山口敬之:ジャーナリズムに値しない 神奈川新聞・"扇動...

山口敬之:ジャーナリズムに値しない 神奈川新聞・"扇動者" 記者

事実と異なる発信を繰り返す

 12/5の午後2時から吉祥寺駅北口で発生した街頭活動妨害事案(参考:前回記事)で神奈川新聞社記者の石橋学氏が、事実と全く異なる発信を繰り返している。

 私は当日、13:50から街頭活動が終了した15:00過ぎまで現場と周辺の取材をし、自民党の和田政宗参議院議員、長島昭久衆議院議員、自民党市議団らの演説の全てを聞いた。彼らの演説には外国人排斥を求めるような内容は全くなく、提出されている条例案の内容と議論の進め方についてそれぞれが意見を述べる、極めて普通の駅前街宣活動だった。

 ところが、この対話を拡声器を使って暴力的に妨害した者が現れた。私は、
 
 ▶︎石橋学がこの暴力的妨害者と連携して政治家の演説を妨害した様子
 ▶︎石橋学は和田議員の演説をほとんど聞いていなかった事
 ▶︎聞いていないにも関わらず、和田議員の発言を「ヘイトスピーチ」と決め付けて攻撃した様子
 の一部始終を目撃した。

 石橋学のした事は、特定の政治家をターゲットとした誹謗と妨害活動であり、ジャーナリズムとは無縁の暴力的プロパガンダであった事を、現場で撮影した写真を基に証明する。

プロパガンダである理由①:街宣活動はごく普通の活動であった

 この街宣活動は、吉祥寺駅北口中央口正面にあるバスのロータリーの左側の広い舗道(写真の赤で示した部分)で行われた。
自民党の街頭活動が行われた場所

自民党の街頭活動が行われた場所

via Googleマップ航空写真 ※色付けは著者
 演説者はロータリーを背に、ビールケースの簡易な演説台に乗ってワイヤレスマイクを持って演説し、その声は周囲10m位の聴衆に届く程度のボリュームで届けられた。
著者提供 (10208)

演説時の様子
via 著者提供
 天気のいい日曜日だった事もあり、買い物客や家族連れが足を止めて人垣は時間が経つにつれて大きくなっていった。

プロパガンダである理由②:根拠なく和田氏の演説を「ヘイト」と断じる

 この日の和田政宗氏の演説について、石橋学は12/11、以下のようなツイートをした。
twitter (10183)

via twitter
 私は和田氏の演説を全て聞いた。その要旨は、

 ・自分と武蔵野市、吉祥寺との縁
 ・思い入れのある武蔵野市だからこそ、日本人も外国人も住みやすい良い街であってほしい
 ・今回の条例案は、内容的にも手続き的にも問題がある
 ・市民の声に耳を傾け、熟議を尽くしてほしい

 というような、ごく真っ当な内容だった。石橋学が主張しているようや、マイノリティをおとしめる発言も、敵意を煽るヘイトスピーチの要素も全くなかった。

 もし和田氏のスピーチにレイシストの要素があり、マイノリティを貶める部分や敵意を煽るヘイトスピーチの要素があったというなら、まともなジャーナリストなら、どの部分に問題があったのかを具体的に示すはずだ。

 しかし石橋学にはそれは出来ない。なぜなら、石橋学はそもそも和田氏の演説をほとんど聞いていなかったのだ。

プロパガンダである理由③:和田氏がマイクを持った途端に妨害を始めた

 12/5の街頭演説会では、まず自民党の武蔵野市議が代わる代わるマイクを持って演説し、聴衆も静かに聞き入っていた。整然と続けられていた街宣活動に異変が起きたのは、13:30過ぎに自民党の和田政宗参議院議員がマイクを持ってビールケースの上に乗った瞬間だった。何者かが突然拡声器を使って大音量で罵声を浴びせて、和田氏のスピーチの妨害を始めたのだ。

