安積 明子:政局のカギ?8月・横浜市長選がアツい

安積 明子:政局のカギ?8月・横浜市長選がアツい

 なんとなく、永田町に「変化の雰囲気」が感じられます。というのも、これまで与党が今国会内に可決すべく尽力してきた出入国管理法改正案が急転直下、事実上の廃案とされてしまうなど政府・与党が方向転換。いかにもごり押し反対の「いい子ぶりっこ」している印象ですよね。これはもしかして、もしかするかも…。

 9都道府県で発令されている緊急事態宣言を6月20日まで延ばすという案も囁かれていますが、これも連動してそうですね。政府が新型コロナウイルス感染症の感染者数を抑えようとする目的は、東京五輪開催だけではないかも。

 ということで、まずは6月25日告示7月4日投開票の東京都議選に注目しておりましたが、8月8日告示22日投開票の横浜市長選も熱くなりそうですね。なんといっても菅義偉首相のおひざ元ですからね。
 
 現職の林文子市長は75歳。2009年8月の市長選に初当選して以来、3期務めています。最初の選挙では民主党の推薦を得ましたが、当時の民主党は政権を獲得するなど最盛期。しかも市長選は衆議院選挙と同日でした。これでは負ける方がおかしいです。

 なお自民党が応援したのは、いまは参議院議員となった中西健治氏でした。もっともこの時、中西氏は自民党の推薦を断り、翌年の参議院選でみんなの党から出馬して当選。2016年の参議院選では麻生派の応援を得て、無所属で当選(自民党が追加公認)しました。当時官房長官だった菅首相が応援して自民党公認で当選したのは、比例区から転身した三原じゅん子厚労副大臣です。
安積 明子:政局のカギ?8月・横浜市長選がアツい

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三原じゅん子氏の転身も?
via youtube
 なので来年の参議院選で神奈川県選挙区は、2名の自民党議員がいるということになりますが、これがきつい。というのも2年前の参議院選で、自民党は神奈川県選挙区で島村大議員しか擁立していません。しかも島村氏が獲得したのは91万7058票で、50万票以上必要といわれている神奈川県選挙区では、自民党が苦戦すると言われている2022年の参議院選で2名の当選は事実上困難と見られています。

 そこで、三原氏の横浜市長転身説が浮上してきたんですよ。2016年の参議院選では、三原氏は100万票以上獲得し、52万票余りの中西氏の倍近い強さを見せつけましたが、ここ5年間で中西氏の地方議員への浸透が深まり、苦戦が予想されています。そこで市長選への挑戦ということになるのですが、鍵を握るのはやはり菅首相でしょうね。

 4期目も希望していると言われる林市長の命運も、菅首相が握っています。林市長の2期目と3期目を支えてきたのは自民党。しかも3期目の選挙ではIRについての態度を曖昧にして野党の支援も受けたのに、当選後はあっさりとIR誘致を表明しちゃっていますし。

 そんな中で急浮上しているのが、有名なてんこ盛りのホイップクリームのパンケーキ店を経営するキュージュ―の松田公太CEOです。パンケーキといえば菅首相の大好物で有名ですが、首相就任早々に開かれた記者クラブ限定の記者懇の会場は確か、原宿のこのお店でしたよね。なお2人は5月4日に官邸で会っていますが、松田氏がお土産にパンケーキを持参したかどうかは不明。ちなみに2011年2月に菅(かん)首相と会った時には、松田氏はタリーズのハニーミルクラテを持参していますけど。

 ということで、今年の夏は暑くなるということですが、8月の横浜市長選はそれ以上に熱くなりそうです。
 (6130)

安積 明子(あづみ あきこ):ジャーナリスト
兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。
1994年、国会議員政策担当秘書資格試験合格。参議院議員の政策担当秘書として勤務の後、執筆活動を開始。夕刊フジ、Yahoo!ニュースなど多くの媒体で精力的に記事を執筆している。

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