイデンや弟のジェームズ・バイデンに対して、司法省から単なる税務調査だけでなく、マネーロンダリングや収賄なども含む幅広い調査が進められていることが明らかになった。ハンター・バイデンに対してはウクライナのガス会社ブリスマを含む25以上の組織と関連した情報で召喚状が発行されているとの情報も漏れてきた。もしバイデンの当選を邪魔したくない立場に立つなら、こうした動きが表面化するのは1月20日を過ぎてからになるのが当然であろう。だがそうなっていないところに、中国による選挙干渉を招いた候補を当選させるわけにはいかないというアメリカのインテリジェンス機構の意思が表れていると見るべきだ。

 さらに、オーストラリア発のニュースの形を取りながら、中国国外で活躍する中国共産党員195万の名簿が流出したことが報じられた。イギリスのデイリー・メールはこの流出名簿から主要な英企業や国家機関に中国共産党が大量に入り込み、それぞれの中に支部を作って活動していることを具体的に指摘した。この話がこの時期に表沙汰にされたのは、単なる偶然なのだろうか。自分にはアメリカのインテリジェンス機構が裏から動かしている流れのように感じられる。そして当然これは次の流れとして、中国共産党のアメリカ国内への浸透ぶりについて具体的な話が暴露されていくことに繋がるはずだ。そしてこれは中国側の支援も受けてきたバイデン陣営には極めて都合の悪い話となる。

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「ドミニオン」集計機・調査の現在地

 さて、この流れと結びつける形で一つ着目しておきたいのは、ミシガン州のアントリム郡のドミニオン投票集計機の調査だ。アントリム郡ではドミニオン投票集計機によってトランプ大統領に投じられた6000票がバイデンの票としてカウントされるという不正常なことが発覚したが、これについては人為的なミスだったとか、ソフトウェアのアップデートがなされていなかったことによる不具合だったといった言い訳が語られてきた。だが、この投票集計機の調査を行うことが認められた7人のIT専門家からなるトランプ陣営の専門チームが同郡のドミニオン投票集計機22台の調査を8時間にわたって行った結果、トランプ票のバイデン票への転換は機械にインストールされたプログラムによって起こったものであることが立証されたのである。

 もともとこの調査を認めた裁判所の命令が、ミシガン州の意向を踏まえないで調査結果については公表してはならないという前提条件付きであり、そしてミシガン州の法務長官は調査結果が確定した現在でも公表することを認めてこなかった。このためにこの事実は広く知られる状態には至っていない。ドミニオン投票集計機の弱点を公表することは、今後の選挙の安全な実施を脅かす恐れがあり、認めることができないというのがその説明だが、そもそも正確な投票結果をそのまま表示できない機械を擁護すること自体がおかしいと言えるだろう。

トランプ陣営の手

 だが、ついにミシガン州第13巡回裁判所のケビン・エルゼンハイマー判事は、アントリム郡で使用されたドミニオン投票集計機に関する調査結果の公表を認めた。ドミニオンによる不正が前提となるのであれば、激戦州各州において州政府による大統領選挙人の選出の無効の訴えをトランプ支持の州民が州の裁判所に出した場合に、これを門前払いにすることは難しくなる。また、共和党優位の州においては、州議会が州政府による大統領選挙人の選出を無効化を宣言し、議会として新たに大統領選挙人を選出するということもできるだろう。こうした形で不正選挙は許されないという運動が盛り上がっていくならば、12月14日に行われた大統領選挙人による投票が開票される1月6日に、ペンス副大統領が開票結果を拒否できる状況が生まれていくはずだ。

 この中で、こうした不正を組織したバイデン側に大統領になる資格があるのかが問われることになり、バイデン側は罪を認めて収監を逃れる司法取引に応じるかもしれない。仮に最後まで抵抗する姿勢を見せたとしても、それならば部分的な戒厳令により再選挙を実施するとの方向性をトランプ政権が打ち出したとしても、アンティファとかBLMなどの一部の暴力的グループを除けば、国民世論的には受け入れる流れになるだろう。

 ここまでの流れが見通せるようになった現在、トランプ大統領の再選は現実的な過程の中にあると考えて間違いないと考えている。
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朝香 豊(あさか ゆたか)
1964年、愛知県出身。私立東海中学、東海高校を経て、早稲田大学法学部卒。
日本のバブル崩壊とサブプライム危機・リーマンショックを事前に予測、的中させた。
現在は世界に誇れる日本を後の世代に引き渡すために、日本再興計画を立案する「日本再興プランナー」として活動。
日本国内であまり紹介されていないニュースの紹介&分析で評価の高いブログ・「日本再興ニュース」( https://nippon-saikou.com )の運営を中心に、各種SNSからも情報発信を行っている。
近著に『左翼を心の底から懺悔させる本』(取り扱いはアマゾンのみ)。

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