ひぐち りゅういち
1946年東京生まれ。音楽学者・指揮者。明治学院大学名誉教授。音楽三田会会長。慶應義塾大学文学部哲学科美学美術史学専攻卒、同大学院博士課程在学中にDAAD奨学生としてドイツ留学。テュービンゲン大学でG.フォン・ダーデルセンに師事。79年、バッハのカンタータに関する研究で同大学哲学博士。A.スムスキーに指揮法を師事し、シュトゥットガルト聖母マリア教会で合唱指揮者を務めた。帰国後、音楽学者、指揮者、評論家として多彩な活動を展開。2000年、明治学院バッハ・アカデミーを設立し、芸術監督に就任。1988年、京都音楽賞研究評論部門賞、89年、辻荘一賞、2002年、オーストリア学術芸術功労十字章、15年、ドイツからテオドル・ベルヒェム賞を授与された。07〜12年、国際音楽学会日本代表理事、12~17年、同副会長。17年、第20回国際音楽学会東京大会組織副委員長・プログラム委員長(日本政府観光局国際会議開催貢献賞受賞)。樋口季一郎中将直系の孫。
1946年東京生まれ。音楽学者・指揮者。明治学院大学名誉教授。音楽三田会会長。慶應義塾大学文学部哲学科美学美術史学専攻卒、同大学院博士課程在学中にDAAD奨学生としてドイツ留学。テュービンゲン大学でG.フォン・ダーデルセンに師事。79年、バッハのカンタータに関する研究で同大学哲学博士。A.スムスキーに指揮法を師事し、シュトゥットガルト聖母マリア教会で合唱指揮者を務めた。帰国後、音楽学者、指揮者、評論家として多彩な活動を展開。2000年、明治学院バッハ・アカデミーを設立し、芸術監督に就任。1988年、京都音楽賞研究評論部門賞、89年、辻荘一賞、2002年、オーストリア学術芸術功労十字章、15年、ドイツからテオドル・ベルヒェム賞を授与された。07〜12年、国際音楽学会日本代表理事、12~17年、同副会長。17年、第20回国際音楽学会東京大会組織副委員長・プログラム委員長(日本政府観光局国際会議開催貢献賞受賞)。樋口季一郎中将直系の孫。
占領軍に隠された英雄
髙山 さきの大戦でソ連の北海道侵攻を阻止した樋口季一郎中将の銅像が淡路島の伊弉諾神宮に建てられた。除幕式当日の10月11日は中将の命日にあたります。ご令孫の樋口さんももちろん行かれた。
樋口 私が会長をつとめる「樋口季一郎中将顕彰会」で建立しました。祖父が残したものを世に伝えることが、孫である私の役目だと思ってきましたから。
髙山 軍人の銅像が建てられるのは戦後初めてのことでしょう。戦後のGHQ(連合国最高司令官総司令部)の刷り込みがやっと薄れてきたのでしょう。時の流れを感じます。軍服姿で軍刀を手にする高さ約1.7メートル(等身大)の立派な銅像だとか。さぞ資金面でも苦慮されたでしょう。
樋口 想像以上に高額だったので驚きました(笑)。制作費だけで2000万円ほど、そこに台座も付きますから。それでも、なんとか実現させたいと有志から寄付を募ったところ、1口1万円と安くはない金額にもかかわらず全国津々浦々から想像を超える金額が集まった。本誌では今号から漫画『北海道を守った男』の連載も始まる。これだけ後世に自分を想ってくれる日本人がいて祖父も天国で喜んでいることでしょう。
髙山 樋口季一郎が生きた時代は、現代の日本人には片鱗も教えられなかった〝空白の時代〟だった。戦後あらゆる史実が東京裁判史観に沿って消されるか歪(ゆが)められ、それに代えてGHQが吹き込んだのがWGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)だった。日本人は悪いことをした、加害者だった。それを償わねばならないという罪の意識だけが吹き込まれた。当然、樋口季一郎が何をしたかなど何も語られることはなかった。
樋口 知られているとしても「占守島の戦い」くらいでしょうね。終戦後に侵攻してきたソ連軍を撃退したのでカッコ良く見えるし、なにより分かりやすいですから。
髙山 樋口季一郎の時代を改めてみると、日本人の生き様が見えてくる。占守島もそうだけど、その前に「オトポール事件」(1938年)がある。
1937年、ナチスの迫害を受けた白人系ユダヤ人(アシュケナージ)がシベリア鉄道に乗ってドイツから満洲国へ逃れようとソ連の国境の町オトポールにまでやってきた。ソ連というかロシアでは昔からユダヤ人を迫害するポグロムがさかんだった。だからユダヤ人難民はどうしても満洲国に逃げ込みたがったけれど、満洲人政権は認めようとはしなかった。
樋口 「三国防共協定」を結ぶナチスと日本の関係に配慮したからです。(続きは本誌にて!)
