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たかやま まさゆき
1942年、東京生まれ。東京都立大学卒業後、産経新聞社に入社。社会部デスクを経て、テヘラン、ロサンゼルス各支局長。80年代のイラン革命やイラン・イラク戦争を現地で取材。98年より3年間、産経新聞の時事コラム「異見自在」を担当。辛口のコラムで定評がある。2001年~07年、帝京大学教授。著書に『日本人よ 強かになれ──世界は邪悪な連中や国ばかり』(ワック)など。

あまりに怪しげな事件

 安倍さんを暗殺したテロリストの山上徹也。逮捕された直後からプロフィール・動機などがすぐに奈良県警から発表された。元海自出身とか朝日新聞には見出しが取りやすいフレーズが並んでいた。動機についても旧統一教会に母親がはまり、一家離散、その元凶は安倍さんだとして、犯行に及んだ……。

 フリージャーナリストの男性に手紙を送り、そこには「安倍は本来の敵ではないのです」「現実世界で最も影響力のある統一教会シンパの1人に過ぎません」「安倍の死がもたらす政治的意味、結果、最早それを考える余裕は私にはありません」とも書かれていた。あまりに準備がいい。朝日新聞はそれで「テロじゃなかった」「単なる怨恨殺人だった」と話を矮小化して喜んでいた。

 さらに犯行の前日には統一教会の施設で試射までしている。統一教会が憎いから、これこの通り実弾をぶち込んだという演出だ。まず統一教会ありきを懸命にアピールする。しかしそれを誰かに見られ、通報されたら、肝心の安倍暗殺テロは実行不能になる。なぜそんな危険を犯してまでやったのか。演出過剰は逆に疑惑を呼ぶ。

 おまけに、ここまでの情報を犯行からほんの一両日中に自供している。新聞記者をやってきた者として、こんないかがわしい展開は見たことがない。
 しかし、日ごろから調査報道とか偉そうに言うマスコミは調査も聞き込みもしない。奈良県警への対応だってツッコミどころ満載じゃないか。5日もたってから現場検証をしているが、安倍さんの心臓を撃ち抜いた銃弾すら見つかっていない。
 36年間の新聞記者生活をかけて言うけれど、こんな怪しげな事件はほかにない。(続きは本誌にて!)
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