本当にGoToトラベルが悪いのか?
新型コロナ感染症の検査陽性者数が急拡大していることを受けて、科学的根拠に基づかない浮足立った対応を求める声が広がっている。
例えば、東京都医師会の尾崎治夫会長は国が推進しているGoToトラベル事業について「一度中断する決断をしていただけないか」と、政府に訴えた。これに対して11月23日に菅総理は「Go Toトラベルは延べ4000万人の方が利用している。その中で現時点での感染者数は約180人だ」と述べ、Go Toトラベル事業が感染拡大の原因だとする説に否定的な見方を示したが、これは当然である。
そもそもGo Toトラベル事業は7月下旬から開始されたものであり、もしGo Toトラベル事業が感染拡大の原因であるならば、8月上旬を頂点にして検査陽性者の数が低減していった事実は説明ができない。ウイルスを吸い込んでから発症するまでの期間と、検査を行ってから結果が判明する期間を考えると、概ね2週間程度のタイムラグがあるとされている。これを7月〜8月の検査陽性者数の状況と見比べてみると、むしろGo Toトラベル事業を開始してから検査陽性者数は徐々に減っていったというのが実際で、思い込みとは裏腹に実質的には両者は無関係と考えたほうが適切なのだ。
さて、感染の第一波は4月10日に検査陽性者が全国で708人に達した3月〜4月にかけての頃で、1日あたりの死者数は最大で49人に達した。これに対して今回は検査陽性者数は11月21日で2508人であり、4月に比べて3倍以上に増えているが、1日あたりの死者数のピークは11月19日の21名にまだ留まっている。検査陽性者数のピークと死者数のピークは期間的なズレがあるから、今後間違いなく増加するだろうが、それでも陽性者数の急拡大に比例して死者数も急拡大しているわけではないことには注目しておくべきだ。
そもそもインフルエンザでも死者数は年間で1万人程度とされていて、年間で3万人以上になる場合もある。インフルエンザの罹患が通常は冬場に偏っていることを考えれば、ピーク時には1日1000人以上亡くなっている時もあるということになる。新型コロナウイルスについては日本上陸からすでに10ヶ月が経過しているが、累計の死者数はまだ2000名ほどでしかない。そもそも欧米に比して日本の死亡率は格段に低いのは明らかなのであり、欧米が騒いでいるからといって日本も騒がなければならない理由にはならないだろう。
例えば、東京都医師会の尾崎治夫会長は国が推進しているGoToトラベル事業について「一度中断する決断をしていただけないか」と、政府に訴えた。これに対して11月23日に菅総理は「Go Toトラベルは延べ4000万人の方が利用している。その中で現時点での感染者数は約180人だ」と述べ、Go Toトラベル事業が感染拡大の原因だとする説に否定的な見方を示したが、これは当然である。
そもそもGo Toトラベル事業は7月下旬から開始されたものであり、もしGo Toトラベル事業が感染拡大の原因であるならば、8月上旬を頂点にして検査陽性者の数が低減していった事実は説明ができない。ウイルスを吸い込んでから発症するまでの期間と、検査を行ってから結果が判明する期間を考えると、概ね2週間程度のタイムラグがあるとされている。これを7月〜8月の検査陽性者数の状況と見比べてみると、むしろGo Toトラベル事業を開始してから検査陽性者数は徐々に減っていったというのが実際で、思い込みとは裏腹に実質的には両者は無関係と考えたほうが適切なのだ。
さて、感染の第一波は4月10日に検査陽性者が全国で708人に達した3月〜4月にかけての頃で、1日あたりの死者数は最大で49人に達した。これに対して今回は検査陽性者数は11月21日で2508人であり、4月に比べて3倍以上に増えているが、1日あたりの死者数のピークは11月19日の21名にまだ留まっている。検査陽性者数のピークと死者数のピークは期間的なズレがあるから、今後間違いなく増加するだろうが、それでも陽性者数の急拡大に比例して死者数も急拡大しているわけではないことには注目しておくべきだ。
そもそもインフルエンザでも死者数は年間で1万人程度とされていて、年間で3万人以上になる場合もある。インフルエンザの罹患が通常は冬場に偏っていることを考えれば、ピーク時には1日1000人以上亡くなっている時もあるということになる。新型コロナウイルスについては日本上陸からすでに10ヶ月が経過しているが、累計の死者数はまだ2000名ほどでしかない。そもそも欧米に比して日本の死亡率は格段に低いのは明らかなのであり、欧米が騒いでいるからといって日本も騒がなければならない理由にはならないだろう。
