緊急事態宣言解除から一か月以上が経ち、自称専門家の悲観的な予測にもかかわらず、新型コロナウイルスの感染者数・死亡者数・重症者数は減り続けている。

 しかし、コロナウイルス自体による被害が諸外国に比べ少なく済んだとは言え、その間にとられた経済抑制政策によるダメージは大きく、飲食や観光業界を中心に、経済環境の完全回復まで何年もかかるだろう。コロナ禍こそ「失われた2年」と呼ぶべきではないかと思う。

 ワクチン接種率が国民の8割近くとなり、国民の意識ではコロナは「未知のウイルス」から「インフルエンザみたいに身近にある程度あって当たり前のウイルス」に変化しつつある。経済活動も徐々に正常化を見込めるようになったが、安心するのにまだ早い。なぜならば、チャイナ発のコロナウイルスの次には「チャイナ資本」が着々と日本への攻勢を強めているからだ。
アフター・コロナにつけ込む "チャイナ資本" を防げ!

アフター・コロナにつけ込む "チャイナ資本" を防げ!

日本経済のこれ以上の悪化は致命的だ

日本の苦境につけ込むチャイナ資本

帝国データバンクによると、11月8日の時点でコロナ関連倒産は2336件が確認されている。

 業種で言えば、飲食店、食品卸、ホテル、食品製造、旅行業などの倒産の多さが目立っている。法的制限や要請が解除されてからその増加は緩やかになったが、「倒産の波を止める」では不十分で、危機が起きる前の状態に戻して初めて「コロナ禍を乗り越えた」と言える。

 観光業界の話をすると、2019年と比べて訪日外国人の数は95%以上減少した。だが、海外における日本の人気度は一ミリも下がっていない。よって、人類がウイルスに打ち勝った後、観光客が大量に戻ってくることを期待できる。問題は、そのインバウンドで誰が利益を取るかだ。
 日本政府はしばらくの間、観光業界(とそれと緊密の関係にある飲食業界等)を支えるべく、GoToとGo To Eatキャンペーンを実施していた。ところが、日本のビジネスを守るはずの政策は野党とマスメディアの批判によって中止に追い込まれた。そして生き残れなくなった日本企業やその企業が持っていた土地・資産が、中国人に安く買われる流れが現在できつつあるのだ(参考:産経新聞『大阪を狙う中国資本 コロナで「好機」新世界に50億円』)。

 正義感に溢れて繁華街をパトロールしていたコロナ警察、飲食店叩きに必死だったメディアや政治家、現実的な支援策を否定していた特定野党…知ってか知らずか、結果的に日本の街の中国化に加担していたわけである。もちろん、日本は法治国家であるため、合法的に購入された土地や事業は奪還できない。こうなると、経済が元の状態に戻っても、その果実を受け取るのは日本国民ではなく、外国人資本家となってしまう。長いスパンで考えるとこうした〝静かなる侵略〟はどんなパンデミックよりも危険だ。
アフター・コロナにつけ込む "チャイナ資本" を防げ!

アフター・コロナにつけ込む "チャイナ資本" を防げ!

飲食店・観光業を助けることが"チャイナの侵略"に対抗することでもある―

自分たちで経済を回せ!

 では、どうしたらこの〝侵略〟を最小限にとどめられるか?

 私たちはコロナが始まってから「新しい生活様式」という言葉をよく耳にするようになった。コロナ後の世界にはさらに私たち一人一人にある「心がけ」が必要になってくると私は考えている。それはなにかというと、しばからくの間、経済を回すことに全力を入れ、国内の事業主を守ること心がける生き方だ。

 話は少しそれるが、皆さんは一律給付金をどういう風に使ったのだろうか?私は、最後の1円まで全て飲食店で使わせていただいた。その話をすると「先が見えない危機なのにすぐに金を吞み潰すなんてバカだ」と批判をしてくる人もいるが、政府が2回目の一律給付金を否定した理由を思い出してほしい。麻生太郎氏(当時副総理兼財務相)は「10万円給付分だけ貯金が増えた」と給付の効果を疑問視したわけだ。つまり大半の人は給付金を貯めたせいで二度の支給してもらえなかったということ。

 また、政府の言い分も決しておかしい話ではない。政府は親でもチャリティー団体でもないし、全能の神でもない。限られた財源の中で、なるべく個人の自由を制限せずに、いかにしてより多くの人を救済できるか考えるのは政府の仕事で、社会全体を見ているもの。全てを政府に丸投げするのは社会主義独裁の始まりでもある。まずは私たち自身が一方的に権力者に対策を求めるのではなく、自分は具体的に何ができるか、どう行動したら自分や周りの人の状況が改善するかと考え、まず自助・共助の精神で行動を起こすことこそ、責任ある社会人として当たり前の態度ではないだろうか。
アフター・コロナにつけ込む "チャイナ資本" を防げ!

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街ににぎやかさを取り戻すことが大切だ
 単純な話だが経済活動する人は皆つながっており、自分がどこかで使ったお金は回りまわって自分に戻ってくることを常に意識しなければならない。慎重さや倹約傾向は日本人の美徳であると思うが、いまは少しでも消費を増やすことが困っている業界への支援や倒産寸前にある業者を救うこととなり、結果的に中国資本の侵食を止められる。さらには経済「回復」だけでなく、それ以上の経済「成長」を成し遂げることも可能になるだろう。

 さらに言うと、そろそろ過剰な自粛習慣を捨てなければ、デフレと経済低迷はなくならない。(もちろん自粛をやめるのと、マスク着用・消毒・手洗い・うがい・検温などの感染対策をやめるのと全く別のことなので、誤解しないでいただきたい)。
 ただし、これまでの経済抑制政策と残る国民の恐怖により、消費を増やそうにもできない人がいる事実は否定できない。だからコロナが収まった今こそ、政府による大規模な投資が必要な時だ。まずは消費税を一時的に5%まで下げること。それで富裕層は「今すぐ金使わないと損」だと気づき消費ブームが起こるし、生活困難者は使える金が単純に5%増えて救済措置にもなる。

 第二に、全国民に有効期限が定められた金券・紙幣(もしくはポイント)を配布することだ。1年半前は不安でしかなかった国民感情も変化しつつあるので、貯蓄に回さずしっかりと全額を使ってくれる人も増え、前回と比べて数倍以上の効果を見込めるだろう。そして一刻も早く地方に活気を戻すGoToを再開することだ。一度経済のエンジンをかけたら、今後は政府の直接的な支援なしでも稼働し続ける。

 ラテン語には「Non progredi est regredi」(前進せぬは後退なり)という諺がある。私たちはとても長い期間、ゼロコロナやwithコロナばかりを前提とする思考パターンを強いられてきて、前に進むことできなかった。だがコロナウイルスに続くさらなる中国の害を防ぐためにも、勇気をもって次の一歩に踏み出すべきではないだろうか。
ナザレンコ・アンドリー
1995年、ウクライナ東部のハリコフ市生まれ。ハリコフ・ラヂオ・エンジニアリング高等専門学校の「コンピューター・システムとネットワーク・メンテナンス学部」で準学士学位取得。2013年11月~14年2月、首都キエフと出身地のハリコフ市で、「新欧米側学生集団による国民運動に参加。2014年3~7月、家族とともにウクライナ軍をサポートするためのボランティア活動に参加。同年8月に来日。日本語学校を経て、大学で経営学を学ぶ。現在は政治評論家、外交評論家として活躍中。ウクライナ語、ロシア語のほか英語と日本語にも堪能。著書に『自由を守る戦い―日本よ、ウクライナの轍を踏むな!』(明成社)がある。

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