安積 明子の永田町ウォッチ No54

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「場が違う」として議員パス問題には答えなかった山尾氏
via wikipedia
 久しぶりに見ましたよ、“逃亡者”の後ろ姿を。東京スポーツさんが5月12日にウェブ版で、「“文春砲”被弾の山尾志桜里氏が14日に会見へ 一連の疑惑にどう答えるのか」というタイトルで「国民民主党の山尾志桜里衆院議員(46)が14日に国会内で行われる超党派の『人権外交を超党派で考える議員連盟』総会に出席した後、一連の疑惑に関して会見を開く意向を示していることが分かった」と報じましたが、どうも飛ばしだった模様。

 さて東スポさんといえば、かつては「マドンナは男だった」とか「ネッシーを発見」などという見出しを大きな文字で掲げ、「えっ!」と思って購入すると、折り返しに「?」が隠されていたという“お茶目な”商法で知られていました。今回もタイトルに「?」が付いていないかと、思わずパソコンの裏をのぞき込んでしまいましたよ。ウソですけど。

 しかし、どう見ても会見が設定されている様子がなかったんです。ですから、とりあえず議連が開かれている国際会議場に行ってみました。
 議員間の自由討論の間、会場から締め出されていた記者の面々を見れば、大手紙やキー局がほぼ網羅されています。やっぱり山尾氏はオオモノなんですね。だって週刊文春が確認したJRパスの不正使用なんて、ほんの数百円くらいのものでしょ。

 ですからきちんと会見を開き、「うっかりと使っちゃいましたけれど、これからは気を付けます!」と言えばいいんです。1時間ほどとれば、メディアは納得しますよ。
 ところが絶対に嫌なんですね。議連の終わりに共同代表を務める中谷元元防衛大臣と記者ブリーフに応じた後、「JRパス使用について伺いたい」という記者の申し出に対して山尾氏は「ここはそういう場ではない。事務所に来て下さい」と言い捨てて、スタコラさっさと逃げて行きました。もちろんJRパス不正使用以外のことについて聞かれると思っているからでしょうけど、東スポさん、記事の内容と違うやん!

 しかしこれは国民民主党の玉木雄一郎代表の顔を潰すことにもなりますよ。玉木代表は山尾氏に会見を開いて説明することを求めていますし、「東京ブロック単独1位」という山尾氏の“特権”も見直す方向だそうです。ああ、やっと私が言いたいことが通じたんですね!だから善良な人の言うことは聞くものなんですよ!
安積 明子の永田町ウォッチ No54

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玉木代表もアタマが痛い…
 ところで、このコラムを書いた時に気づいたんですけど、東スポさんの5月12日の記事の見出しでは「山尾志桜里衆院議員」ではなく「山尾志桜里参院議員」になっていましたね。ということは、一連の疑惑に対して記者会見に応じようとしたのは「山尾志桜里参院議員」(そんなの、おらへんわ!)ということなんですね。
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山尾志桜里≪参院議員≫という細かい「逃げ」?
(ちなみに、後続記事の「説明、逃げた」では衆院議員になってました)
via 著者提供 当該記事画面よりキャプチャー
 さすが「20代の記者でも年収1000万円(だった)」と報じられた東スポさんですね。紙媒体時代の折り返しマジックに代わるネット記事時代の高度なテクニックということとして、しっかりと受け留めておきます。
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安積 明子(あづみ あきこ):ジャーナリスト
兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。
1994年、国会議員政策担当秘書資格試験合格。参議院議員の政策担当秘書として勤務の後、執筆活動を開始。夕刊フジ、Yahoo!ニュースなど多くの媒体で精力的に記事を執筆している。

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