小さな武漢

佐々木 はじめまして。ご著書、動画などでご活躍を目にしています。

岩田 ありがとうございます。

佐々木 新型コロナウイルス感染が拡大する一方です。安倍政権は、ようやく緊急事態宣言を可能とする「新型インフルエンザ対策特別措置法」の改正案を成立、対策に乗り出しています。でも、初動対応はどうだったのか。
※本対談は2020年3月中旬に実施

岩田 官邸の動きに鈍さを感じたのは否めません。

佐々木 安倍晋三総理と菅義偉官房長官の間で、意思の疎通が十分できていないのかもしれません。中韓全土の入国制限にしても今井尚哉(たかや)首相補佐官と北村滋NSC局長のアイデアに因るところが大だった。ただ、省庁に対する根回し不足もあるようで、首相周辺と霞が関に軋轢が生じている面もある。菅氏が主導したクルーズ船の対応がもたついたように、官邸の足並みが揃っていなかったことが、初動対応の遅れにつながったのではないでしょうか。

岩田 もう1つ、習近平国賓招待も大きな足かせになっていたのではありませんか。経済面での配慮も大きかった。春節でたくさんの中国人観光客を見込み、その経済的効果を睨(にら)んでいた。
 その2つの条件が相まって、武漢、湖北省以外の中国人の入国制限措置の実施が遅れたように思われてなりません。

佐々木 中でもダイヤモンド・プリンセス号での対応が、特に問われる点でしょう。ネックになったのが、「便宜置籍船制度」だった。

岩田 船にも人間と同じく国籍があり、登録した国の法律によって制約と保護を受けます。ですが、国によってその内容は変わってしまう。そこで有利な国に「便宜的」に国籍を移す動きが、戦後、世界の海運国で活発化しました。

佐々木 調べてみると、海のないモンゴルでも船籍があるそうで、かなりいい加減な制度のようです。ダイヤモンド・プリンセス号の場合、船籍はイギリスで、船長はイタリア人、運航会社はアメリカの企業です。まさにグローバリズムの縮図のようなクルーズ船ですが、このために対策が後手に回ってしまったのです。

岩田 各国が連携を取らず、それぞれの国に押し付けた形になっています。結果としてお人よしの日本がすべての責任を取るような形になってしまいました。

佐々木 公海上はイギリス側に責任があったのに、何ら手助けしてくれませんでした。結果としてダイヤモンド・プリンセス号は「小さな武漢がやってきた」と言われる始末。その後、米西海岸に向かったグランド・プリンセス号は、日本のやり方を研究したのか、手際よく対処していました。

岩田 ヘリを飛ばして検査キットも船内に持ち込んでいました。

佐々木 日本の場合、日本人客がたくさん乗っていたために、かえって、強行的な処置ができなかったとも考えられます。

岩田 ウエステルダム号の場合はカンボジアで停泊、乗客が下船時に感染者が一人、発見された。そのあと、そこでフィリピン政府やタイ政府はその事実を鑑み、クルーズ船の入港を認めない方針を固めました。

佐々木 日本もそこまで果断な処置ができれば良かったのですが、日本人の優しさがかえってアダになったと言えます。

まるで〝山びこ〟

岩田 面白いのは、習近平国賓来日が延期となった途端、すべてが動き出したように見えたことです。

佐々木 中国全土の入国制限を実施したのは、その3時間後。まるで図ったようなタイミングです。

岩田 習近平国賓来日と入国制限の因果関係を思わざるを得ません。

佐々木 世界保健機関(WHO)と中国の癒着も目に余ります。習近平は大きなマスクをつけて武漢視察をしました。影武者の噂も一部にありますけど、とにかく「感染拡大の勢いをほぼ押さえ込んだ」と、事実上の終息宣言をした。そしたら、後を追うようにして、WHOのテドロス事務局長が「パンデミック(感染症の世界的な大流行)とみなすことができる」と。

岩田 まるで〝山びこ〟みたいです。

佐々木 綿密に打ち合わせた上での発表じゃありませんか。

岩田 世界的に感染が拡大した最大の要因は、この国際関係にあると思っています。テドロス事務局長はエチオピア人であり、しかも一帯一路でエチオピアは中国からたくさんの金が流れている。事務局長選でテドロスが当選する際、AU(アフリカ連合)から票が集まりました。ところが、AUの後ろで糸を引いていたのが中国だった。

