安積明子:山尾志桜里議員「不出馬表明」の身勝手

安積明子:山尾志桜里議員「不出馬表明」の身勝手

不出馬を表明した山尾議員
via youtube
 前週のこのコラムで「切腹しろ!」と書いたせいでもないでしょうが、国民民主党の山尾志桜里議員が次期衆議院選に出馬しないことを表明しましたね。「議員の新陳代謝が…」などと理屈を付けておりましたが、はっきり言って東京ブロックで1位をもらっても、国民民主党では当選できないからというのが理由でしょう。

 たぶんこの人は、有権者が嫌いなんですよ。だから2017年の衆議院選で、スキャンダルにまみれて民進党を離党せざるをえなかった山尾議員に温情をかけてくれた愛知7区の有権者を、簡単に見捨てることができるんですよ。

 もっともあのまま愛知7区にいたとしても、山尾議員はそれまでの支持してくれた有権者から見捨てられたでしょう。その原因を作ったのは他でもない山尾議員本人です。だって僅差で当選したらもう禊は済んだとばかりに、さっそくスキャンダルの相手を“政策顧問”として側に侍らせたんですから。

 政治家にとって最も重要なのは政策能力ではありません。もし政策能力が最も重視されるなら、議員は選挙でなく試験で選ばれるべきです。政治家に求められるのは、有権者ひとりひとりの生活をより安全かつより豊かにすること。そうした社会をつくるために粉骨砕身するという覚悟です。
安積明子:山尾志桜里議員「不出馬表明」の身勝手

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玉木代表は山尾議員を絶賛…
via 国民民主党ウェブサイト
 山尾議員の不出馬表明について、国民民主党の玉木雄一郎代表はTwitterで「与野党を問わず一緒に仕事をしたことのある議員で山尾さんの傑出した能力を評価しない人はいないでしょう」と絶賛していました。もちろん玉木代表らしいべったべたのお世辞だと思いますが、もし本気であの呟きを書いたのなら、国民民主党が支持率1%台から一向に抜け出せない原因はずばり玉木代表の存ですね。あの程度の能力の人材なんて、東大が毎年うんざりするくらい輩出していますやん!

 なお山尾議員と一緒に仕事をしたことがある議員のひとりに聞いたところ、「不倫騒動の最中でも、小選挙区で当選させて下さった愛知7区の有権者を裏切った時点でアウ」と斬り捨てていましたよ。民進党にいた議員で、彼女にネガティブな感情を持たない人はむしろ少数でしょう。

 さて通常国会も終わり、次期衆議院選に向けて永田町が動き出しますが、現職を含めて国政を目指す方々には、是非とも山尾議員を「他山の石」として気持ちを引き締めていただきたい。とりわけ誰でも受け入れ、何でも飲み込む自民党の二階俊博幹事長には、その「他山の石」を持って帰って自民党の庭石に使わないようにくれぐれもお願いしたいですね。
 (6669)

安積 明子(あづみ あきこ):ジャーナリスト
兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。
1994年、国会議員政策担当秘書資格試験合格。参議院議員の政策担当秘書として勤務の後、執筆活動を開始。夕刊フジ、Yahoo!ニュースなど多くの媒体で精力的に記事を執筆している

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