アンジャッシュ渡部クンに説く「銀座の粋」

アンジャッシュ渡部クンに説く「銀座の粋」

見返りを求めない

竹内 はじめまして。本日は楽しみに来ました。

白坂 こちらこそ! よろしくお願いします。

竹内 白坂さんは、銀座クラブ「稲葉」のオーナーママでありつつ、政治的な発言も精力的でいらっしゃる。ケント・ギルバートさんとの共著を読みました。一番感動したのは、白坂さんが旦那様選びをするくだり。お堅い商社、N産業のお客様3名に「いい方はいませんか。いたら、ぜひご紹介ください」──そしたら、3人とも同じ方を指名した。すごいことです!

白坂 商社の男性は海外赴任を見越して、25歳くらいで結婚します。私の夫は30歳になっても独身を貫いていた。まわりから冷やかされました(笑)。

竹内 3人のお客様は白坂さんの大ファンで、ママには絶対に幸せになってほしくて、その男性を選んだ。一種のお見合いですね。

白坂 夫も私の仕事を尊重して、海外赴任はやめてくれと会社に言っていました。ようやく転任した先が大阪(笑)。子育ても率先してやってくれました。

竹内 元祖イクメンですね。やはりお客様に紹介してもらって大正解です。会社のフォローまであるわけですから。

白坂 ケントさんとの対談本は、500人以上のお客様に送りましたが、95%の方が「今まで教えられてきたこととは正反対のことが書いてあってびっくりした」と。私は子供の頃、先生たちが「日本人はダメだ」とか「悪いことをしてきた」と教えることに、いつも疑問を覚えていました。両親に尋ねると、「それは先生のほうが間違っている。先生の言うことだからといって鵜呑みにするな」と教えてくれたんです。大学から上京しましたが、いろいろな人たちから話を聞いたり、ネットで情報を得られるようになって、より多角的な物の見方ができるようになりました。

竹内 ただ、深入りはしなかった。

白坂 政治の世界にそれほど興味がありませんでした。でも、年を重ねるに従い、この日本のために何かできることはないか、という思いが強くなった。
 銀座という街は、日本人の精神性を引き継いでいるところが多分にあります。男性の場合であれば、痩せ我慢の美学、人格磨き、そして、何より〝粋〟であること……。女性の場合は、本当のおもてなし、心配り、気遣い。こういった話を講演会ですると、多くの方から「日本人に生まれて本当に良かった」という感想をいただきます。バブル崩壊後、どんどん自信が失われていく日本を見ながら、日本人が根本的に元気にならないと、この国は復活できないと感じます。

竹内 〝粋〟とは具体的にどういうことですか。

白坂 見返りを求めないことかな(笑)。江戸時代の教えに「他人様のために尽くせる人が粋で、自分のことしか考えないのは野暮」というのがあります。お金に物を言わせるような態度は、江戸時代でもバカにされた。遊郭のような場所だとしても、損得抜きで人のために何かできる人間的な器の大きさに、昔の日本人は粋を見ていたと思います。作家の渡辺淳一先生は粋な遊び方ができる方でした。銀座のクラブで「最もモテる男」として有名で、あるとき、その秘訣は何かと聞いたら、「女性を口説かないことだ」と(笑)。
 夜、飲食しても「楽しかった」と言いつつ、何もせずに送る。それが続くと、女性は徐々に警戒心を解いて、「あの人とまた飲みに行きたいな」と思うようになる。そこから始まります。最初から警戒されたら、何も始められない。こういう話をお客様にすると「口説かないなんて我慢できない……」と(笑)。

