門田隆将:朝日新聞はもう存在すべきではない

門田隆将:朝日新聞はもう存在すべきではない

公平性を欠くプロパガンダに終始するメディアを果たして「新聞」と呼んでいいのだろうか?
 日本政治史に多くの業績を残した故・安倍晋三元首相への各国の礼讃は、世界にとっていかに氏が重要な人物であったかを改めて教えてくれる。

 国内でも前人未踏の国政選挙6連勝、史上最長政権、政権を降りる時の「評価する」が71%……等々、圧倒的な人気を誇った。途絶えることのなかった献花への国民の長蛇の列と、葬列への涙の「安倍さーん」「ありがとうございました!」との若者の叫びがそれを証明している。
 
 だが、安倍氏の政治信条を憎み、「なんでも安倍が悪い」という〝アベガー〟の罵声は一方で止むことがなく、モリカケを何年も証拠もなく「疑惑は深まった」と騒ぎ続けた異常性も、再び思い出させてくれた。
 
 反日日本人を中心とする〝アベガー〟は、在日の外国人や極左活動家、根っからの左翼など、さまざまな勢力で構成される。彼らを鼓舞する朝日新聞も〝奮闘〟した。だが、その品性下劣さはジャーナリズムとして許されざる領域にまで達していたので紹介したい。
 
 私が「もう来たか」と思ったのは、暗殺翌日の7月9日夕刊「素粒子」だ。
「安倍1強」の政策への毀誉褒貶あまた。広げた「忖度政治」の検証は、どうなる

 これが、故人への中傷の狼煙となった。7月13日付朝刊「天声人語」には、〈西側には新宿御苑が見える。「桜を見る会」の舞台で、地元支援者らを大勢招き、批判を招いた。森友・加計問題についても、本人から説明を聞く機会が永遠に失われた〉と書いた。
 
 国会で安倍氏本人があれだけ証言をおこない、追及する側が証拠を何も出せず、印象操作だけに費やした日々をもう忘れたか、と事情を知る人間は思うだろう。
門田隆将:朝日新聞はもう存在すべきではない

門田隆将:朝日新聞はもう存在すべきではない

安倍総理の葬儀に駆け付けた多くの人たちの姿を見るだけで、朝日の論調がいかに偏向しているかがわかる―
 7月15日付朝刊には国葬の決定を受けて、〈異例国葬、党内に配慮 全額国費 首相は正当性強調〉と題された記事が掲げられた。その中には学習院大の野中尚人教授の「安倍元首相は外交的成果は思ったほどではなく、仕事ぶりには不満があるが、仕事の中身がどうであれ、首相としての在任期間が歴代最長だったのは事実。『国葬』を実施し、礼を尽くすのも許容されるのかもしれない」との談話が掲載された。

 「外交的成果は思ったほどではなく」「仕事ぶりには不満がある」「仕事の中身がどうであれ」との言葉に朝日の意図と、国際社会の評価との決定的な差を感じるだろう。だが、この日から始まった故人を冒瀆する「朝日川柳」に比べれば、まだどうということはない。

 ちなみに朝日川柳の選者の「西木空人」は、元朝日新聞記者の栗田亘氏である。栗田氏は「天声人語」を2000回以上書いた朝日の名物記者。その人物がどんな川柳を選んだかを見れば、朝日の品性がわかる。
 
まず7月15日付は以下である。

・銃声で浮かぶ蜜月政と宗
・銃弾が全て闇へと葬るか
・去る人の濁りは言わず口閉ざす
・これでまたヤジの警備も強化され

翌7月16日朝刊にも、こんな川柳が選ばれた。

・疑惑あった人が国葬そんな国
・利用され迷惑してる「民主主義」
・死してなお税金使う野辺送り
・忖度はどこまで続く あの世まで
・国葬って国がお仕舞いっていうことか
・動機聞きゃテロじゃ無かったらしいです
・ああ怖いこうして歴史は作られる
 選者の栗田氏は句の解説の中に「国会虚偽答弁118回」と書いている。一部野党やアベガーたちが、「安倍は国会虚偽答弁を118回した」と宣っているのは承知している。しかし、こじつけであったり、解釈する側の誤りであったり、全くオーソライズされたものではない。だが、栗田氏は安倍氏の虚偽答弁を「118回」と断定している。ご遺族は栗田氏のこの名誉毀損を許せるのか。戦ってしかるべきである。
 
 自由世界で思想や信条が違うのは当然だ。しかし、テロの犠牲となって、志なかばで斃れた人を、国民が、そして世界が、悼んでいる時に、これほどの罵声を浴びせられるメディアは、私はもはや存在すべきではないと思う。正直、どういう気持ちで故人を貶めているのか、私は朝日の当事者たちに聞いてみたい。少しでも反省の気持ちがあるなら、新聞社の看板を下ろしてとっとと「不動産屋」に専念しなさい。
門田隆将(かどた りゅうしょう)
1958年、高知県生まれ。作家、ジャーナリスト。著書に『なぜ君は絶望と闘えたのか』(新潮文庫)、『死の淵を見た男』(角川文庫)、『疫病2020』(産経新聞出版)など。『この命、義に捧ぐ』(角川文庫)で第十九回山本七平賞を受賞。最新刊は『新・階級闘争論』(ワック)。

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