【安積明子】国民民主党代表選~玉木代表の憂鬱

【安積明子】国民民主党代表選~玉木代表の憂鬱

via 国民民主党ウェブサイト
 国民民主党の代表選が12月18日に行われ、玉木雄一郎代表が再選されました。事前の感触では、現職の強味を生かして玉木氏は票の8割は獲るだろうなと。ところが対抗馬として出馬した伊藤孝恵参議院議員が予想以上に善戦しました。しかも国会議員票では8票対8票とイーブンだったのです。

 これはもしかして玉木代表、党内で支持されていない?と思いますよね。ところがある関係者はこう言ったのです。

 「票を操作した可能性がある。たぶん労組が票をキレイに割ったんだ」
 
 労組といえば玉木代表は今年9月、国民民主党が立憲民主党と合流することになっていたのを途中で止め、連合を激怒させたことがありました。その結果、国民民主党は分裂して、立憲民主党と新たな立憲民主党を結成したグループ、玉木代表と新たな国民民主党を結成したグループ、そしてどちらにも入らなかったグループと、3つに分かれたのです。

 そして国民民主党を支援してきた6産別と言われる労組は合流に不参加を表明し、上部組織である連合の意向に反することになりましたが、とはいえ連合を脱したわけではありません。

 「連合の意向を尊重して、玉木代表が暴走しないように釘を刺したんじゃないか」
 
 前述の関係者はそう述べました。なるほど!陰謀論としては、かなり面白い話です。
 
 しかし国民民主党の議員全員が労組の指示通りに動くはずがないですから、なかなかきわどい数字といえますね。もしかしたら国会議員投票で玉木代表の方が負けた可能性もあったわけです。そうなったらそうなったで、今後がちょっとややこしくなるんですよね。ですから、これについてはまた別の機会に。

 ということで、国会議員投票で誰がどういう投票行動をとったのかと分析してみたら、「この人こそ労組の影響を受けずに『玉木雄一郎』と書いたはず!」と思える議員がひとり…。そう、山尾志桜里衆議院議員です!

 そういえば、つい先日のことですが、玉木事務所で玉木代表と話した時、玉木代表が「(政党支持率アップのために)これから東京ブロックで目玉候補を立てるんだ!」と言ったので、「それならなぜ山尾議員を単独1位にしたのか。国民民主党は東京ブロックでは1議席もとれないのに。当選の可能性のないところで、いい候補者が立つはずがない」と(やや責める口調だったかもですが)述べたことがありました。そうしたら玉木代表はすっとトイレに立ち、その後に私の前に座ることなく、議員室に籠ってしまったのです。そして議員室から聞こえてきたのは、何かを吹っ切ろうとするように電子ピアノを演奏する音とそれに合わせて歌う玉木代表の歌声のみ…。
 
 そういうこともあって、国民民主党の代表選の結果から、なんとなく玉木代表の“憂鬱”が理解できたような思いがしました。この理解はすぐに冷めると思いますが、今後の国民民主党の動向を分析する上で参考になるかもしれないので、このコラムに記録として残しておきます。
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安積 明子(あづみ あきこ):ジャーナリスト
兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。
1994年、国会議員政策担当秘書資格試験合格。参議院議員の政策担当秘書として勤務の後、執筆活動を開始。夕刊フジ、Yahoo!ニュースなど多くの媒体で精力的に記事を執筆している。

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