樋口 私が会長をつとめる「樋口季一郎中将顕彰会」で建立しました。祖父が残したものを世に伝えることが、孫である私の役目だと思ってきましたから。
髙山 軍人の銅像が建てられるのは戦後初めてのことでしょう。戦後のGHQ(連合国最高司令官総司令部)の刷り込みがやっと薄れてきたのでしょう。時の流れを感じます。軍服姿で軍刀を手にする高さ約1.7メートル(等身大)の立派な銅像だとか。さぞ資金面でも苦慮されたでしょう。
樋口 想像以上に高額だったので驚きました(笑)。制作費だけで2000万円ほど、そこに台座も付きますから。それでも、なんとか実現させたいと有志から寄付を募ったところ、1口1万円と安くはない金額にもかかわらず全国津々浦々から想像を超える金額が集まった。本誌では今号から漫画『北海道を守った男』の連載も始まる。これだけ後世に自分を想ってくれる日本人がいて祖父も天国で喜んでいることでしょう。
髙山 樋口季一郎が生きた時代は、現代の日本人には片鱗も教えられなかった〝空白の時代〟だった。戦後あらゆる史実が東京裁判史観に沿って消されるか歪(ゆが)められ、それに代えてGHQが吹き込んだのがWGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)だった。日本人は悪いことをした、加害者だった。それを償わねばならないという罪の意識だけが吹き込まれた。当然、樋口季一郎が何をしたかなど何も語られることはなかった。
樋口 知られているとしても「占守島の戦い」くらいでしょうね。終戦後に侵攻してきたソ連軍を撃退したのでカッコ良く見えるし、なにより分かりやすいですから。
髙山 樋口季一郎の時代を改めてみると、日本人の生き様が見えてくる。占守島もそうだけど、その前に「オトポール事件」(1938年)がある。
1937年、ナチスの迫害を受けた白人系ユダヤ人(アシュケナージ)がシベリア鉄道に乗ってドイツから満洲国へ逃れようとソ連の国境の町オトポールにまでやってきた。ソ連というかロシアでは昔からユダヤ人を迫害するポグロムがさかんだった。だからユダヤ人難民はどうしても満洲国に逃げ込みたがったけれど、満洲人政権は認めようとはしなかった。
樋口 「三国防共協定」を結ぶナチスと日本の関係に配慮したからです。(続きは本誌にて!)
『WiLL』2022年12月号(10月26日発売!)
◎『WiLL』2022年12月号目次
こんな人たちに負けられない!
