高鳥修一衆院議員が代表世話人を務める『保守団結の会』や、青山繁晴参院議員が代表の『日本の尊厳と国益を護る会』など、自民党の保守派は強い高市支持を打ち出している。こうした勢力だけで、国会議員50人以上の支持がある。
岸田氏のポカ
さらに安倍氏が支持する高市氏を牽制しようとしてか、岸田氏はさらなるポカをやらかした。いわゆる「森友問題」について「国民が納得するまで説明を続けることが政府の姿勢として大事だ」と述べたのだ。これで岸田氏は安倍氏が所属する最大派閥の細田派を敵に回す形になった。さらに言えば細田派に続く党内第二派閥の麻生派をも敵に回したとも言える。麻生副総理は財務相を兼務し、「森友問題」では省内から自殺者を出すほどの傷を負っているからだ。
党員・党友票はどうなる?
大マスコミは高市氏をなるべく表に出さない動きに出ている。この中で読売新聞が9月4〜5日に行なった世論調査では、次の首相としてふさわしい人物として河野氏が23%、石破茂・元幹事長が21%、岸田氏が12%などとなる中で、高市氏は3%に留まった。同じ期間に共同通信が行なった世論調査でも、河野氏が31.9%、石破氏が26.6%、岸田氏が18.8%などとなる中で、高市氏は4.0%に留まった。この手のアンケートの信頼性はともかくとして、国民の中では高市氏の支持はまだまだ高まっていないことは事実であろう。
興味深いのはこうした偏りがないはずのYahoo!ニュースの調査でも、9月7日午前8時段階では、高市氏の支持が44%でトップとなっていることだ(※リンク先は現時点の状況となります)。ちなみに2位の河野氏は30%、3位の岸田氏は12.8%である。高市支持者が他の出馬者より積極的行動に出ている結果にすぎないという冷めた見方もできるだろうが、それだけ高市氏には熱い支持者が多いということを示している。そしてそのような支持者の熱さは、河野氏や岸田氏の支持者にはないものである。
党首選では最後に「風」が決め手となる。そしてその「風」は熱い支持者がどれだけ多いかということによって大きく動く。
【高市早苗】私が日本を「強くて美しい国」にします!【WiLL増刊号#625】
「風」が決め手となる
当時の安倍氏並の「風」が吹けば、高市氏当選の可能性は大きく広がってくる。しかも高市氏は強い発信力を持つ。筋の通ったことを堂々と話せる高市氏は、今後候補者の討論会などでその存在感を高めていくのは間違いない。
高市氏が自民党総裁に選出されれば、それはすなわち第100代日本国総理が高市氏になることを意味する。第100代の総理が初の女性首相になるとなれば、大きな話題になるはずだ。日本の政治が新しい在り方へと代替わりする象徴として高市総理が誕生することを期待しながら、これから火蓋が切られる自民党総裁選挙を楽しみにしたいと思う。
1964年、愛知県出身。私立東海中学、東海高校を経て、早稲田大学法学部卒。日本のバブル崩壊とサブプライム危機・リーマンショックを事前に予測、的中させた。現在は世界に誇れる日本を後の世代に引き渡すために、日本再興計画を立案する「日本再興プランナー」として活動。日本国内であまり紹介されていないニュースの紹介&分析で評価の高いブログ・「日本再興ニュース」の運営を中心に、各種SNSからも情報発信を行っている。新著『それでも習近平が中国経済を崩壊させる』(ワック)が好評発売中。