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【室谷克実】ドラマ(『愛の不時着』)とはいえ 北朝鮮・韓国が「ラブリー」ですか、 内田樹さん

北朝鮮・韓国がラブリー⁉

 今年の4月以降、韓国では事件が目まぐるしく起こっています。

 4月の総選挙で与党(共に民主党)が圧倒的勝利を収めたかと思えば、自称元慰安婦・李容洙の告発により正義記憶連帯(旧挺対協)の元代表・尹美香による寄付金の横領疑惑が浮上しました。それに続いてソウル市長・朴元淳の自殺、元ニュージーランド大使代理の外交官によるパワセク(パワハラ+セクハラ=権力型セクハラ)、住宅・不動産価格の大暴騰、梅雨に続く台風で大きな被害が出たのに、予備費まで現金バラマキ施策で使い切っていて、また赤字国債の大発行しかない……。

 いずれも解決する前に次の事件が起こるので、前の事件は、アッという間に脳内蒸発。それをいいことに、時が経てば、みんな「私もそう主張していた」となる。独立運動をしていた人間なんて0.1%もいないでしょうに、みんな独立運動家の子孫と名乗る。そういう国民性なのです。

 その中の1つに、日本として無視できない事案も発生しました。韓国・平昌の植物園に慰安婦像の前で土下座をする安倍晋三首相を模した像が設置されたのです。

 当初、園長の金昌烈は韓国メディアに「安倍首相を象徴してつくった」と話していましたが、韓国国内からも批判を浴びると「必ずしも安倍首相を特定してつくったものではなく、謝罪する立場にあるすべての男性を象徴したものだ」と言葉を変えた。それでも気持ちが抑えきれないのか、「日本に謝罪してほしいという意味を込めて像をつくった」「謝罪する男性が安倍首相であれば良いという気持ちはある」とも。

 確信犯です。韓国政府は「民間の施設なので」と逃げていますが、その植物園は国立公園の中にあるのですから、監督責任があるでしょう。

 このような歪み切った悪趣味なパフォーマンスは、いかにも常軌を逸した韓国らしい。他国の首相を模した土下座像を制作するなど、国際社会の常識では論外ですが、韓国は悪びれる様子もなく平然とできてしまうのです。

 こうした非道な仕打ちをされているにもかかわらず、現在、日本には韓流ブームが再来(第3次韓流ブーム)しているそうです。本当かウソか分かりませんが、その事例として韓流ドラマ『愛の不時着』が20代、30代の若い女性を中心に人気を博しているとか。

 ドラマは、ある日パラグライダーに乗っていた韓国財閥令嬢のユン・セリが、突然竜巻に巻き込まれDMZ(非武装地帯)を越境して北朝鮮に不時着、北朝鮮のエリート軍人であるリ・ジョンヒョクに救助されて恋に落ちるという空想的な設定のラブストーリーです。

 このドラマについて、思想家の内田樹は、
「記憶に残っているのは2人を取り巻く登場人物のラブリーさ(かわいらしさ)です。とりわけリ・ジョンヒョクの部下4人組をはじめとした北朝鮮の人たちが魅力的。(中略)細かなエピソードを積み重ねていくにつれ、キャラクターの個性がのぞき始めます。そうなると、恐怖や嫌悪感しか感じていなかった視聴者側にも『意外といいところがあるんだな』『可愛いやつだな』なんて感情があふれてくる。個性=ラブリーさ、です」(朝日新聞・2020年7月31日付)
 と語っています。

 日本人を容易く拉致し、核開発を繰り返しながらミサイルを日本の領海に撃ち続ける北朝鮮。歴史を歪曲して国民を洗脳し、日本の国際的な地位を貶めつつ、一方的に条約を反故にして日本から金を引き出そうと集り続けてくる韓国。目の前の現実を「政治的問題」と棚上げしながら、何が「ラブリー」なのか。日本人に向けて韓国と北朝鮮に対する間違った認識を与えるだけです。

