随分前の話になるが、新党さきがけの議員の秘書に「枝野さんは小沢一郎が大嫌いだから、新進党に行かずに新党さきがけに参加した」と教えてもらったことがある。だから違和感ありまくりだ。何のことかというと、8月13日午後3時半から開かれた立憲民主党の枝野幸男代表、福山哲郎幹事長と国民民主党の小沢一郎衆議院議員の会談のこと。なお、小沢氏には国民民主党の役職はない。
この3者会談の前に立憲民主党の両院議員懇談会が開かれ、綱領案や規約案などが提示されている。会場からは「あれも入れたらいい」とか「このように修正したらいい」などと意見が出たらしいが、執行部側は「国民民主党側と微妙な調整でつくったものなので、少しでも加筆訂正すれば合流はオジャンになる」と断固拒否。一応は“平穏”に終了した。
この日の立憲民主党の日程は多忙で、午後4時から全国幹事会・総支部長会議、地方自治体議員会議のオンライン会議と予定が続いていたので、その合間に入れられた3者会談は20分程度。深い議論が行われるはずもなく、「綱領案などについて立憲民主党内で合意していることを国民民主党も了解している」ということを示すための単なるセレモニーに過ぎなかった。
それにしても参加者が立憲民主党側が枝野代表と福山幹事長で党のナンバーワンとナンバーツーなのに、その向かいに座っているのが国民民主党では無役の小沢氏とその側近の川島智太郎元衆議院議員と、いかにもバランスが悪すぎる。「本当は両党が合意したという格好だけ付けることができれば、後はどうでもいいと思っているんでしょ」と突っ込みを入れたくなったほどだ。
しかも、会談後にぶら下がりに応じた小沢氏が「選挙をやったら、絶対勝つよ。次の選挙の後は我々の政権だよ」と述べたのだから、しびれるではないか、決して良い意味ではないけれど。
もっとも年をとると最近のことは忘れ、昔のことほど鮮やかに記憶しているというから、この人の頭は10年ほど前で止まっているかもしれない。仮に新党が枝野代表が率いる「新立憲民主党」となったとして、果たして自民党を議席で上回ることができるのか。自民党幹事長時代には財界から意のままにカネを引っ張り、自分よりも政治キャリアの長い総理大臣候補をも呼びつけるなど、絶大な権力を持っていた人だったのになあと思うと、この現状はひときわ感慨深い。
さらにいえば、冒頭で述べた元さきがけ議員秘書の言葉が本当だとすれば、それから4半世紀たって小沢氏を利用するようにまでなった枝野氏は、随分“大人”になったということになる。大人になるとロクなことがないというのは、あながち間違いではないようだ。
この3者会談の前に立憲民主党の両院議員懇談会が開かれ、綱領案や規約案などが提示されている。会場からは「あれも入れたらいい」とか「このように修正したらいい」などと意見が出たらしいが、執行部側は「国民民主党側と微妙な調整でつくったものなので、少しでも加筆訂正すれば合流はオジャンになる」と断固拒否。一応は“平穏”に終了した。
この日の立憲民主党の日程は多忙で、午後4時から全国幹事会・総支部長会議、地方自治体議員会議のオンライン会議と予定が続いていたので、その合間に入れられた3者会談は20分程度。深い議論が行われるはずもなく、「綱領案などについて立憲民主党内で合意していることを国民民主党も了解している」ということを示すための単なるセレモニーに過ぎなかった。
それにしても参加者が立憲民主党側が枝野代表と福山幹事長で党のナンバーワンとナンバーツーなのに、その向かいに座っているのが国民民主党では無役の小沢氏とその側近の川島智太郎元衆議院議員と、いかにもバランスが悪すぎる。「本当は両党が合意したという格好だけ付けることができれば、後はどうでもいいと思っているんでしょ」と突っ込みを入れたくなったほどだ。
しかも、会談後にぶら下がりに応じた小沢氏が「選挙をやったら、絶対勝つよ。次の選挙の後は我々の政権だよ」と述べたのだから、しびれるではないか、決して良い意味ではないけれど。
もっとも年をとると最近のことは忘れ、昔のことほど鮮やかに記憶しているというから、この人の頭は10年ほど前で止まっているかもしれない。仮に新党が枝野代表が率いる「新立憲民主党」となったとして、果たして自民党を議席で上回ることができるのか。自民党幹事長時代には財界から意のままにカネを引っ張り、自分よりも政治キャリアの長い総理大臣候補をも呼びつけるなど、絶大な権力を持っていた人だったのになあと思うと、この現状はひときわ感慨深い。
さらにいえば、冒頭で述べた元さきがけ議員秘書の言葉が本当だとすれば、それから4半世紀たって小沢氏を利用するようにまでなった枝野氏は、随分“大人”になったということになる。大人になるとロクなことがないというのは、あながち間違いではないようだ。
兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。
1994年、国会議員政策担当秘書資格試験合格。参議院議員の政策担当秘書として勤務の後、執筆活動を開始。夕刊フジ、Yahoo!ニュースなど多くの媒体で精力的に記事を執筆している。