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たかいち さなえ
1961年(昭和36年)生まれ。神戸大学経営学部卒業、(財)松下政経塾卒塾。米国連邦議会Congressional Fellow、近畿大学経済学部教授(産業政策論・中小企業論)、衆議院では、文部科学委員長、議院運営委員長等、自由民主党では、政務調査会長(3任期)、日本経済再生本部長、サイバーセキュリティ対策本部長(2任期)等、内閣では、通商産業政務次官、経済産業副大臣(3回任命)、内閣府特命担当大臣(3回任命)、総務大臣(5回任命で史上最長在職期間を記録)を歴任。

国民に愛された政治家

 私が愛する故郷である奈良県で、安倍晋三元総理が凶弾を受けて他界されました(令和4年7月8日)。生涯、忘れることはできない悔しく辛く悲しい事件です。
 編集部から安倍晋三元総理との思い出を記すようご依頼を受けていましたが、事件発生以来、食べ物は胃が受け付けず、夜もほとんど眠れず、心身が弱り切っているなかで、パソコンに向かう気力もないまま、締切日が過ぎていました。

 連載ページを承っている限り無責任なことはできず、ようやくパソコンを開きました。まとまりのない駄文しか書けませんが、読者のみなさま、どうかお許し下さい。
 8日、参議院選挙の応援演説のため九州に向かう準備をしていた私は、事件発生の一報を受けて、急遽、出張を取り止めて党本部に入りました。昭恵夫人が奈良県に向かう移動手段の確保ができているかどうかの確認を党職員に依頼した後は、翌朝まで搬送先の奈良県立医大との連絡役を続けました。

 死亡の確認、病院側の記者会見時間と総理会見時間の調整、司法解剖に要する時間と東京のご自宅に帰れる見込み時刻の党役員への連絡など、苦し過ぎる一夜でした。現地には、西村康稔議員が駆けつけて、昭恵夫人の側にいて下さいました。
 翌九日午後に、東京のご自宅で福田達夫総務会長や元総理秘書官たちとともにご遺体をお迎えしました。最愛の御令息を見送ることになってしまったお母様の深い悲しみ、徹夜明けに陸路で長距離を移動されて疲れ切った昭恵夫人の姿、お兄様や弟様(岸信夫防衛相)などご親族の落胆に接し、私も泣き疲れたのに一睡もできないまま、10日夜は、党本部で開票速報を受けて、テレビやラジオ番組のコメント対応と当選者へのバラ付けを何とかこなしました。

 11日朝からは、党本部で臨時役員会、午後に総裁記者会見同席、夕方にお通夜に参列。
 12日午後に、安倍晋三元総理のご葬儀に参列し、党本部前を通過する車に最後のお別れ。
 翌日以降は、各種団体代表者などの来客対応や政調会の会議など通常の党務を続けていましたが、15日夜まで党本部の駐車場に設置されていた献花・記帳台に、暑い日も雨の日も、多くの方々が並んで下さっている光景を見ては涙が止まらなくなり……。献花や記帳に足をお運びいただいた多くのみなさま、悲しみをこらえて献花や記帳の受付に立ち続けて下さった党本部職員のみなさま、ありがとうございました。(続きは本誌にて!)
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『WiLL』2022年9月特集号(7月26日発売!)
◎『WiLL』2022年9月特集号目次「安倍晋三元総理 追悼大特集 ―死の壮絶とその志―」
櫻井よしこ 安倍元総理は日本の誇り/百田尚樹・井沢元彦 死者にムチ打つ「朝日」の品性/菅 義偉 今こそ安倍晋三の出番/岩田 温「同じ空気を吸いたい」菅前総理がみせた誠意/高市早苗 誓います 安倍元総理への恩返し/ 
小川榮太郎 慟哭(どうこく)いまだ止まず 日本の砦(とりで)となった人/谷口智彦 G7首脳 伊勢神宮表敬の快挙/門田隆将・有本 香 中国覇権に立ちはだかった「自由の守護神」/阿比留瑠比・髙橋洋一 財務官僚と朝日を相手に一歩も引かず/藤井厳喜・古田博司 左派メディア、リベラル教授も加担 安倍元総理を殺害した〝悪意の銃弾〟/谷本真由美 エリザベス女王「安倍さんは私たちの仲間です」/加藤康子・江崎道朗 冷やメシ覚悟で立ち上げた歴史研究会/齋木昭隆 拉致「一時帰国」を一蹴した安倍さん/河野克俊 誇らしい最高指揮官/藤井 聡 死の直前、安倍さんの闘志「次は絶対やりますよ」/陳 銘俊 安倍元総理は台湾の永遠の友人/井上和彦・佐々木 類 日本の宝が奪われた/朝香 豊・茂木 誠 安倍亡きあと 自民「リベラル」化を憂う/有馬哲夫〝敵〟にも信頼された安倍さん/小野寺まさる・長尾たかし 中川さんも安倍さんも〝マスコミに殺された〟/白川 司 称賛の嵐 世界の首脳が寄せた追悼の辞、安倍政権 七つの偉業/編集部 グラビア特集 安倍晋三メモワール

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