 それはさておき、内田の肩書には驚かされました。いまどき「思想家」を名乗るなんて、どう考えても普通の感覚とはズレているとしか思えません。

虚像に踊る人々

 著書『韓国のデマ戦法』(産経セレクト)でも書きましたが、第3次韓流ブームは、朝日新聞のネット記事でも特集されています。「韓流、SNS世代が『第3の波』」(2019年6月4日付)という記事では、明洞にある「黒糖タピオカミルクティー」で有名なカフェに並んでいた愛知県に住む20歳の女性を取材。両親を誘って1泊2日で韓国を訪れた彼女は、「韓国はインスタ(写真)映えするおいしいものがたくさんあって、学生の、こづかいで買えるかわいい服があるイメージです」と素直に語っています。

 黒糖、タピオカ、ミルクティー……どこに「韓国」があるのか。タピオカを混ぜ込んだ創作飲料は、あくまで台湾発祥の食文化です。それをわざわざソウルまで行って、台湾の創作茶を飲みながら韓国を称賛する──彼女のように、大事な部分の知識を素っ飛ばして「第3次韓流ブーム」の担い手になる日本人が少なくないのです。

 また毎日新聞でも同様の記事が。「日韓政治対立と韓国ブーム」(2019年7月20日付)では、新大久保に集まる若者にインタビューをしています。

 記事では、若者たちが日韓関係にほとんど関心がないことに触れており、どうやら政治的問題とは別に、「若い世代に親韓派が多いことは好ましい」と言いたい様子。

 しかし東京の1スポットに特定の嗜好を持つ人々が集まっているだけで、それを果たして「ブーム」と呼べるのか。

 もし平日の昼間から浦和競馬場が大勢の人で賑わっていたとしても、それだけで「日本中が競馬ブームに沸いている」とは、私には思えません。ブームではないのに、ブームと報道する──明らかなフェイクニュースです。

 記事では、新大久保で人気の〝韓食(韓国料理)〟として「ハットグ」も紹介されています。第3次韓流ブームの象徴的な韓食とされているハットグは、とろけるチーズを大量に挟み込んだホットドッグのこと。コッペパン、ソーセージ、チーズ……やはり「韓国」はどこにも見当たりません。それどころか、「ハットグ」という言葉は「Hot dogs」の米発音ですし、溶かしたチェダーチーズをホットドッグにかける店も昔からアメリカにあります。

 肉が付いた豚骨と、ジャガイモをコチュジャンで煮込んだ「カムジャタン」も第3次韓流ブームで人気の韓食だそうですが、朝日新聞(「食在遠近」2006年7月18日付)によれば「1000年以上前に南部で生まれたとされ、全国どこにでもある」というから傑作です。 

 南米原産のジャガイモが、ようやくヨーロッパにたどり着いたのは15世紀から16世紀ですし、コチュジャンの原料・赤トウガラシは、秀吉の朝鮮征伐まで朝鮮半島にはありませんでした。韓流とは韓国のデマ情報がつくり出した虚像であり、よく見れば、そこには何のアイデンティティも存在しないのです。

何をしても勝てばいい

 韓国がKポップ文化を世界に広めようと躍起になっていることが窺える記事があります。

「2NE1のCL、世界で最も影響力のある人物で1位に」という記事が、中央日報(2015年4月12日付)で報じられました。「2NE1(トゥエニィワン)」は韓国の女性ボーカルグループのことで、「CL」はリーダーのイ・チェリンの略称だとか。

 米タイム誌が「世界で最も影響力のある100人」のオンライン投票を行ったところ、CLが6.5%の得票率でプーチン大統領と同列1位だったというのです。3位以下は米歌手のレディー・ガガ(2.6%)、カリブ海・バルバドス出身の歌手・リアーナ(1.9%)、米歌手のテイラー・スイフト(1.8%)、英女優のエマ・ワトソン(1.8%)といずれも世界的に有名なアーティストや女優ばかり。

 さらに記事をよく読むと、「CLは現在、米国でソロデビューを控えている」という。ネットで投票できるとはいえ、本拠地のアメリカでソロデビューも果たしていない韓国人歌手が、なぜ芸能音痴の私でも知っているレディー・ガガの倍以上の票を得られるのか。明らかに不自然ではないでしょうか。

 おそらく、これもCLの所属プロダクションがCLを上位にランクインさせるため、愛国心をくすぐる表現で巧みにファンを誘導し、一斉投票をさせて票を稼いだのでしょう。

 数年前、おじさん歌手「PSY」が「江南スタイル」という曲でユーチューブ37億再生を超えるヒットを記録したのも、「Rain(ピ)」という韓国人歌手が2011年にタイム誌の同じ企画で1位になったのも同じ手口と思われます。