決められない岸田総理に質問権を行使! 櫻井よしこ/防衛費増額、外国人の土地買い……加藤康子元内閣参与が岸田政権の参謀に迫る! 木原誠二・加藤康子/中国に大阪の土地が爆買いされている 添田詩織/総理、官僚には聞く耳不要です 小川榮太郎・阿比留瑠比/岸田政権秘挽回策―高市早苗命がけの告発を聞け 平井宏治/玉川徹ワイドショー・朝日に葬式を! 門田隆将・岩田 温/氷川政話 菅弔辞 空井北大教授の〝空々しいイチャモン〟 氷川貴之/安倍晋三の遺言 日本に核攻撃! でも「米国は撃たないね」 江崎道朗・平井文夫/「戦後」を終わらせた安倍晋三 坂元一哉/『インド太平洋戦略』日本を世界史の舞台に引き上げた外交政策 墓田 桂/オーストラリア アボット元首相に聞く 安倍さんは世界的重要人物 山岡鉄秀/疑惑の凶弾 二発は空砲だった 高田 純/台湾になぜ安倍総理の銅像か 張 吉雄
No.1モバイルの夢 巨額赤字 楽天の末路 平井宏治/慌てるな、円安! GDPは急増、政府は大儲け 髙橋洋一・saya/傑物 樋口季一郎とは何者か 髙山正之・樋口隆一/初・巨編マンガ 北海道を守った男 樋口季一郎 東雲くによし/習近平が狙う「Xマス・台湾侵略」 佐藤正久・ロバート・D・エルドリッヂ/
女女(じよじよ)問題は生殖本能のなせる業(わざ) 竹内久美子・黒川伊保子/香川照之〝カマキリ先生〟ご乱行(らんぎよう)考 竹内久美子・白坂亜紀
バイデンの挑発 プーチンよ、核を撃て! 渡辺惣樹・福井義高 など
◎『WiLL』2022年12月号目次
こんな人たちに負けられない!
決められない岸田総理に質問権を行使! 櫻井よしこ/防衛費増額、外国人の土地買い……加藤康子元内閣参与が岸田政権の参謀に迫る! 木原誠二・加藤康子/中国に大阪の土地が爆買いされている 添田詩織/総理、官僚には聞く耳不要です 小川榮太郎・阿比留瑠比/岸田政権秘挽回策―高市早苗命がけの告発を聞け 平井宏治/玉川徹ワイドショー・朝日に葬式を! 門田隆将・岩田 温/氷川政話 菅弔辞 空井北大教授の〝空々しいイチャモン〟 氷川貴之/安倍晋三の遺言 日本に核攻撃! でも「米国は撃たないね」 江崎道朗・平井文夫/「戦後」を終わらせた安倍晋三 坂元一哉/『インド太平洋戦略』日本を世界史の舞台に引き上げた外交政策 墓田 桂/オーストラリア アボット元首相に聞く 安倍さんは世界的重要人物 山岡鉄秀/疑惑の凶弾 二発は空砲だった 高田 純/台湾になぜ安倍総理の銅像か 張 吉雄
No.1モバイルの夢 巨額赤字 楽天の末路 平井宏治/慌てるな、円安! GDPは急増、政府は大儲け 髙橋洋一・saya/傑物 樋口季一郎とは何者か 髙山正之・樋口隆一/初・巨編マンガ 北海道を守った男 樋口季一郎 東雲くによし/習近平が狙う「Xマス・台湾侵略」 佐藤正久・ロバート・D・エルドリッヂ/
女女(じよじよ)問題は生殖本能のなせる業(わざ) 竹内久美子・黒川伊保子/香川照之〝カマキリ先生〟ご乱行(らんぎよう)考 竹内久美子・白坂亜紀
バイデンの挑発 プーチンよ、核を撃て! 渡辺惣樹・福井義高 など
1942年、東京生まれ。東京都立大学卒業後、産経新聞社に入社。社会部デスクを経て、テヘラン、ロサンゼルス各支局長。80年代のイラン革命やイラン・イラク戦争を現地で取材。98年より3年間、産経新聞の時事コラム「異見自在」を担当。辛口のコラムで定評がある。2001年~07年、帝京大学教授。著書に『日本人よ 強かになれ──世界は邪悪な連中や国ばかり』(ワック)など。