情報発信に切り込め!

 日本を再興させるために恐らく最も必要なことは、情報空間の歪(ゆが)みを正すことであろう。どれほど立派な国防政策を考えようが、経済政策を立案しようが、情報空間の歪みが大きすぎては、日本のような民主主義国家において、それを実現することはできない。

 情報空間の歪みを正すには、政府が情報発信を抜本的に強化することが効果的だ。モリカケ騒動にせよ、検察庁法改正問題にせよ、歪んだメディアの報道と対決するような情報発信を、政府は事実上行ってこなかった。ここに切り込みを入れるのだ。

 具体的には、政府自らがインターネット放送局を開設し、ワイドショー的なわかりやすさでそれぞれの問題を説明する動画番組をつくるようにする。単に記者会見の模様などを録画してそのままアップするのではなく、わかりやすさとエンタメ性を兼ね備えた番組をしっかりとつくり上げるのだ。まさにテレビ局が番組をつくるのと同じような編集を行い、しっかりとした作品に仕上げる。
 そして、そういう番組を政府サイトの中だけに留めるのではなく、YouTubeやニコニコ動画などにも積極的にアップする。

 番組の中では、歪んだ報道について揶揄(やゆ)するような挑発的な描写もあえて入れてみる。
 例えば、
「▲▲だという疑惑が一部のマスコミによって投げかけられています。●●テレビの□□という番組でも行われていましたし、◯◯テレビの■■という番組でも行われていました。こうした報道は、政府は△△だと述べていることについて、なぜか無視しています。こういうマスコミ報道に政府は疑念を抱いています」
 くらいの表現があってもいいだろう。

 政府がこういう表現を使えば、既存マスコミは「報道の自由・表現の自由への侵害だ」などと大騒ぎするだろうが、
「事実を正確に報道しないで、勝手に疑惑を煽り立てるのが、報道の自由・表現の自由なんですか?」
「政府側の見解を国民がしっかりと理解した上で、それに疑念を感じるところがあるならば、そこを批判すればいいではないですか。今までよりもより高いレベルで議論されるなら、国民にとっても利益が大きいのではないですか?」
 と切り返せばいい。

 実際こうした番組は、政府の正しさを国民に押し付けるものではない。
 また、政府見解と同じ見解をマスコミに求めているわけではない。
 政府広報を正しく認識した上で、それに対して正当な批判を加えていくことをマスコミに求めるだけである。政府見解の一部を恣意的に切り取る形で、これまでマスコミは偏向報道を続けてきたが、それがやりにくくなるだけのことで、健全な言論のレベルは引き上げられる。

 記者会見などで政府側に対する質問がなされる場合も、くだらない質問については「その件については政府の広報番組を御覧ください」のひと言で、却下(きゃっか)すればいいだろう。

政府広報Ch=「費用対効果」は抜群

 こうした政府の広報番組がツイッターやフェイスブックで共有され、拡散されるようになれば、既存マスコミの偏向ぶりはどんどん明らかになっていく。そしてマスコミ側でも報道姿勢を変えざるを得なくなるだろう。
 従来どおりの偏向報道を続ければ、あまりにもあからさますぎて、さすがに国民からも見捨てられていくことになるからだ。

 こうなると、マスコミと結託して中身のない政府批判ばかりしてきた野党も、立ち位置を変えざるを得なくなる。モリカケのようなでっち上げられたスキャンダルで政府を追及することが難しくなるからだ。

 さて、政府がこれに必要な費用はいくら必要になるのだろうか。1番組をつくるのに100万円かかり、毎日1番組ずつつくるとしても、年間で3億6500万円しかかからない。費用対効果は抜群だろう。

 政府自らがインターネット放送局を開設すれば、日本の情報空間の歪みは大きく改めることができる。今すぐにでも着手してもらいたい。
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朝香 豊(アサカ ユタカ)
1964年、愛知県出身。私立東海中学、東海高校を経て、早稲田大学法学部卒。
日本のバブル崩壊とサブプライム危機・リーマンショックを事前に予測、的中させた。
現在は世界に誇れる日本を後の世代に引き渡すために、日本再興計画を立案する「日本再興プランナー」として活動。
日本国内であまり紹介されていないニュースの紹介&分析で評価の高いブログ・「日本再興ニュース」( https://nippon-saikou.com )の運営を中心に、各種SNSからも情報発信を行っている。
近著に『左翼を心の底から懺悔させる本』(取り扱いはアマゾンのみ)。

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