 そんな手法で1位になっても、多くの韓国人は気恥ずかしさも見せずに素直に喜ぶから笑ってしまいます。中央日報も、まだ米国でソロデビューもしていないCLに「世界的な人気を再確認した」とデタラメを書いている。「どんなラフプレーをしても勝てばいい」という、韓国のスポーツマンシップによく似ています。

韓流=対日愚民化工作

 韓国にとって韓流とは、「韓国」という国家ブランドを高めるための国家戦略に過ぎません。ありていに言えば、韓国との間にどのような懸念があるのか、本当の韓国とはどんな国か、韓国人は日本人を本当はどう思っているのか……そんなことは一切考えさせず、ドラマや歌(Kポップ)、映画、韓食などで、とにかく「政治のことなんて知らないけど、韓国のことが大好き」という「韓流愚民」、スターリン風に言えば、海外の「役に立つバカ」を量産するための対外愚民化工作に他なりません。

 その一環として、2009年には、大統領直属の機関として「国家ブランド委員会」が設立されています。この委員会は、韓国に対する外国人の好感度を高めるため、韓流はもちろんのこと、基本計画を作成して関連予算を効率的に利用していく司令塔の役割を担っています。

 また、委員会は対外援助にまで関与していたようで、当時の委員長は、
「開発途上国に対する援助を増やす計画だ。援助が増えるほど国際社会で良いイメージを得られる」(中央日報・2010年1月12日付)

「韓国国内にいる外国人留学生らを、該当国家に韓国のことを知らせるブロガーとして活用するつもりだ」(朝鮮日報・2010年6月1日付)

 と堂々と発言している。まず相手を「活用(利用)対象」としてとらえる──いかにも韓国人らしい発想です。特に「用日」(せいぜい上手く交流して、利用できるだけ利用してやれ、という日本人に対する朝鮮人の考え方)を上手く機能させるためには、韓国に好意的な日本人を大量につくり出す必要がある。

 そのため、国家戦略である韓流には、韓国政府から各省庁に対して莫大な予算がつぎ込まれています。韓流関連予算は、項目の分類上、ほとんどが「韓流」と明記されていないので総額の把握は難しいですが、朴槿惠前大統領は2013年11月の施政方針演説で「韓流および関連の文化産業発展を盛り立てるため、政府予算の1.5%を投じる」と述べています。当時の政府予算から計算するとおよそ5兆ウォン(約5000億円)、2020年当初の予算規模なら6兆ウォン(約6000億円)を超える。

 それから今年、韓流予算とは別に用意されている純然たる工作費「対日世論工作予算」も3.3倍(前年度比)に膨れ上がっています。これについて、韓国の駐日大使・南官杓は「日本の世論を主導する財界やマスコミなどを攻略する計画だ」(聯合ニュース・2019年12月23日付)と野心を隠していません。凄まじい額の国家予算が、現在も日本人を「韓流愚民」にするために注ぎ込まれているのです。

 そういう愚民化政策を「日本に向けてもっとやれ」と韓国人に嗾かけている日本人がいる。鳩山由紀夫です。
「日本人が依然として憧れる韓流を戦略的に活用するのはどうか。民間レベルでの好感度が高まれば政治問題は解決しないわけにはいかないというムードが高まる」と、中央日報グループの会長である洪錫炫との対談で述べています(中央日報・2019年6月17日付)。

 対日愚民化政策を強力に推進することで、日韓の政治問題を解決しようというのですから、彼の脳内には日本の国益など微塵もなく〝韓益〟でいっぱいなのでしょう。

 洪錫炫は韓国の大富豪の1人で、サムスン財閥のトップである李在鎔の母親の弟です。脱税で挙げられたこともありますが、盧武鉉政権で米国大使に任命された。

 もっとも、すぐに検察首脳に現金をバラまいていたことがバレて辞任した。文在寅大統領からは特別補佐官への就任を求められた。つまり左の人物なのです。

 鳩山も「お母様からのお小遣い」事件がありましたね。「薄汚れたピンクの大富豪」同士はウマが合うのでしょうか。

ネット工作部門「心理戦団」

 昔から韓国は「情報政治(多数派の形成を目指し、デマ情報を流すこと)」という言葉をよく使い、政府・民間を問わずデマを流布し続けてきました。特に政府には、世論工作の専門集団「KCIA(韓国中央情報部)」の存在もありました。

