【『WiLL』デスク山根 真】日本学術会議は「スパイ組織」か

【『WiLL』デスク山根 真】日本学術会議は「スパイ組織」か

※写真はイメージです

スパイと疑われても仕方ない

 日本学術会議の会員を決めるにあたり、6人の学者が任命拒否された件がにわかに話題となっています。10月1日に共産党機関紙しんぶん赤旗が「菅首相、学術会議人事に介入」と仰々しい見出しで報じたのを皮切りに、朝日、毎日、東京というお馴染みの面々が続きました。感想としては、「あ、早くも来たか」と。安倍政権はモリ・カケ・サクラという、法律上なんら問題ない疑惑を追及されました。メディアはどう菅政権を攻めるのか気になっていましたが、やはりそうくるか。今後しばらく、野党とメディアは菅首相=強権という印象を刷り込む印象操作とフェイクニュースをバラ撒き続けるでしょう。

 各紙は、任命拒否された大学教授のコメントを載せていましたが、だいたい「学問の自由が侵害される」という批判。これが的外れということは、YouTube「WiLL増刊号」で解説しました。学術会議は研究機関でもないし、東大教授の加藤陽子氏はじめ、任命拒否された人たちは自らの所属する大学で研究すればいいだけ。「学術会議に入れないと学問ができない」というなら、今までアナタたちがやっていたのは学問ではなくて?

 この構図、なんだか「あいちトリエンナーレ」を思い出します。昭和天皇の顔写真を焼いて踏みつける作品の展示、やりたければやればいい。それも表現の自由でしょうが、公金が拠出されているのが問題なわけで。国立大学の教授が偏ったイデオロギーに基づいた研究を発表するのは深い問題ですが、今はあえて言いません。

 そもそも、日本学術会議という組織自体、必要なのか。
 
 学術会議といえば、軍事研究に与しないと表明しています。それでいて、中国との協力には積極的。中国は現在、世界中から優秀な人材をリクルートする「千人計画」に力を入れています。アメリカはもちろん、日本人の研究者も少なからず中国に手を貸しているそうですが……。もしや、任命拒否された6人の中に、中国共産党とつながる“スパイ研究者”がいたとか? CIAから日本政府に情報が入っていたとか? 公安が目をつける人物だったとか?
 であれば、菅政権が「武士の情け」で任命拒否理由を明らかにしないといわれても頷けます。「任命拒否の理由は、彼らがスパイだとCIAから報告があったからです」なんて暴露されたら、常人の神経をもってして日本にいられません。

政治家より官僚・学者・記者が偉いのか

 閑話休題。学術会議が日本国民の役に立っていないことは明らかです。学術会議は内閣府の下に置かれた公的組織。なぜ、日本の国力を削ぐような方針を打ち出す人たちを国民の血税で食わせなる必要があるのか。今回の騒動を機に、学術会議の存在意義を問う声が上がればいいのですが。

 官僚に対する“強権”批判にもつながるところですが、誰も顔を知らないような学者や役人の方が、政治家よりも偉いと思っているのでしょうか。「従わない官僚は異動してもらう」……当然でしょう。国民による選挙で選ばれた政治家が、ただ公務員試験に受かっただけの“面従腹背”官僚や、得体の知れない研究をしている反日学者を切り捨てて、それをメディアが「国民の代表」ヅラして批判する。そういうの、もうヤメにしませんか? もし自民党政権が道を誤ることがあれば、選挙で別のところに投票すればいい話で、独裁でも何でもない。むしろ、どこの馬の骨かもわからない官僚や学者が勝手に国家の方向性を決める方が恐ろしい。

 前回のコラムでも書きましたが、欧州でも米国でもnationals=国民がbureaucrats=官僚の支配する政治にノーを突きつけているわけです。それが世界の潮流かつオトナの常識。このトレンドが続く限り、菅政権は安泰でしょう。時代に取り残されたメディアが的外れな批判に執着する限り、菅政権が安倍政権以上の長期政権になる日が来るかもしれません。
 (2960)

山根 真(ヤマネ マコト)
1990年、鳥取県生まれ。中学時代から『WiLL』を読んで育つ。
慶應義塾大学法学部卒業。ロンドン大学(LSE)大学院修了。銀行勤務を経て、現在『WiLL』編集部。
好きなものは広島カープと年上の優しい女性。

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