竹内 動物の世界では、待つタイプなんてほとんど存在しません。鳥類でもオスのほうが羽はキレイなのが多く、唄うようにさえずったり、時にはダンスをして求愛します。
 ところが、シギ・チドリの仲間は逆転しています。メスがキレイで、オスが地味。なぜかというと、メスが卵を産むと、その卵をオスに預け、オスがそのまま抱卵とその後の世話をする。役割が逆転しているのです。オスはそこまで負担が大きいとなると、どんなメスでもいいというわけにはいかず、慎重にメスを選びます。だから、メスの中には一生繁殖できないケースもあり、普通の鳥のオスのようにあぶれるメスも現れるわけです。そしてメスはオスに選ばれるために、自分がいかに優れているかを、羽の色などでアピールする。

白坂 オスが子育てするって面白いですね。人間もそうだったらいいのに(笑)。

竹内 白坂さんのご家庭こそ、そうではありませんか。

白坂 確かに(笑)。とにかくいきなり口説くのはダメです。たとえば、「高級フランス料理をご馳走したんだから、俺と付き合え」と強引に迫るのは、まったくの野暮。ましてや初デートですぐホテルに行こうものなら、一度のデートで終わりです。

これはモテる

竹内 アンジャッシュ渡部建さんの複数の女性との不倫騒動は、まさにその野暮の典型。実は、一度だけ佐々木希さんと結婚する前の渡部さんにお目にかかったことがある。ラジオ番組がきっかけで、場所は〝あの〟六本木ヒルズ。渡部さんを一目見たとき、「これはモテる」と思いました。

白坂 それはどうして?

竹内 渡部さんはイケメンすぎず、適度にハンサム。しかもさわやかで、若々しく、ごく普通の家庭で伸び伸びと育ったと思わせる好青年感が漂っていました。超イケメンが相手だと、女性は「口には出さずとも、自分のことをブスだと思っているだろうな」と思って腰が引けてしまう。渡部さんくらいだと「私でも受け入れてくれそう」と思わせる雰囲気がある。「モテすぎて結婚していないのも仕方がないな」と。
 ところが、今回の渡部さんのやり方は彼のイメージとは正反対。ある女性を、六本木ヒルズの多目的トイレに呼び出し、3分で事を済ませる。それで1万円を払ってお終い。

白坂 そういう性癖なのかな。

竹内 背徳的なことをすることで快感を得ているのか、それとも、ただのケチなのか。

白坂 お金を払ったということは、単なるケチかも。昔、宇野宗佑元首相が神楽坂の芸者を口説いた際、3本指を出し、ケチで話題になりました。

竹内 その意味は30万円(笑)。

白坂 3000万円じゃなくてね(笑)。

竹内 渡部さんほど稼いでいるなら1万円は安すぎですよ(笑)。しかも場所は多目的トイレ。広いから選んだのでしょうが、本来そこを必要としている人がいるわけですから、普通のトイレより質が悪い。雰囲気のあるホテルでゆったり過ごし、行為の後に「このお金で何か買ったら」と、ある程度の金額を渡すのであれば、まだ理解できます。

白坂 ちゃんとした金額をもらっていたら、女性のほうからリークすることはなかったでしょうね。「私の価値ってそんなものなの?」となると、そこから信頼関係も崩れていく。男女間でケチったら、必ずしっぺ返しが来ますよ。銀座で粋な男性は別れ方もキレイです。マンションや家を買ってあげたり、現金を渡す。また、客として一所懸命通えば、相手の売り上げにもつながる。

竹内 そうやって間接的にお金を渡すと。

白坂 ただ、こういった別れ方にしても、教えてくれる世界が少なくなっています。芸能人も銀座に足を運ばなくなって久しいですからね。

竹内久美子さん出演の『WiLL増刊号』
モテる男は〇〇が違う!

鈍い男、鋭い女

竹内 ただ女性側にも疑問があります。30回もそういう不倫関係が続いたそうですが、よくぞそこまで我慢したなと。多目的トイレにしょっぱなから呼ばれたら、「あれ、おかしくない?」と思うのが普通でしょう。そんな矢先、文春を読んで疑問が一つ氷解しました。どうやら、その女性は渡部さんが好きというよりも、奥さんの希さんの大ファンだった。

白坂 ええっ!?