 現在、そのKCIAの後身である国家情報院(以下、国情院)には、ネット情報工作を専門とする「心理戦団」という部門が存在します。また国防省直属の国軍サイバー司令部にも、同様の部門があります。

 朝鮮日報(2013年10月15日)によれば、本体の心理戦団は70人程度に過ぎませんが、民間の下部組織を抱えています。そのかなりの部分が中国籍の朝鮮族という噂が消えません。国軍サイバー司令部は、要員400人のうち200人ほどが心理戦団のメンバーです。

 彼らの発信力は侮れません。2012年の韓国大統領選挙の際には、朴槿惠候補(当時)に有利な情報を発信したとされ、その容疑で検察の捜査まで受けている。東亜日報に掲載された中間報告(2013年10月24日)によれば、心理戦団によるツイート(ツイッターでの投稿)、リツイート(他の投稿を共有すること)の件数は55,689件におよび、20人ほどで構成されている心理戦団のSNSチームが使用していたIDの数は300もあるといいます。ここでも外部協力者を雇用していた可能性も指摘されています。

 韓国によるネット情報工作は、韓流による対外愚民化工作だけではありません。何でもいいから、とにかく日本を貶める情報を第3国で拡散する「ディスカウント・ジャパン運動」もその1つです。

 ネット情報工作とサイバーテロは、現代韓国のお家芸です。最近では旭日旗に似たデザインを使っている外国企業や文政権の意に反する判決を下した判事、あるいは大学の講義で親日的な内容を述べた教授などのもとへ大量の抗議メールが送られてきます。それもメールは抗議文や脅迫文の粋を超え、ネット上に標的の顔写真や住所、家族の写真まで晒すのだから悪質です。昨年7月、日本政府の輸出管理強化をきっかけに始まった「日本製品不買運動」の際には、ユニクロで買い物をする客の顔を盗撮し、「親日派」としてネット上に晒し上げる集団まで現れました。「親日派を売国奴と呼んで、何がいけないのか」──典型的な左翼全体主義の理論です。

「ディスカウント・ジャパン運動」を主導しているのは、韓国のサイバーテロ組織「VANK」です。民間のボランティア組織と標榜していますが、政府からの補助金も出ており、機能としては国情院の別動隊と考えるべきでしょう。

 記憶に新しいのは今年1月、防護服を着た聖火ランナーをデザインした東京五輪ポスターを勝手に制作し、「東京五輪=放射能五輪」と悪宣伝をした。他にも世界中の組織や団体に「旭日旗=戦犯旗」と印象付けるメールを送り付けたり、あるいは「独島は韓国の領土」と書かれたカードやシールを制作するなど活動は多岐にわたります。

 また古典的ですが、韓国人による日本人詐称も悪辣です。海外で悪事を働いた韓国人が日本人を名乗った事例は、枚挙にいとまがありません。

 最近では2019年7月、カンボジアで覚せい剤所持により逮捕された韓国人が「私は日本人」と名乗っている。カンボジアのマスコミは「日本人を逮捕」と報じたまま訂正もしていません。また同年同月、韓国の京畿道では韓国人4人組が慰安婦像に唾を吐き、近くにいた人と言い合いに。そのうちの1人が日本語を喋っていたことから、通報者が警察に「日本人だ」と伝えましたが、その後、全員韓国人であることが判明しました。自ら詐称こそしていないものの、1つ間違えば国際問題として日本が糾弾されかねません。

 韓国のテレビでは、お笑い芸人が「悪いことをしたときは、『私は日本人』と言いましょう」と言って大喝采を浴びたという話もあります。彼らの民度はその程度です。
 
 「嫌韓情報」を封じ込めるのも、彼らにとっては重要な対日情報心理戦です。韓流愚民を増やすためには、韓流や韓国に否定的な言論は問答無用で「敵」となります。

 ましてや、韓流の主柱的存在であるKポップが、裏では「売春」「性接待」「賭博」「麻薬」「横領」などで汚れ切っている実態が、韓国国内で徐々に明らかになっています。昨年の度が過ぎた反日キャンペーンもあり、日本人が韓国に抱く印象は強烈に悪化しましたから、なんとしてでも、これ以上日本で「嫌韓情報」が拡散するのを防がねばならない──これが韓流推進と並ぶ重要課題になるわけです。

