【安積明子】2021年・自民党の踏んだり蹴ったり

【安積明子】2021年・自民党の踏んだり蹴ったり

吉川元農水大臣
via youtube
 収賄罪で在宅起訴された吉川貴盛元農水大臣の議員辞職によって4月25日に行われる衆議院北海道第2区補選ですが、自民党が独自候補擁立を諦めたようですね。「立てても勝てない」ということなんでしょうね。いや、現実はそれ以上に深刻です。 

 というのも、今年10月までに解散総選挙が行われますので、4月25日までに衆議院選挙がない限り、半年以内にまた本選挙があるわけですよ。 

 ならば本命をそっちに絞って、4月の補選は「お目見えまでに抑える」という手段があるんですが、きっとそれもできないんでしょうね。どういうことかというと、「補選で目も当てられない結果になることは確実で、本選ではますますマズくなる」という構図です。 

 だったら独自候補を立てない方がいいと、党本部が判断したわけですよ。与党第一党のくせに、いったいどれだけ不利やねん! 

 しかし農水大臣室などで鶏卵業者から500万円もらっただけで政治生命を失い、政府にも党にも大迷惑をかけるなんて、吉川元農水大臣はやりきれないでしょうね。だから手術の必要があるくらい心臓が悪くなって入院し、在宅起訴なんでしょうか。もしかしたら心臓ではなく「“心”を入れ替えるための手術」だったのかもしれません。いや、それはあり得ないか……。 

 もっとも自民党の全議員(二階派を除きますけどね、たぶん)が「次の選挙で不利になるじゃないか!」と大激怒していますから、積もり積もったその恨みが吉川元大臣の心臓を直撃した! ということかも。いや知らんけど。 

 しかしもっと勝てる見込みのない千葉県知事選(令和3年3月4日告示・3月21日投開票)ですら、自民党県連が必死こいてなんとか独自候補を擁立したじゃないですか。あっそうそう、県内の某有力団体のトップが怒っていましたよ。「熊谷(千葉市長)はちゃんと昨年に挨拶に来たのに、自民党は年明けかい!」って。 

 もっとも千葉県知事選はいわば自民党の「内部分裂」みたいなものですから、永田町の政局にあまり影響がないかもしれませんね。って、そんなことあるかい! 

 そういうことで、自民党がどんどん委縮してきている……。そこで公明党のチャンスです! 衆議院広島県第3区を奪取しようとしているんだから、他の選挙区も貧欲に取りに行ってくださいよ! うかうかしていると、維新に取られちゃうぞ! 

 と、(実現可能性のないことを言って)ちょっと発破をかけてみました。だって不戦敗なんて、面白くもなんともない!
 やっぱり選挙というのは、血と汗と鼻水と唾液を飛ばす勢いでやるものですからね。もちろんコロナ対策を万全にしていただくことが前提ですけど。
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安積 明子(あづみ あきこ):ジャーナリスト
兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。
1994年、国会議員政策担当秘書資格試験合格。参議院議員の政策担当秘書として勤務の後、執筆活動を開始。夕刊フジ、Yahoo!ニュースなど多くの媒体で精力的に記事を執筆している。

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