増加を続ける自殺者数
私がむしろ懸念しているのは最近自殺者数がどんどん増えていることだ。今年の自殺者数は昨年比で7月は47人、8月は286人、9月は166人、10月は614人増と増えている。全体として月を追うごとに自殺者数がどんどん増えていることが理解できるだろう。半年後には毎月前年比1000人以上自殺者が上回ることが当たり前になり、年間で前年比1万人以上自殺者が増えるのはほぼ確実だ。
新型コロナウイルスで亡くなっている人は圧倒的に高齢者で基礎疾患を持っている方が多く、コロナに罹らなくても別の要因で亡くなっていた可能性もかなり高い。だが、自殺者にはそうではない普通の若者も多いのである。どちらの命も救えるなら両方とも救うべきだということには100%同意するが、どちらかしか救えないとすれば、私は自殺者が増えない方を選ぶべきではないかと思う。
外出の自粛を求め、旅行や外食に大きな制約を課した結果として、ご飯が食べられなくなっている人たちがどんどん増えている。経済的にブレーキを掛ければこういう事態を引き起こすことになるのは事前に予測されていた通りだ。
経済困窮が始まってから自殺に至るまでには1年ほどのタイムラグがあるとされるが、昨年の消費増税から1年がすぎ、そこにコロナが追い打ちをかけてきたことを考えれば、今後この傾向はさらに拍車をかけることは容易に想像できる。
ここで再び外出・行動の自粛ムードを高めていくなら、自殺者数をさらに増加させていくことになる。新型コロナウイルスは一般的なインフルエンザなどと同じ扱いにして、特別視するのをやめるべきではないのか。
自殺者がどれだけ増えても一向に気にならないが、新型コロナウイルスでの死者が増えるのだけは許せないということではないだろう。経済活動を止めれば人間は生きていけないのであり、また自然の摂理の中で命は必ず失われていくものである。マスコミ報道が煽る恐怖に絡め取られている国民に対して、政府はこのような事実を正確に丁寧に語りかけるべきではないのか。本当に命を大切にする立場とはどういう立場なのかをきちんと説明されれば、日本国民は理解できないことはないはずだ。
新型コロナウイルスで亡くなっている人は圧倒的に高齢者で基礎疾患を持っている方が多く、コロナに罹らなくても別の要因で亡くなっていた可能性もかなり高い。だが、自殺者にはそうではない普通の若者も多いのである。どちらの命も救えるなら両方とも救うべきだということには100%同意するが、どちらかしか救えないとすれば、私は自殺者が増えない方を選ぶべきではないかと思う。
外出の自粛を求め、旅行や外食に大きな制約を課した結果として、ご飯が食べられなくなっている人たちがどんどん増えている。経済的にブレーキを掛ければこういう事態を引き起こすことになるのは事前に予測されていた通りだ。
経済困窮が始まってから自殺に至るまでには1年ほどのタイムラグがあるとされるが、昨年の消費増税から1年がすぎ、そこにコロナが追い打ちをかけてきたことを考えれば、今後この傾向はさらに拍車をかけることは容易に想像できる。
ここで再び外出・行動の自粛ムードを高めていくなら、自殺者数をさらに増加させていくことになる。新型コロナウイルスは一般的なインフルエンザなどと同じ扱いにして、特別視するのをやめるべきではないのか。
自殺者がどれだけ増えても一向に気にならないが、新型コロナウイルスでの死者が増えるのだけは許せないということではないだろう。経済活動を止めれば人間は生きていけないのであり、また自然の摂理の中で命は必ず失われていくものである。マスコミ報道が煽る恐怖に絡め取られている国民に対して、政府はこのような事実を正確に丁寧に語りかけるべきではないのか。本当に命を大切にする立場とはどういう立場なのかをきちんと説明されれば、日本国民は理解できないことはないはずだ。
1964年、愛知県出身。私立東海中学、東海高校を経て、早稲田大学法学部卒。
日本のバブル崩壊とサブプライム危機・リーマンショックを事前に予測、的中させた。
現在は世界に誇れる日本を後の世代に引き渡すために、日本再興計画を立案する「日本再興プランナー」として活動。
日本国内であまり紹介されていないニュースの紹介&分析で評価の高いブログ・「日本再興ニュース」( https://nippon-saikou.com )の運営を中心に、各種SNSからも情報発信を行っている。
近著に『左翼を心の底から懺悔させる本』(取り扱いはアマゾンのみ)。