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せき へい
1962年、中国四川省成都生まれ。北京大学哲学部卒業。四川大学哲学部講師を経て、88年に来日。95年、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関に勤務の後、評論家活動へ。2007年、日本に帰化。『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』で、第23回山本七平賞受賞。『核大国は氏素性の悪さを競う』(髙山正之氏との共著、9月28日発売、ワック)。
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のじま つよし
ジャーナリスト、作家、大東文化大学社会学部教授。1968年生まれ。上智大学新聞学科卒。朝日新聞入社後、政治部、台北支局長、国際編集部次長、AERA編集部などを経て、2016年4月に独立。各メディアでの執筆、テレビ出演、講演などを活発に行っている。著書に『ふたつの故宮博物院』『台湾とは何か』『香港とは何か』『蔣介石を救った帝国軍人 台湾軍事顧問団・白団の真相』(ちくま文庫)など。最新作は『新中国論 台湾・香港と習近平体制』(平凡社新書)。

たった2カ月で銅像

石平 野嶋さんとは10年ほど前からお付き合いがありますが、こうして対談するのは初めて。ありがとうございます。
野嶋 こちらこそ。石平さんとはテレビや食事でご一緒することが多かったですが、対談できてうれしく思います。
石平 台湾に1カ月ほどいらっしゃったそうですね。
野嶋 ええ、8月3日から9月5日までです。
石平 では、安倍元総理の暗殺についても、まだその余韻が残っていたのではありませんか。
野嶋 日本では安倍元総理の死をめぐり、旧統一教会問題を通じた批判、国葬の是非で、哀悼の雰囲気がかなり変わっていますが、台湾にはそういった日本の空気は伝わっておらず、とにかく安倍氏の死を悼むこと一色に染まっています。
石平 8月20日には「台湾の真の友人、安倍晋三・元首相追悼コンサート」が盛大に行われた。
野嶋 そのコンサートには頼清徳(らいせいとく)副総統も出席しています。9月24日には安倍元総理の銅像の除幕式が高雄で実施されます。
石平 たった2カ月で銅像をつくってしまうとは、台湾、恐るべし。ここまで台湾が安倍さんのことを慕うのはどうしてか。
野嶋 「台湾有事は日本有事である」と安倍氏は明言されましたが、その言葉が台湾では安全保障上のキーワードにまでなっています。そんなことを言う日本の首相経験者は今までいなかったわけですから。台湾有事の際には日本の支援を得られるのではないか。そういう期待が安倍氏の発言で高まったのです。
 もう一つ、台湾は長年、安倍氏をはじめ安倍派とのパイプが太かった。2021年、日本から台湾にワクチンが迅速に届けられましたけど、安倍氏の果たした役割は実に大きかったのです。
 ところが、その安倍氏が亡くなったことで、日本政界とのパイプは弱くならざるを得ません。さらに日本の政界においても、安倍派よりも岸田文雄総理の宏池会、あるいは茂木敏充幹事長の茂木派(平成研究会)、麻生太郎副総裁の麻生派に権力の中枢が移っていく。(続きは本誌にて!)
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◎『WiLL』2022年11月特集号目次
百田尚樹・門田隆将 本当は怖い中国を説いた安倍晋三―そして世界が動いた!―/石 平・野嶋 剛 台湾の危機は日本の危機 台湾人に愛国心を育ててしまった習近平 
安倍晋三元総理国葬儀大特集 
阿比留瑠比 国葬・旧統一教会 アベガーの俗論を徹底粉砕!/佐藤 優 旧統一教会問題 統一教会敵視キャンペーン―背後に共産党/島田裕巳 旧統一教会問題 そもそも何をやったのか―過信された影響力/岩田 温/白川 司 国葬ハンタイ! 辻元・蓮舫はジョージア大使の爪のアカでも煎じて飲め!/加地伸行 安倍元総理こそ国葬にふさわしい/髙山正之 朝日が生み育てた安倍晋三への〝殺意〟
安倍晋三ちょっといい話 さすが・ホロリ30話
ナザレンコ・アンドリー/山谷えり子/阿比留瑠比/呉 善花/篠田英朗/佐藤正久/岩田 温/和田政宗/西田昌司/将口泰浩/上念 司/ケント・ギルバート/小林ゆみ/橋本琴絵/高原あきこ/渡部玄一/白川 司/髙橋洋一/玉木雄一郎/福本ヒデ/竹田恒泰/城内 実/西岡 力/長尾たかし/加藤康子/和田秀樹/島田洋一/小野寺まさる/小川榮太郎/安倍元総理デジタル献花プロジェクト事務局(掲載順)
白川 司 国際政治・経済・外交 世界の専門家が絶賛した安倍政治

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