 政権のポチともいえる韓国マスコミの常套手段は、韓国にとって好ましくない情報をすべて「嫌韓情報」として括ることです。たとえ情報が真実であっても、日本の極右勢力が述べている「暴言」「差別」「ヘイト」だとレッテルを張り続けるのです。

 そういう意味で、『週刊ポスト』(2019年9月13日号)の特集「韓国なんて要らない」がヘイト排撃論者の標的となり、文筆家たち(多くが在日韓国人)の抗議を受けて出版元の小学館が謝罪したことは、韓国の情報当局にとって理想の展開だったことでしょう。

 しかし、この件に関してはハンギョレ新聞(2019年9月6日付)が「特派員コラム」で見出しと小学館のお詫びを伝えただけです。内容についてはまったく触れていません。

 通常、韓国のマスコミは、日本での対韓ヘイトに対抗する動きを細かく報じます。あるときは、東京で開かれた200人程度のヘイト反対集会まで記事にしています。

 それを考えれば、「『週刊ポスト』は〇〇などと悪意に満ちたデマを並べ立てた」と内容を紹介し、日本の〝良識ある著名人〟の談話を付けた大型記事になってもおかしくありません。そうならなかったのは、記事そのものの内容が正確であり、韓国人なら誰でも知っている常識だからです。

 事実、特集「『10人に1人は治療が必要』──怒りを抑制できない『韓国人という病理』」は、韓国の「大韓神経精神医学会」で発表された「韓国成人の半分以上が憤怒調節に困難を感じており、10人に1人は治療が必要だ」というレポートに基づいたもので、記事の中には中央日報から引用したと記載もある。れっきとした「事実」なのです。都合の悪い事実は一切報じない、朝日新聞が得意とする「報道しない自由」で国民の情報を巧みに操作しているのです。

韓流ウイルスにご用心

 コロナ対策にしても、日本のワイドショーを見ていると、韓国の対策をやたらと持ち上げるコメンテーターが散見されます。オールドメディアは、PCR検査数の必要性を訴え、それを材料に「日本は韓国に遅れている」という方向へ話を誘導しようとしているのではないか。

 別段、日本が韓国に見習うべき点が1つもないとは言いませんし、100歩譲って必要以上に「日本も韓国を見習って……」と言いたいのであれば、それはテレビ局の勝手です。

 しかしながら、いくら取材対象から思い通りのコメントが引き出せなかったとはいえ、編集詐術で発言を真逆のものに変えるのは、公平性を担保すべき放送局として明らかに道理に反しています。そこまでして、韓国を持ち上げる日本のテレビ局は一体何なのか。

 こうした現状を考えると、もはや韓国の対日情報心理戦は、日本国内でも行われていると考えるべきです。もちろん韓国に好意的な日本人を増やす裏では、慰安婦問題、徴用工問題、竹島問題などの史実を歪曲し、日本を不当に貶めるための宣伝工作が行われています。

 「韓国の歌手が格好いい」「韓国の屋台菓子が美味しい」「韓国女性のメイクが可愛い」「韓国人みたいに綺麗になりたいから、私も整形したい」……そんなハリボテ文化に心酔していると、いずれ日本人は韓流ウイルスで「本当の韓国」の姿を見失うかもしれません。

 現に日本の若者は、これまで韓国が日本に何をしてきたかも知らず、韓流ウイルスの重症患者になっている人が少なくありません。安易に韓国に気を許さず、彼らのデマ戦法に騙されてはいけないのです。
(文中すべて敬称略)
室谷 克実 (むろたに かつみ)
1949年、東京都生まれ。慶應大学法学部卒業後、時事通信社に入社。政治部記者、ソウル特派員、宮崎・宇都宮支局長、「時事解説」「時事評論」編集長などを経て定年退社。著書に『悪韓論』『日韓がタブーにする半島の歴史』(新潮新書)、『呆韓論』『ディス・イズ・コリア』(産経新聞出版)、『なぜ日本人は韓国に嫌悪感を覚えるのか』(飛鳥新社)などがある。

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