新型コロナウイルスで病気になり、その後回復をしたのに、全く抗体がない人が数多く発見されている。また一旦は抗体が作られたものの、数ヶ月後には失っている人たちも多く見つかっている。こうなると新型コロナウイルスの場合には、ワクチン接種で抗体ができたとしても、すぐに消えてしまうことが予想され、免疫として有効に働くのはごく短期間になってしまうのではないかという不安も出てくるだろう。
そんな中で、別の形の免疫が研究者の間で脚光を浴びるようになってきた。それはT細胞免疫というもので、新型コロナウイルスとの戦いにおいてはこちらの方が決定的に重要なのではないかとの考えが、科学者の間で急速に広まっているようだ。
新型コロナウイルスに感染すると、これに対応したメモリーT細胞というものができ、これが免疫において大きな役割を果たしているのではないかというのである。そしてこうしたT細胞を事前に持っているか否かで、感染後の病状が軽いか重いかが決まるのではないかとの説が有力になってきている。
この件に関して、シンガポールにあるデュークNUSメディカルスクールのアントニオ・ベルトレッティ研究室が行なった研究が権威ある科学雑誌『ネイチャー』に発表された。
新型コロナウイルスに感染して発症した後に回復した36人の血液サンプルを調べたところ、重症であるか軽症であるかに関わらず、全てのサンプルから新型コロナウイルスに反応できるT細胞が作られていることがわかった。必ず対応するT細胞ができるというのは、大いに期待できる話だ。
また2002年から2003年にかけて猛威を振るったSARSにかかったことのある人から新しく血液サンプルを採取したところ、発症から17年経過してもSARSウイルスに対して反応するT細胞が残っていることもわかった。免疫効果が長期間にわたって持続するというのも頼もしい。
さらに、現在の新型コロナウイルスSARSウイルスと近縁関係にあるとされることから、このSARS用のT細胞が新型コロナウイルスに反応するかどうかを調べたところ、一部分については認識することもわかった。つまり、近縁のコロナウイルスに感染しても、部分的には効果があることになる。
現在感染が広がっている新型コロナウイルスは変異が激しく、以前のタイプのウイルスで免疫ができてもその後に変異したウイルスに効くかどうかわからないという意見もあったが、この点については安心材料を提供してくれているだろう。SARSウイルスに対応するT細胞が新型コロナウイルスに反応できるのであれば、新型コロナウイルスの中で変異が起こっても、当然反応できると推定できるからである。
さらにSARSにも新型コロナウイルスにも感染したことがない人の血液サンプルを調べても、半分以上のサンプルに新型コロナウイルスと関わるタンパク質を1つ以上認識するT細胞があることもわかった。
結論が出ているわけではないが、普通の風邪を引き起こす従来型のコロナウイルスに感染しても、部分的には新型コロナウイルスに反応できるT細胞ができるのかもしれない。
以上からわかるのは、新型コロナウイルスに一度でも感染すれば、どうやら免疫効果は持続するということだ。近縁のコロナウイルス でも部分的には免疫効果が期待できる。そしてその免疫の程度が、感染後の症状の軽重に関わっていると考えられている。
キングス・カレッジ・ロンドンのヘイデイ教授も、感染しながら入院の必要がなかった人にはT細胞の反応があったのは明白だと述べている。
日本人と欧米人の間で生じた死亡率の大きな落差は、このT細胞免疫が広く存在したかどうかに起因するのではないかとの説があるが、この説の有効性がますます高まってきたと言えそうである。
だとすれば、感染してもまず死ぬことのない若年・中年層には、自由に行動してもらってどんどん感染してもらった方がいいのかもしれない。こうした層が皆感染して集団免疫が達成されるようになると、新型コロナウイルスを恐れる必要はなくなるだろう。
そんな中で、別の形の免疫が研究者の間で脚光を浴びるようになってきた。それはT細胞免疫というもので、新型コロナウイルスとの戦いにおいてはこちらの方が決定的に重要なのではないかとの考えが、科学者の間で急速に広まっているようだ。
新型コロナウイルスに感染すると、これに対応したメモリーT細胞というものができ、これが免疫において大きな役割を果たしているのではないかというのである。そしてこうしたT細胞を事前に持っているか否かで、感染後の病状が軽いか重いかが決まるのではないかとの説が有力になってきている。
この件に関して、シンガポールにあるデュークNUSメディカルスクールのアントニオ・ベルトレッティ研究室が行なった研究が権威ある科学雑誌『ネイチャー』に発表された。
新型コロナウイルスに感染して発症した後に回復した36人の血液サンプルを調べたところ、重症であるか軽症であるかに関わらず、全てのサンプルから新型コロナウイルスに反応できるT細胞が作られていることがわかった。必ず対応するT細胞ができるというのは、大いに期待できる話だ。
また2002年から2003年にかけて猛威を振るったSARSにかかったことのある人から新しく血液サンプルを採取したところ、発症から17年経過してもSARSウイルスに対して反応するT細胞が残っていることもわかった。免疫効果が長期間にわたって持続するというのも頼もしい。
さらに、現在の新型コロナウイルスSARSウイルスと近縁関係にあるとされることから、このSARS用のT細胞が新型コロナウイルスに反応するかどうかを調べたところ、一部分については認識することもわかった。つまり、近縁のコロナウイルスに感染しても、部分的には効果があることになる。
現在感染が広がっている新型コロナウイルスは変異が激しく、以前のタイプのウイルスで免疫ができてもその後に変異したウイルスに効くかどうかわからないという意見もあったが、この点については安心材料を提供してくれているだろう。SARSウイルスに対応するT細胞が新型コロナウイルスに反応できるのであれば、新型コロナウイルスの中で変異が起こっても、当然反応できると推定できるからである。
さらにSARSにも新型コロナウイルスにも感染したことがない人の血液サンプルを調べても、半分以上のサンプルに新型コロナウイルスと関わるタンパク質を1つ以上認識するT細胞があることもわかった。
結論が出ているわけではないが、普通の風邪を引き起こす従来型のコロナウイルスに感染しても、部分的には新型コロナウイルスに反応できるT細胞ができるのかもしれない。
以上からわかるのは、新型コロナウイルスに一度でも感染すれば、どうやら免疫効果は持続するということだ。近縁のコロナウイルス でも部分的には免疫効果が期待できる。そしてその免疫の程度が、感染後の症状の軽重に関わっていると考えられている。
キングス・カレッジ・ロンドンのヘイデイ教授も、感染しながら入院の必要がなかった人にはT細胞の反応があったのは明白だと述べている。
日本人と欧米人の間で生じた死亡率の大きな落差は、このT細胞免疫が広く存在したかどうかに起因するのではないかとの説があるが、この説の有効性がますます高まってきたと言えそうである。
だとすれば、感染してもまず死ぬことのない若年・中年層には、自由に行動してもらってどんどん感染してもらった方がいいのかもしれない。こうした層が皆感染して集団免疫が達成されるようになると、新型コロナウイルスを恐れる必要はなくなるだろう。
1964年、愛知県出身。私立東海中学、東海高校を経て、早稲田大学法学部卒。
日本のバブル崩壊とサブプライム危機・リーマンショックを事前に予測、的中させた。
現在は世界に誇れる日本を後の世代に引き渡すために、日本再興計画を立案する「日本再興プランナー」として活動。
日本国内であまり紹介されていないニュースの紹介&分析で評価の高いブログ・「日本再興ニュース」( https://nippon-saikou.com )の運営を中心に、各種SNSからも情報発信を行っている。
近著に『左翼を心の底から懺悔させる本』(取り扱いはアマゾンのみ)。