「こらぁ、和田はレイシストだ」
「レイシスト、ファシストは帰れ」
「レイシストの和田に武蔵野市について語る資格はない」
「和田、ヘイトは止めろ」
「よそ者の和田は帰れ」

 私は和田議員から3mほど離れた所にいたが、拡声器から浴びせられる絶え間ない罵声で、和田氏の演説は全く聞こえなくなった。完全な演説妨害である。 

 あまりの大音量に耳を押さえながら振り返ると、拡声器を使ってがなり立てている人物が警察官に制止されており、その隣りにいた石橋学は警察官に「言論の自由だろ」と怒鳴り、妨害者を擁護していた。

 和田氏の演説が始まった瞬間の位置関係は下記の通りである。
演説会時の位置関係

演説会時の位置関係

via 著者提供
 石橋学は、和田氏の演説が始まった時には、演説が聴こえる聴衆の群れを離れて、なぜか和田氏から10m以上離れたメガホンの妨害者の隣にいた。
著者提供 (10209)

和田氏の演説時にその前を離れ、妨害者と一緒にいる石橋氏
via 著者提供
 和田氏から3m以内の所にいた私ですら、メガホンのがなり声で和田氏の演説が全く聞こえなくなったのだから、石橋学の位置では演説は全く聞こえない。

 さらに和田氏が演説を続けている間石橋学は引き続き取り締まりの警察官に「言論の自由だよ」「取り締まりはおかしい」などと絡んでおり、和田氏の演説を聞く様子は全くなかった。
著者提供 (10189)

警察官に絡む石橋氏
via 著者提供
 メガホンの妨害者は和田氏が演説を始めた途端演説妨害を始めたのであって、内容を聞いて抗議したのではない。

 一方、他の市議や長島昭久氏の演説の際には一切の妨害をしなかった。和田氏をターゲットとした演説妨害であった事は明らかである。

 石橋学が警察官に対して、妨害者の活動を「言論の自由だ」と訴えていたところを見れば、和田氏を含む全ての国民に言論の自由があるという事は知っているのだろう。

 しかし、自分の気に入らない政治家のスピーチを妨害する行為は「言論の自由」と言い放ち、和田氏が演説をする自由も、聴衆が演説を聞く自由も蹂躙する妨害者を擁護する。

 こんな人物は、記者でもジャーナリストでもない。憲法に保障された集会の自由や言論の自由を侵害する、民主主義の破壊者である。

プロパガンダである理由④:チンピラまがいの言動で聴衆に絡んだ

 和田氏の演説が終わった頃、石橋は聴衆の中に戻り、次の演説者・長島昭久議員の真正面に陣取ってメモを取り始めた。ちなみに、同じ位置から撮った和田氏の演説の際には石橋学の姿はなく、長島氏の演説の際に戻ってきている事を確認していただけると思う。
著者提供 (10192)

和田政宗氏の演説時。石橋氏の姿は見えない。
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著者提供 (10193)

長島氏の演説時に正面に陣取る石橋氏(写真左から1人目。手に用紙を持っている男性)。
via 著者提供
著者提供 (10194)

後方に下がり、メモを取る石橋氏(一番左の背を向けている男性)。
via 著者提供
 そして演説会が終わると、石橋学は和田議員ににじり寄って、「あなたの演説はヘイトスピーチですよ」などと絡み始めた。

 ほとんど聞いていなかった演説についてヘイトスピーチだと非難する所に、石橋学の扇動者・妨害者としての本質が出ている。演説内容を問題にしているのではなく、ターゲットとした政治家の演説活動そのものを妨害し、発言の如何に関わらずとにかく非難する事を目的としているのだ。

 そして、和田氏への非難が終わると、今度は私のところににじり寄って「何で撮影するんだ」「動画を撮っていただろう?」「犯罪だぞ」などと絡み始めた事は、前回記事で伝えた通りだ。

