民主党に正攻法は通じない
バイデンは勝利演説で「分断」ではなく「結束」を訴えた。ならば、彼が一番大切にしなければならないのは、現在のアメリカの分断の根本原因である不正選挙の徹底調査ではないのか。今回の選挙は自分たちの意思を不当に踏みにじってくれたという思いを持つアメリカ国民も多い中では、「結束」を生み出すことはできない。バイデンは「暴言をやめて冷静になり、もう一度向き合い、双方の主張に耳を傾けるべきだ」と述べたが、だったら不正の解明を真剣に求めるトランプ陣営の声に、まずはしっかりと耳を傾けるべきである。
さて、今後の展開について、トランプを支持する側からは以下のようなシナリオが語られている。
まずは各州で裁判に持ち込んで、再集計で判断をひっくり返すことを求める。再集計の結果に納得がいかなければ、上訴する。こうした作業に時間がかかって、一部の州で大統領選挙人の確定ができなければ、バイデンは12月14日の大統領選挙人の投票で過半数を制することができない。そうなると、この投票が開票される来年の1月6日以降に、下院での各州1票での投票が行われ、その場合にはトランプが大統領に選出されることになるというものだ。
だが、こんな整然とした展開が果たして予測できるのか。
民主党側が常軌を逸した不正行動に手を染めたのは、トランプが民主党の闇を本気で暴こうとしているからである。それだけに、これに対する抵抗も尋常ではないのだ。そもそもペンシルベニア州の最高裁判所は、投票日から3日後に到着した消印がない不在者投票さえも集計の対象とするよう命じ、事実上不正選挙に手を貸してさえいる有様だ。
つまり、民主党が強い州では法が求める正義が実現せずに、州の大統領選挙人を確定させてしまう流れがあり、トランプが敗北を認めないまま大統領の選出が勝手に行われていく展開が見えているというべきなのだ。
トランプに残された手
これに対しては、当然ながら激しい反発が巻き起こるであろう。
だが、強力な援軍もいる。元インテリジェンスの専門家だったマキナニー中将は「スコアカード作戦」と呼ばれる技術を用いて、電子投票機による投票結果を民主党に有利になるように書き換えていると述べている。これが事実だとすれば、民主党の中枢とCIAが結託した大掛かりな不正が行われていることを示している。この疑惑を放置することは許されないだろう。
これを裏付けるような事実も指摘されている。例えば、11月4日の午後9時頃に、ペンシルバニア州の開票速票でトランプの票が1万票ほど削られていることに気がついた人がいる。詳しく調べたところ、アレゲニー地区で1,063票、バックス地区で2,972票、チェスター地区で7,135票のトランプ票がひっそりと消えていたのである。そしてこれはまた、不正が行われているのは郵便投票だけでないことを意味する。
連邦選挙管理委員長のトレイナー氏は11月6日にNEWSMAX TVに出演し、今なお票を集計中の州では不正が起こっていると思うと述べた。選挙には透明性がなければならず、不正がないなら開票状況を監視員が近くで確認できるようにしているだろうと主張している。トランプ陣営にとって痛いのは、こうした情報を主流はメディアが流さず、SNSでの拡散もできないようになっていることだ。
トランプ大統領が一歩も引かない姿勢を貫けば、これに呼応する形でアンティファやBLMなどが、反トランプの暴動を引き起こすことが予想される。そしてこうした暴動を引き起こした原因はトランプのわがままにあるとの主張がマスコミなどでも展開されるのは容易に想像できる。これに対してトランプ側は警察を使って鎮圧しようとするであろう。こうしたシナリオが展開するとすれば、アメリカは内乱的状況に陥ることになる。
私はトランプ大統領は敗北を認めないし、そうすべきでもないという立場だ。トランプ大統領が再選を勝ち取るのを強く願っているが、その道には内乱を引き起こすほどの苦難が待ち受けており、しかも必ずトランプ側が勝てるというものでもない困難なものである。日本そして自由主義諸国のためにはトランプ大統領の継続が望ましいものの、残念ながら甘い観測は持つべきではないだろう。
1964年、愛知県出身。私立東海中学、東海高校を経て、早稲田大学法学部卒。
日本のバブル崩壊とサブプライム危機・リーマンショックを事前に予測、的中させた。
現在は世界に誇れる日本を後の世代に引き渡すために、日本再興計画を立案する「日本再興プランナー」として活動。
日本国内であまり紹介されていないニュースの紹介&分析で評価の高いブログ・「日本再興ニュース」( https://nippon-saikou.com )の運営を中心に、各種SNSからも情報発信を行っている。
近著に『左翼を心の底から懺悔させる本』(取り扱いはアマゾンのみ)。