紅いユーチューバー

 ある日、筆者が使用しているツイッターのダイレクト・メールに、筆者に対する罵詈雑言のメッセージが台湾語で殺到した。

 ──死ね、殺す、犯してやる、犬とFu○Kしろ。

 何事かと思えば、台湾四大媒体の一つ「蘋果日報」が、在日台湾人ユーチューバーの動画内容を記事に引用し、
「(深田萌絵の台湾に関する話の)内容は支離滅裂すぎて、ち○こが爆発しそう」
 と、まるで筆者が台湾に関するデマを流したかのような偏向報道を流したのがきっかけだった。
 
 台湾が国民をスマホ経由でGPS監視しているとツイートしたが、決してデマではない。知人の台湾人の親戚が米国留学から台湾へ一時帰国し、政府からのスマホ監視を受けていると話してくれた。
 それを証明するように、BBCニュースで台湾人学生が米国留学から一時帰国し、自宅で寝ている間にスマホの電池が切れただけで、台湾警察が自宅に押し寄せたことも報じられている。またその報道で、台湾批判を行ったジャーナリストも、捜査令状なしにスマホ経由で位置情報の監視とスパイ行為を受けていたと答えた。しかも、スマホにはアプリすら必要ない。
 
 台湾国民は政府によってリアルタイムに衛星を使って監視されているようだが、そのシステムがファーウェイ製監視システムと酷似しているのは奇妙だ。
 民主派として知られる「蘋果日報」だが、一方で、金で動く面もある。
 
 その記事に対して、
「これは一方的な偏向報道であり、私に取材すべきである。私はファーウェイ批判本の作家だ。これはファーウェイの記事広告か?」
 と英文でコメントを入れたが削除された。再度コメントを試みたが、IPアドレスごとブロックされたので知人に同一文章をコピペで貼ってもらったが、「ファーウェイの一文を入れると書き込めない
ようになっている」と連絡が来た。

下品な恫喝

 台湾独立派の台湾人から、これは反日動画を流す〝紅いユーチューバー〟だから気にしないでと助言を受けた翌日、また筆者を罵倒する記事が「蘋果日報」トップに出た。
 
 台湾客家(台湾在住の漢民族)ユーチューバーが「台湾は言論の自由がある国」としながらも、
「台湾ではあなた(筆者)のような発言は罰金(犯罪)だ」
 と矛盾した主張をした上で、
「深田萌絵とそのファンの頭に、脳みそは入っているのか。生きているうちにしっかり使えよ、バーカ!」
 と下品な恫喝(どうかつ)をしてきた。こんな内容を台湾4大媒体の一面記事に採用できるのかと驚く。
 
 その知人によると、いま台湾では筆者を告訴しようと動いているそうだが、台湾の報道を基に日本語でコメントをして告訴されるとは、韓国地検による産経記者、加藤達也氏起訴事件とオーバーラップするものがある。
 
 筆者に関する偏向報道は、宝島ニュース、その他複数の大手媒体の動画等で幾つも流れ、それらのサイトのコメント欄にはあるリンクが必ず貼られており、クリックを誘導していた。それは筆者が戦うファーウェイに技術移転した解放軍の息子が仲間につくらせた「深田萌絵の話はデマだ」と、印象操作をする虚偽情報サイト、そして、その台湾語版だ。
 
 そのサイトでは、深田萌絵の話はデマばかりと根拠なく非難し、さらには解放軍の息子は国会議員、今井雅人の秘書であると賞賛している。台湾政権は反中寄りのはずなのに、なぜ解放軍の息子を庇うのだろうか。この一連の動きは、もはや報道とは呼べず、むしろ工作活動と言える。
 
 台湾からの誹謗中傷が始まったのは、5G基地局製造に必要な技術を持つパナソニック半導体を買収予定の新唐科技会長焦佑鈞とファーウェイの関係についての記事を本誌二月号で掲載し、経産省の調査が入った直後からだ。
 筆者の信用を落とし、パナソニック半導体記事も「深田萌絵のデマ」としてうやむやにしたい意図が透けて見える。

台湾ネット市民集団の正体

 世界では中国利益の代弁者が左派や右派を名乗って言論を煽動している。台湾も世界の国々と同じく、保守愛国を装って、ニセ情報で国民の言論を撹乱する一派が存在するということだろう。
 
 このような台湾ネット民が台湾の全てを表しているわけではないが、暴言と攻撃的なコメントを書き込む様子は他でも見られる。
 
 台湾政府がシンガポールにマスクを寄贈すると発表した直後、リー・シェンロン首相夫人のホー・チン氏が「えー……」と書いたことに対して、
「謝意を示さないのか!」
 などと、数百の攻撃的なコメントが台湾から寄せられた。
 
 そういった台湾人を窘(たしな)めるように、シンガポール人がコメントで、今年1月に台湾がマスク輸出禁止にした関係で、マスクがもっとも不足していた時期に予定されていたマスク調達ができなかったので困惑しても仕方がないと擁護していた。

 民主派台湾人の友人らも、下品で攻撃的な言葉遣いの台湾ネット民の言動に「これが台湾人だと思わないでくれ」と当惑している。これらの動画は、台湾人が見ると日本に対して不信感を抱き、日本人が見ると台湾人はこんなに下品なのかというイメージが付いてしまう。「日台離間策」を地で行くような動画だ。
 
 私は台湾を侮辱する気は毛頭ない。 自民党の元IT担当大臣が、Bluetooth(無線通信技術)を使った「コンタクト・トレーシング(接触者追跡)」を推進し日本で実装しようとしているが、これは中国が今年2月に発表した「濃厚接触検出アプリ」とほぼ被っていることに恐怖を抱いて、自民党政権も批判している。
それは、私たちが、いつどこで誰と会ったのかを全て政府が管理する機能だ。

 それにしても、ネット上で、攻撃してまわる台湾ネット市民集団の正体はなにか。あるいは、これこそ「1450」(※)と呼ばれて台湾国民から批判を浴びた民進党の網軍(ネット言論兵)の姿か。
※民進党が虚偽報道を正すという名目で千四百五十(1450)万台湾ドルの予算を組んで言論要員を雇っている

深田 萌絵(ふかだ もえ)
早稲田大学政治経済学部卒。学生時代にファンドで財務分析のインターン、リサーチハウスの株式アナリスト、外資投資銀行勤務の後にリーマンショックで倒産危機に見舞われた企業の民事再生業務に携わった。現在はコンピュータ製造開発業に従事。著書に『日本のIT産業が中国に盗まれている』『「5G革命」の真実 5G通信と米中デジタル冷戦のすべて』(ワック)など。また、YouTubeチャンネル「WiLL増刊号」に出演中。

『WiLL増刊号』内≪深田萌絵のちょく★トーク≫はこちらから

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