 私が街頭活動の取材時に現場の様子を撮影する事は、誰にも指弾される筋合いのものではない。ところが石橋学はそれを犯罪だと言い放ったのだ。

 他人の撮影を根拠なく非難する一方で、本人は首からぶら下げたカメラで何回も撮影していた。
山口敬之:

山口敬之:

人の写真撮影は非難し、自らは写真を撮る石橋氏(左側のカメラを構えている男性)。
via 著者提供

神奈川新聞に問う

 自分は好きな時に好きなだけ撮影しておきながら、他の人の同じ行為を犯罪と決め付け、チンピラ同様の口調で恫喝する。

 石橋学はこれまでも様々な集会や裁判の公判後の取材の際に、気に入らない政治家や記者を怒鳴ったり恫喝したりしている事。そのいくつかについては、写真などの証拠や証言に基づいた報告を得ている。

 気に入らない政治家を標的に演説を妨害し、聞いてもいない演説内容をヘイトだと断ずる行為を、石橋はこれまでも繰り返してきたのだろう。そして、誰かが止めなければ、これからも言論テロを繰り返すだろう。

 石橋学は、神奈川新聞社の編集委員だという。そこで私は神奈川新聞社に石橋学について、本記事と併せて公開質問状を送る事とした(下記全文)。

 神奈川新聞社からの返答が来次第、この連載で報告する。
_________________________________
神奈川新聞社
須藤裕之社長

私はフリージャーナリストの山口敬之です。12/4吉祥寺駅北口での自民党の街頭活動取材中に、御社編集委員の石橋学氏より「俺を撮影していただろう」「携帯電話をよこせ」「データを削除しろ」などと恫喝されました。
石橋氏も現場で撮影行為を繰り返しておきながら、なぜ私の撮影を非難し恫喝するのでしょうか?神奈川新聞の社員教育はどうなっているのでしょうか?

また、石橋氏は当日の和田政宗参議院議員のスピーチについて、12/11 11:35のツィートで
「レイシストのそれと変わりがなく、マイノリティをおとしめ、敵意を煽るヘイトスピーチに他ならない」
と主張しました。

しかし、私は現場で和田氏の演説を全て聞きましたが、石橋氏の指摘するような発言は全くありませんでした。御社の記者を名乗る人物が、事実と全く異なる事を流布するのは、虚偽の情報によって和田氏の名誉を毀損する触法行為であり、ジャーナリズムとは正反対の誹謗中傷であり、特定の政治家をターゲットとした卑怯な妨害行為です。

御社の社是は、
「言論の自由を守り、真実・公正な報道を貫き、地域社会とともに明るい未来の創造を目指す」
だとうかがっていますが、石橋氏の言動は社是にことごとく反する言論テロ行為と言わざるを得ません。

そこで、御社には下記の3点について事実関係を確認する事を求めます。

 ▶︎12/4の演説妨害行為と、それを幇助・支援した石橋学氏の行動について
 ▶︎ごく真っ当な演説をした和田氏が、あたかもレイシスト風のスピーチをしたかのような虚偽の情報を流布した事
 ▶︎私の撮影行為を犯罪と決め付け恫喝した事

そして、これらの石橋氏の言動について

 ▷神奈川新聞社としてどう受け止めているのか、
 ▷処分を行う考えはあるか
 ▷再発防止に向けてどう取り組むのか

について回答を求めたいと思います。回答は御社のホームページに示すか、メールにてご返信下さい。

ジャーナリスト
山口敬之
_________________________________
山口 敬之(やまぐち のりゆき)
1966年、東京都生まれ。フリージャーナリスト。
1990年、慶應義塾大学経済学部卒後、TBS入社。以来25年間報道局に所属する。報道カメラマン、臨時プノンペン支局、ロンドン支局、社会部を経て2000年から政治部所属。2013年からワシントン支局長を務める。2016年5月、TBSを退職。
著書に『総理』『暗闘』(ともに幻冬舎)、新著に『中国に侵略されたアメリカ』(ワック)。

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