トランプを糾弾し、自分の責任を隠蔽するペロシ氏

米議会襲撃事件から1年:米国社会を分断する"中韓風"プ...

米議会襲撃事件から1年:米国社会を分断する"中韓風"プロパガンダ

自らの疑惑にはダンマリのペロシ氏
 アメリカ議事堂襲撃事件から1年となる1月6日に、「民主主義のための祈り」と表してアメリカ各地でイベントが開かれた。

 議事堂襲撃事件ではもっぱら「民衆を扇動した」としてトランプ前大統領が批判されているが、もう一人、責任があると考えられる人物がいる。ナンシー・ペロシ下院院内総務(民主党)だ。

 なお、「院内総務」は上下院において共和党と民主党にそれぞれ一人ずつ置かれており、民主党は多数派のために「下院議長」に近い。

 なぜペロシ氏に責任があると考えられているかというと、国会議事堂を担当する警察長は、議事堂前で暴動が起こる可能性があるとして、州兵の派遣を要請していたのだが、この要請を断ったのがペロシ氏ではないかという疑惑を持たれているためだ。

 しかも、議事堂のセキュリティが十分でないことは以前から情報として上がっており、その責任者の一人ともいえるペロシ氏が対応してこなかったことが議事堂襲撃事件の背景という主張がある。

 ところが、ペロシ氏はこの指摘に答えるどころか、その情報を隠蔽した疑いすらもたれているのである。一方的にトランプ前大統領の責任は執拗に追及するくせに、自分の疑惑に対してはダンマリなのだ。

 民主党の下院トップはそんな人物であり、だからこそ、いつまでも理不尽にトランプ排除を続けているのろう。

「1月6日」を反トランプ記念日にする卑劣さ

 アメリカのマルコ・ルビオ上院議員(共和党)が次のようなツイートを投稿している。

メディアと民主党を支配する高い地位にあるリベラル派は、1月6日が新たな真珠湾、あるいは新たな911であると信じこんでいる。そして、多くの民主党員を含むアメリカ人の多くが、そんなリベラル派を頭がいかれていると思っている。」(筆者による試訳)
 なお、リンク先原文にあるnutsはもともと食べ物の「ナッツ」のことだが、口語ではcrazyの意味でよく使われる。

 アメリカ議事堂襲撃事件は、「選挙は盗まれた」と主張するトランプ前大統領に呼応した一部の過激な暴徒たちが、連邦議会議事堂に侵入した事件だ。結局、5人が死亡し、140人以上が負傷して725人以上が逮捕された。

 たしかに痛ましい事件ではあるのだが、民主党側はこれをまるで真珠湾攻撃や911テロと同じように扱おうとしていると、ルビオ上院議員が怒りをぶつけたわけだ。

 一部の過激なトランプ支持者が暴徒化したことを、「民主主義の危機」に祭り上げることこそ社会の分断を生んでいるのであるが、彼らはそのことがわからない。
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米議会襲撃事件から1年:米国社会を分断する"中韓風"プロパガンダ

怒りをぶつけたルビオ上院議員
 いや、あるいは、わかっていてやっているのではないのか。

 実際、ペロシ氏をはじめとする民主党員は1月6日を「議事堂襲撃事件記念日」にするつもりで、バイデン大統領もわざわざプレスの前で、このことに触れ、トランプ前大統領を批判している。

 民主党の卑怯さは「だから、トランプはアメリカを分断した」と矛盾したことを平気で言うことにある。

 バイデン大統領はアメリカ社会を分断させないことを公約として掲げておきながら、トランプ前大統領やトランプ支持者を、議事堂襲撃をおこなった暴徒と同一視して、「排除」を実行しているのである。
 アメリカの社会分断を生んでいるのが、バイデン大統領であり、民主党であることは明白である。

 しかも、バイデン政権はトランプ前政権のかなりを継承して政策を行っている。それはトランプ前大統領の政策が普遍性を持ち基本的に正しかったことの何よりの証左であるはずだが、民主党やマスコミはトランプ前政権の「評価」の方はほとんど示すことはなく、ひたすら「議事堂襲撃事件のきっかけを作ったとんでもない大統領」のレッテル貼りを繰り返している。

 前大統領の適切な政策については報道せず、ひらすらどうでもいいことで足を引っ張り続けることで得られるメリットとは何だろう。結果的、中国を利することにほかならないのではないのか。
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米議会襲撃事件から1年:米国社会を分断する"中韓風"プロパガンダ

アメリカを分断しているのはどちら?

危ぶまれるアメリカの「韓国化」

 議事堂襲撃事件が起きた1月6日を象徴的な日にするという手法は、中国や北朝鮮や韓国が使っているものと本質的に同じものだろう。

 中国は9月3日の抗日戦争勝利記念日と毎年12月13日の国家哀悼日。とくに国家哀悼日は誇張された南京虐殺を元にでっち上げられた反日記念日である。韓国で言えば、3月1日の三一節、8月14日の慰安婦記念日、8月15日の光復節がある。とくに光復節はいわゆる「三・一運動」で起きたことがかなり誇張されて伝えられている。

 日本も朝鮮政府も、朝鮮半島を植民地にするために日韓併合をおこなったのではない。ヨーロッパ列強に対抗し東アジアの植民地化やロシアの南下を防ぐためには、日本と朝鮮がばらばらで対抗するより、一体化したほうがいいと判断したためである。

 その判断が正しかったか間違っていたかはここでは問わない。とにかく、ぎりぎりの状況の中で、為政者、そして国民たちがそういう選択をしたのだ。

 ただ、その中には共産主義者など左翼的な思考を抱えた者がおり、そういった方針に反対していたという話に過ぎない。また、そのときの「独立」は、「日本と朝鮮は一体化せずにヨーロッパ列強やロシアに対抗すべきである」ということであって、主敵はあくまでヨーロッパ列強やロシアだったのである。

 だが、現在の中国や北朝鮮や韓国は当時の状況を無視して、反日で国をまとめるために1つの「事件」を歴史的な大イベントに祭り上げてプロパガンダに利用している。
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米議会襲撃事件から1年:米国社会を分断する"中韓風"プロパガンダ

プロパガンダで国をまとめようとする両巨頭?
 アメリカの1月6日の記念日化は、そういう意味で「アメリカの中国化」「アメリカの韓国化」ではないのか。

 いや、韓国など比べものにならないくらいにタチが悪いと言うべきだ。というのは、国内で「政敵」に過ぎないトランプ大統領を「民主主義の敵」に祭り上げて、国を分断しようとしているからである。

 本当の「民主主義の敵」はいったいどちらだろう。

 それほど民主主義をないがしろにして国を分断したいのであれば、党名から「民主」は取って、社会の分断を推進する「社分党」とでも変えたほうがわかりやすくなりそうだ。
白川 司(しらかわ つかさ)
評論家・翻訳家。幅広いフィールドで活躍し、海外メディアや論文などの情報を駆使した国際情勢の分析に定評がある。また、foomii配信のメルマガ「マスコミに騙されないための国際政治入門」が好評を博している。

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