佐々木 本人は自分がピエロというか、中国の太鼓持ちになっていることに気づいていないのでは。中国からエチオピアへの投資額は、2兆9000億円ほどです。こんな関係にあるから、中国にこびへつらうしかありません。でも、国際関係上では害悪そのものです。

岩田 新型ウイルスの流行が確認されつつあるとき、テドロス事務局長は「習近平国家主席は稀有な指導力がある」と。耳を疑いました。何を言っているのでしょうか(苦笑)。

佐々木 WHO内でもテドロス事務局長への批判が高まっています。2月に実施された会議で、タイ代表は「議長、旅行制限を確実に実行するなら、まずテドロス事務局長を隔離したうえ、今回の会議を中止にすべきです。事務局長は北京を訪問したばかりです。会議に参加した多くのメンバーの国では旅行制限を実施しています。メンバーらは事務局長とハグしたり、握手したりしています。この人たちはみんなリスクに晒(さら)されています」と。
 さらに「われわれは人々の恐怖感を和らげ、WHOの信頼を回復させなければならないのです。したがって、私は中国でWHOの会議を開催することを提案します。武漢でしましょう! 今こそ、武漢市にある2000年の歴史を誇る黄鶴楼(おうかくろう)を訪ねる最高のチャンスです。北京もいいですね。今なら、万里の長城も紫禁城にも人がいないので、入場料も安いです」と痛烈な皮肉を口にした(笑)。風刺に満ちた英国の巨匠、バーナード・ショーもびっくりです。前列に座っていたインド代表は大爆笑し、会場全体でも笑い声が響くほどでした。

金を出すから、ポストをくれ

岩田 あまりにも露骨ですからね……(笑)。WHOの事務局長が中国の息がかかっていなければ、世界的な対応がここまで遅れなかったはず。その煽りを日本の政府も食らってしまったと言えます。でも、WHOだけではなく、国連関連のあらゆる組織に中国の息がかかっている状況になりつつあります。

佐々木 20年前は、中国の国連分担金は2~3%程度でした。一方で、日本はアメリカについで払っていたのです。ところが、今や中国は世界で2番目に分担金を支払っている国です。もちろん見返り目当てです。金を出すから、ポストも寄こせと。

岩田 ギブ・アンド・テイクというわけです。

佐々木 3月4日に特許や商標など知的財産保護を促進する国連の専門機関、世界知的所有権機関(WIPO)の事務局長を決める選挙がありました。そこでも中国出身の王彬穎氏が名乗りをあげた。

岩田 世界中で知財を盗んでいるお前が出るのかと(笑)。

佐々木 結局、アメリカが推すダレン・タンシンガポール特許庁長官が選ばれました。選挙前は王氏のリードが伝えられていましたけど、それも当然です。別に何をしても違法性は問われませんから、賄賂を握らせれば票を集めることができる。

岩田
 もし当選なんかしていたら、アメリカの貿易戦争が無に帰すところでした。

佐々木 ICPO(国際刑事警察機構)の前総裁は孟宏偉氏で、2年前に一時消息不明だった。ところが、後に中国当局に拘束・監禁されていたことが判明したのですが、これだっておかしな話です。国際的犯罪を取り締まるトップが、拘束されるなんてあり得ますか。中国のようなインチキ国家を国際基準に当てはめようとすると、さまざまなところで歪みが生じてしまう。

岩田 国際常識がむしろ通じません。

佐々木 日本はこれまで国連信奉が根強くあり、多国間協調という美辞麗句のもと、本来なら自国の国益を優先すべきなのに、これを自制する面が強い。WHOの呪縛によって対応が遅れてしまった。

岩田 ところで、初動対応が遅れたのは、中国のほうではありませんか。全体主義的な体制下にあるため、どうしても隠蔽体質になっている。下の責任は上に報告すると追及されるので、隠そうとする。隠しきれなくなってようやく上に事実が伝わるようになる。ところが、上も事実を知ったところで、自分たちが責任を被るのは嫌なので、下に責任を擦り付ける。それすらできなくなったら、つぎは他国へ責任転嫁を図る。日本や韓国の対応がまずいとか、欧米は反省すべきだと、盗っ人猛々しいにもほどがあります。さらにいえば、言論の自由がありませんので、個人、ジャーナリストが当局にとって都合の悪い「真実」を口にすることが許されません。これでは、事実に基づいた対応策がとれるはずがない。

