【WiLLデスク山根】コロナワクチンの不安を煽る「マス...

【WiLLデスク山根】コロナワクチンの不安を煽る「マスコミ仕草」

不安を煽るばかりがメディアの役目か?

いつもの「手のひら返し」

 2月下旬に接種開始が予定されている新型コロナ“ワクチン”についての報道には呆れるしかありません。各局の情報番組やワイドショーが「ワクチン接種に不安の声」「ワクチン副作用に懸念」などと否定的に取り上げているからです。

 この間まで、ワクチンこそコロナ収束の切り札として、「一足先に接種を開始した欧米に続け!」と言っていたような気がするのですが…。

 とりあえず政府を批判する、手のひらを返す、過剰に不安を煽る…といった“マスコミ仕草”は今さら言うまでもありませんが、コロナ禍におけるメディア報道の酷さは看過できません。国民の生命が懸かっているからです。

 1度目は緊急事態宣言。「政府は早く緊急事態宣言を出せ!」と煽っておきながら、いざ外出自粛・営業時間短縮となれば嬉々として飲食店に突撃インタビュー。「飲食店からは悲鳴」と記事にする。

 2度目はGoToトラベル。「GoToが感染拡大を招いている」と科学的根拠もなく騒ぎ立てて、GoToが中断に追い込まれると「観光地は閑古鳥」と見出しが躍る。

 そして今回のワクチン。ワクチン報道と聞いて思い出すのは、朝日新聞などが子宮頸がんワクチンの“危険性”を煽った例の件。メディアの影響力は大きく、接種率が7割から1%まで下がり、先進国で日本だけ子宮頸がんの罹患率が上がるという「取り返しのつかない事態」に陥ってしまったのです。子宮頸がんワクチンをめぐるフェイク報道については、医療ジャーナリスト・村中璃子さんが『10万個の子宮』(平凡社)などに詳細が記されています。

 メディアは国民にワクチンを接種させないことで、何の目的を達成しようとしているのでしょうか。不安を煽って視聴率を稼ぎたいのか、コロナを収束させることができない政府を批判したいのか、あるいは各紙・各局で「どの社が一番多く国民を殺すことができるか」を競っているのか…。常人の頭ではとうてい理解不能な報道がまかり通っているのです。
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海外の動きは「早い」と称賛するのに…

ロバと老夫婦

 コロナ報道をみるにつけ、トヨタ自動車の豊田章男社長も引いた「ロバと老夫婦」の寓話が思い出されます。

ロバを連れながら、夫婦二人が一緒に歩いていると、「ロバがいるのに乗らないのか?」と言われる。主人がロバに乗って奥さんが歩いていると、「威張った旦那だ」と言われる。奥さんがロバに乗って主人が歩いていると、「旦那は奥さんに頭が上がらない」と言われる。夫婦揃ってロバに乗っていると、「ロバがかわいそうだ」と言われる。

 昨年5月、トヨタ自動車はコロナ禍において5000億円の黒字見通しを発表。すると、マスコミは一斉に「トヨタ利益8割減」と報じました。「コロナにもかかわらず利益を出すとは、さすがトヨタだ」という見方もできますが、主に否定的な見出しが並んだのです。豊田社長が「ロバと老夫婦」を持ち出したことから、何をやっても批判するメディアへの苛立ちが見て取れます。
※豊田社長と「ロバと老夫婦」の話について、参考記事はコチラ

 捏造報道は言語道断ですが、たとえ事実に基づいていてもマスコミは “印象操作”するということを忘れてはなりません。国民の皆さん、報道に騙されることなきよう。そして菅総理、どうせ何をやっても批判されるのだから、思い切って自分が本当にやりたいことをやればいいと思いますが…。
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山根 真(ヤマネ マコト)
1990年、鳥取県生まれ。中学時代から『WiLL』を読んで育つ。慶應義塾大学卒業。ロンドン大学(LSE)大学院修士課程修了。銀行勤務などを経て、現在『WiLL』本誌およびYouTube『WiLL増刊号』デスク。好きなものは広島カープと年上の優しい女性。

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