中国に注目している
自由主義諸国はロシアとの経済の切り離しを進めている。
だが、本当の脅威は中国である、と米国の有力議員が警鐘を鳴らしている。
元大統領候補でもあったマルコ・ルビオ上院議員(共和党、フロリダ州選出)は、以下のように述べた。
「私は中国に注目している。アメリカにとって本当の長期的な問題だと思う。中国の脅威はロシアに千倍する。経済規模ははるかに大きく、軍事力も現時点では優れており、その影響力は大きい。アメリカの企業やそのCEOは、さまざまな問題で中国政府の立場を代弁するロビイストになり下がってしまっている。彼らは中国での市場シェアを求めて必死であり、中国には工場や生産拠点があるからだ」
だが、本当の脅威は中国である、と米国の有力議員が警鐘を鳴らしている。
元大統領候補でもあったマルコ・ルビオ上院議員(共和党、フロリダ州選出)は、以下のように述べた。
「私は中国に注目している。アメリカにとって本当の長期的な問題だと思う。中国の脅威はロシアに千倍する。経済規模ははるかに大きく、軍事力も現時点では優れており、その影響力は大きい。アメリカの企業やそのCEOは、さまざまな問題で中国政府の立場を代弁するロビイストになり下がってしまっている。彼らは中国での市場シェアを求めて必死であり、中国には工場や生産拠点があるからだ」
米国経済を中国経済と戦略的に切り離せ
トム・コットン上院議員(共和党、アーカンソー州選出)は、さらに踏み込んで、武器供与などのウクライナ防衛のために行っているすべての行動は、「今、台湾で行うべきことだ」と発言した。
「今日ウクライナで見たものは、ロシアのミサイルや砲弾が罪のない女性や子供を襲うというウクライナ国内のひどい悲劇である。そしてこれは、台湾で見るかもしれないものを予見していると言っておきたい。
この15日間、ウクライナで緊急に行おうとしていること、たとえば武器を提供することは、いますぐ、台湾でも行うべきことだ。
ロシア経済から脱却し、ロシア経済との間に距離を置き、ロシアから企業を撤退させるために行っていることは、すべて、いますぐ、中国で行うべきことだ。
これは、注意深く、熟慮の上で行わねばならない。
ヨーロッパがロシアやウクライナ対して陥った関係を再現してはいけない。アメリカが中国や台湾に関して類似の立場に陥らないようにしなければならない。
中国共産党がアメリカに対して経済的に優勢に立っていると思って、台湾に実力行使に踏み切ったりしないようにしなければならない。
米国経済を中国経済と戦略的に切り離すことが肝要だ。
経済の切り離しは、中国では、ロシアよりも少し時間がかかるかもしれない。なぜなら、我々の企業はより深く中国と関わっているからだ。だが特に、半導体やレアアースなどの重要かつ戦略的な産業は、今すぐ始める必要がある」
「今日ウクライナで見たものは、ロシアのミサイルや砲弾が罪のない女性や子供を襲うというウクライナ国内のひどい悲劇である。そしてこれは、台湾で見るかもしれないものを予見していると言っておきたい。
この15日間、ウクライナで緊急に行おうとしていること、たとえば武器を提供することは、いますぐ、台湾でも行うべきことだ。
ロシア経済から脱却し、ロシア経済との間に距離を置き、ロシアから企業を撤退させるために行っていることは、すべて、いますぐ、中国で行うべきことだ。
これは、注意深く、熟慮の上で行わねばならない。
ヨーロッパがロシアやウクライナ対して陥った関係を再現してはいけない。アメリカが中国や台湾に関して類似の立場に陥らないようにしなければならない。
中国共産党がアメリカに対して経済的に優勢に立っていると思って、台湾に実力行使に踏み切ったりしないようにしなければならない。
米国経済を中国経済と戦略的に切り離すことが肝要だ。
経済の切り離しは、中国では、ロシアよりも少し時間がかかるかもしれない。なぜなら、我々の企業はより深く中国と関わっているからだ。だが特に、半導体やレアアースなどの重要かつ戦略的な産業は、今すぐ始める必要がある」
中国への経済依存を再考せよ
欧州がロシアのエネルギー、とくに天然ガスにどっぷりと依存していたことが、ロシアを好戦的にしてしまった。この代償はウクライナでの戦争という破滅的なものだった。
これは何よりも人道的な問題、安全保障上の問題であるけれども、企業経営にとっても大打撃であった。
日本も中国への経済依存について、これまで以上に真剣に考えたほうがよい。
以前書いたように、日本は脱炭素政策に邁進しているが、これは中国依存を高めるばかりである。
だが、中国のレアアースを使い、中国のバッテリーを用いて、中国市場を狙った電気自動車産業を育てたならば、近い将来に、手痛いしっぺ返しが起きるのではないか。
これは何よりも人道的な問題、安全保障上の問題であるけれども、企業経営にとっても大打撃であった。
日本も中国への経済依存について、これまで以上に真剣に考えたほうがよい。
以前書いたように、日本は脱炭素政策に邁進しているが、これは中国依存を高めるばかりである。
だが、中国のレアアースを使い、中国のバッテリーを用いて、中国市場を狙った電気自動車産業を育てたならば、近い将来に、手痛いしっぺ返しが起きるのではないか。
杉山 大志(すぎやま たいし/キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。温暖化問題およびエネルギー政策を専門とする。産経新聞・『正論』レギュラー寄稿者。著書に『脱炭素は嘘だらけ』(産経新聞出版)、『15歳からの地球温暖化』(扶桑社)、『地球温暖化のファクトフルネス』『脱炭素のファクトフルネス』(共にアマゾン他)等。
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。温暖化問題およびエネルギー政策を専門とする。産経新聞・『正論』レギュラー寄稿者。著書に『脱炭素は嘘だらけ』(産経新聞出版)、『15歳からの地球温暖化』(扶桑社)、『地球温暖化のファクトフルネス』『脱炭素のファクトフルネス』(共にアマゾン他)等。