佐々木 「武漢ウイルス」と言うなとも。

岩田 中国外務省の趙立堅報道官は「武漢市にウイルスを持ち込んだのは米軍かもしれない」「アメリカは透明性をもってデータを公開するべきだ」とツイートしました(3月12日)。その前日、国家安全保障問題を担当するオブライエン米大統領補佐官が「中国が初期対応の段階で情報を隠蔽し、世界的な対応が二カ月遅れた」と非難したので、反論した格好です。
 さらにこのツイートの翌日、別の報道官は、国際社会において新型肺炎の発生源については多様な意見が出ていると抗弁しています。中国は常に〝科学的かつ専門的な方法〟で対処すべきと考えていると。

佐々木 昨年10月、武漢で第7回世界軍人運動会が開催されました。そのとき米軍も参加しており、そこから持ち込まれたのではないかとも言っている。

岩田 でも、中国の言う「科学的」という言葉は、実にいかがわしい。ナチス・ドイツでは、ユダヤ人は劣った人種であることは、〝科学的に正しい〟とされていたし、カチンの森事件では、ナチスではなくソ連がポーランド人2万2000人を虐殺したのに、ソ連は「ナチスが実行したことは、科学的に立証された」と言い続けました。「科学」という言葉が体制派のために都合よく使われています。

佐々木 全体主義的な発想です。

岩田 中国も同じく「科学的にアメリカが持ち込んだものが原因だと立証された」と、強引に話を持っていく可能性が高い。そんなことを言われたら当然、アメリカも黙っていません。こうして新型コロナウイルス発生源論争が、終息した後も、延々と続くのではありませんか。

佐々木 中国の土俵に迂闊にのぼると、「ウソも100回言えば真実になる」ではありませんが、相手のペースに巻き込まれてしまいます。米国のポンぺオ国務長官が中国の外交トップ、楊潔篪(ようけっち)共産党政治局員に電話で厳重抗議したのも当然です。元警視庁通訳捜査官の坂東忠信氏によれば、中国人は常識外れの言い訳をするそうです。たとえば万引きで現行犯逮捕すると「モノが上から落ちてきて、私のカゴに入ってきた」とか。国家レベルでも「人災ではなく天災だ」と習近平が言っているほどですから(一同爆笑)。

岩田 ある人から聞いた話ですが、中国人留学生でも似たような話があったようです。前回の講義は明らかに出席していないので尋ねたところ、「返事をするのを忘れましたが、出席しています」と言う。「証拠はありますか」と聞くと、「ありませんが、私を疑うのですか」と、まさにああ言えばこう言う感じ。真面目に出席している学生との間で公平性を守るために本当に困っていると言っていました。

佐々木 さらに坂東氏の話によると、取り調べ室で中国人女性を追及していると、突然、死んだフリをするとか(一同爆笑)。体をくすぐってもピクリともしない。ほかの刑事数人と一緒に女性を病院に連れていったところ、日本人の看護師長が「死んだフリをしているだけよ。見ていなさい」と言って乳首をひねったら、「ギャー!」と叫び、ようやく動き出したそうです。

アメリカの大誤算

岩田 ここまで徹底されると、不思議な清々しさすら覚えます。

佐々木 報道官の場合、中国共産党の不利な情報を少しでも伝えたら、それこそ一族郎党が罰せられる可能性があります。自分たちの身を守るためには、なり振り構いません。

岩田 日本人は〝正々堂々〟を好みますが、中国的なやり方のほうが国際社会では常識と言えます。日本人も倣うべき点はありますが、一方で、日本社会全体がこの種の中国人のように振る舞う社会となったら殺伐とした社会になるだろうなとも思います。

佐々木 確かにそうですけど、中国は情報戦が巧みですからね。騙されてはいけません。しかも天安門事件すらなかったことにする国です。日本政府は1992年、当時の天皇陛下を政治利用する形で訪中させ、経済制裁を加えていた国際社会による中国包囲網に穴をあけてしまった。

岩田 その見返りが尖閣諸島の侵略行為です。

佐々木 中国公船と言いつつ、人民解放軍の傘下にあります。接続水域への侵入も、まさに軍事行動の一環です。恩を仇で返すとは、まさにこのことでしょう。

岩田 しかも習近平を国賓招待せよと言いながらも、尖閣諸島への挑発をくり返していました。

佐々木 豚コレラの蔓延だって日本は大きな被害を受けています。政府開発援助(ODA)で投資した3兆6000億円分を返してほしいくらいですよ。新型コロナウイルス騒動が、多くの日本人にとって、「チャイナリスク」を深く認識する大きなきっかけになると思います。

岩田 アメリカも中国に騙され続けてきたと言えます。中国を信じ続けてきた大きな理由の一つに、経済成長を遂げたならば、政治的自由を与えるようになり、普通の国家になるだろうという幻想です。こういった楽観論のもとに、中国の増長を看過してきた。
 でも、それは思い込みだったことがわかったのです。アメリカ人からしたら「自由・平等・民主主義」こそ最高の政治的理念であり、全世界はそこへ向かっていくと信じています。その最も大きな成功体験が日本だった。日本はかつて全体主義国家でありながら、アメリカの力で変貌を遂げたと妄想していた。

佐々木 それを中国にも適用できると思った。

岩田 それが大誤算でした。そもそも日本は明治維新や大正デモクラシーを経ており、政治体制にしても国会が存在し、言論の自由もありました。アメリカの恩恵によって民主主義国家が実現されたわけではありません。でも、アメリカ人は日本を成功体験とし、イラクやリビアでも同じようなことをくり返しています。

佐々木 伝統的な部族が支配する国家で、民主主義が実現できると本気で信じていた。

岩田 
ところが、アメリカの風向きが最近、変化したように思います。共和党・民主党を見ていると、中国に対して厳しい評価を下しています。チベット・ウイグルに対する残虐性が明らかになったことも、大きいかもしれませんが。

八方美人になるな

佐々木 対中貿易では、共和党よりも民主党のほうが強硬姿勢を示すこともあります。

岩田 アメリカの対中姿勢の変化に対して、日本はもっと敏感になる必要があります。米中両国と仲良くという方針は賢い振る舞いのように見えますが、東西冷戦時代、その論理で通ったかといったら、それは違います。アメリカともソ連とも仲良くなどという選択肢はあり得なかった。どちらの国を選ぶかと突きつけられたら、必ず「自由・平等・民主主義」の国、アメリカだと、軸足を明確にすべきです。

佐々木 一気に舵を切る必要はありませんが、八方美人でもいけない。日本の立ち位置はハッキリしています。日米同盟が基軸です。米中両国に媚びを売っている韓国のように、大きなリスクを背負うことになりかねません。日本の財界は中国に対して大きな期待を寄せ過ぎています。
 安全保障の面にしても、日本は現状どうしてもアメリカの核の傘が必要な状況にあります。一方で、中国も核を持ち、核ミサイルの波状攻撃に曝されている現実もある。仮に日中が安全保障条約を結んだとしましょう。その際に問われるべき点は、アメリカの核に対抗する意思があるのかどうか。アメリカに攻撃されたとき、果たして中国は身を挺してでも日本を守ってくれるのか。むしろ、ここぞとばかりに人民解放軍が進駐してくるのでは。

岩田 全体主義国家中国は信用に足る国家ではありません。

佐々木 もちろん理想を言えば、日米同盟を維持したまま日本が自主的に核武装することが望ましい。

岩田 日米安保が揺らぐだろうという意見がありますが、長距離弾道ミサイルを保持しなければ、アメリカ、とりわけトランプ大統領は納得するでしょう。

佐々木 中国にすり寄るということは、いわばアメリカと再び対峙する可能性があるということ。そこを日本人は熟慮する必要があります。しかも、中国の覇権下に身を置いたら、言論の自由なんて絶対にありませんよ。

岩田 中国は自由と民主主義に代わる理念を持っています。中国共産党による指導が素晴らしいという思想です。ところが、政治は全体主義でありながら、経済は自由主義を採択している。では、日本も同じような社会体制になりたいかと問われたら、断固として拒否するしかありません。

佐々木 しかも見せかけの市場経済ですから、貧富の格差は増大する一方です。このまま中国国民の間で怨嗟の声が高まれば、香港デモのようになりかねません。外出禁止令は、反政府デモを封じる効果も狙ったようにも思えます。

岩田 現状は力ずくで押さえています。でも、ウイルス対策にしても、国民の不平不満は高まっています。いつ暴発してもおかしくない。

国難来る

佐々木 今回の疫病蔓延はまさに日本の国難です。今から100年近く前の1924年、後藤新平(1857年~1929年)が東北帝国大学の学生を前に講演した記録『国難来』(藤原書店)を読むと、まさに今の時代と状況が同じなのです。

岩田 後藤新平と言えば、台湾の近代化に尽力、初代満鉄総裁や東京市長を務めた人物ですね。

佐々木 関東大震災(1923年)の後、日本は東京を中心に大きな危機を迎えていました。そんな時期に後藤は次のように述べています。
「平和の仮面をかぶって、ぢりぢり寄せ来る外患や、制度組織の美装にかくれ人情の弱点につけ込んで、徐々に国民の肉心をむしばむ内憂は、人これに気づかない故に備えず」
「あるいは気づいていながら、その現実を直視する勇気なきが故に、逆に自己の心をあざむき、一時しのぎの安易な瞬間の快楽に酔い、ついに国家と国民を破滅の底に陥れる」
 と。では、真に怖れるべきは、何かといったら、次の言葉です。
「国難を国難として気づかず、漫然と太平楽を歌っている国民的神経衰弱こそ、もっとも恐るべき国難である」

岩田 まさに至言です。

佐々木 神経衰弱になる理由は、目先の利益に目が眩むからです。商売相手で人格的に好感を持つ中国人を普遍化し、中国は素晴らしいと信じ込む。それこそが神経衰弱であり、国難に盲目となる理由です。

岩田 残念ながら、国際関係において日本人的性善説は間違っているばかりでなく、危険です。こんな危機的な状況であるにもかかわらず、日本のメディアの中には、信じられない発言をする人たちがいる。朝日の小滝ちひろ編集委員は「あっと言う間に世界中を席巻し、戦争でもないのに超大国の大統領が恐れ慄く。新コロナウイルスは、ある意味で痛快な存在かもしれない」(3月13日/原文ママ)とツイート、非難の声が殺到しました。これこそ〝朝日新聞の正体見たり〟ではありませんか。一般人の感覚とかけ離れていると言わざるを得ません。

佐々木 リベラルを自称する人に見られる傾向です。所属している社会を憎み、その不幸を嗤(わら)う。

岩田 さすがに朝日も謝罪を書いていました。アカデミズムの世界も完全に左派に侵蝕されています。一例をあげると、私の友人がある会合に参加したとき、「我が国は」と言ったそうです。そしたら、まわりから「〝我が国は〟なんて、右翼ですか?」と非難された。「この国」という言葉を使えということです。

佐々木 「吾輩は猫である」と語らせた夏目漱石も右翼なのかな。後藤は「この国難を救うものは、百の学問、千の経験よりも、一つの純真にあると信じる」と述べています。若い人たちへのメッセージですが、今でも十分通じます。日本人が得意とする一致団結で、政官民のみなで力を合わせて、この国難を乗り切りたいと思います。

岩田 温(いわた あつし)
1983年生まれ。大和大学専任講師。早稲田大学政治経済学部政治学科在学中に『日本人の歴史哲学』(展転社)を出版。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。著書は『平和の敵 偽りの立憲主義』(並木書房)、『「リベラル」という病 奇怪すぎる日本型反知性主義』(彩図社)など。最新刊は『偽善者の見破り方』(イースト・プレス)。

佐々木 類(ささき るい)
1964年、東京都生まれ。早稲田大学卒業後、産経新聞に入社。地下鉄サリン事件で特ダネ記者としてならす。その後、政治記者となり、首相官邸、自民党記者クラブのキャップを経て、政治部次長に。4年間のワシントン支局長の後、2018年10月より論説副委員長。論説委員時代には、読売テレビ「たかじんのそこまで言って委員会」に出演するなど、産経新聞屈指の論客として知られる。著書に『日本人はなぜこんなにも韓国人に甘いのか』(アイバス出版)、『静かなる日本侵略』(ハート出版)などがある。

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