竹内 夫の渡部さんを通じて、あこがれの希さんに近づきたいという心理が働いていたかもしれません。

白坂 ずいぶん捻じれていますね。

竹内 渡部さんのほうが好きだったら、すぐに文句を言ったでしょうね。もう一つ不思議なのは、渡部さんはさんざん女性遊びをしているのにもかかわらず、希さんにはバレていないと言う。でも、女性は勘がいいので夫が不倫していたら、すぐに気づくものですよ。

白坂 おっしゃる通り、女性は男性のちょっとした変化を敏感に察知します。一例ですが、浮気相手と定期的にゴルフに行っている男性がいました。ゴルフは朝が早いので、自分で準備をします。その様子がベッドにいる奥さんの耳に入ってきたのですが、いつもは黙々として出かけるのに、鼻歌まじりの日があることに気がついた。「鼻歌なんて珍しい」と疑問に思っていたら、そういった日が何日も続いていることがわかってきた。ある時、ゴルフのカードを見ると、鼻歌のときは必ず、ある女性がメンバーに入っていました。それで不倫が発覚したのです。
 ほかにも、不倫相手とのデートのときは、必ず同じ色のネクタイをつける男性もいました。「この色のネクタイのときは朝帰りするな」とか。「あれ?」と思ったら、スマホをチェックしたり、調査に入る(笑)。でも、男性はその点、鈍いですよね。

竹内 それも理由があります。女性は一度妊娠すると、出産、授乳と、次に子供をつくるまでの期間は年単位になる。男性は一度射精すれば、極端な話、次のチャンスにすぐ巡り合えます。女性のほうは、そういう意味で厳密に相手を選ぶ必要がある。それに対して、男性のほうは厳密に相手を選ぶよりも、女性さえ受け入れてくれるなら、どんどん性行為をするほうがいい。相手の質にこだわる必要はありません。こだわると繁殖のチャンスを失いがちになるからです。
 かつて「違いのわかる男」というフレーズが流行りましたが、違いがわからないほうが、自分の遺伝子を残しやすい。えり好みをせず、ストライクゾーンが広いほうが、繁殖行為に励めます。だから、基本的に男性は鈍いし、鈍いほうがいいのです。

白坂 女性のほうが相手を慎重に選ぶから、気づきやすい面もあるわけですね。希さんが気づかなかったのは、渡部さんが結婚前から浮気していたためなのかな。

竹内 それもあるかもしれませんが、そこまで鈍いとは思えない。わざと気づかないフリをしていたのかも。

白坂 つまり、しっかりとした大人で、多少の不倫は見て見ぬフリをしていたのかもしれません。でも、許せるかな。

竹内 希さんがここで怒りを示したら、離婚になり、キャリアに傷がつく。ここはグッとこらえて、まわりをなだめるようにしている。そうすれば、いずれ渡部さんの復帰も可能でしょうから。

白坂 それは賢い。

竹内 そもそも「不倫」という言葉自体がおかしい。単なる「浮気」に「倫理に反する」という価値観を導入しているのは、人間だけですよ。生物の二大テーマは「生存」と「繁殖」。だから、生物は常に優れた遺伝子を求めている。そうしなければ、先細りになることは目に見えていますから。

白坂 つまり?

竹内 免疫力が高いか、そうではないかが重要です。これまで免疫力と言うと、キョトンとされることが多かったのですが、今回のコロナ禍で皆さんかなり実感できるようになったという手ごたえを感じています。いくらお金や地位があっても、特に今回のような未知の疫病に関して、免疫力が高くなければ生き延びることができない。生存に免疫力が関係していることはもちろんですが、「繁殖」のときも、その決め手となるのは免疫力の高さです。免疫力がどこまで強いか、によります。

裏声の秘密

白坂 免疫力が強い人間はどうやって見抜くのですか。

竹内 特に男性の場合ですが、ルックスの良さ、声の良さ、スポーツができる、音楽の才能がある……。女性が嬌声を上げるような男性こそ、免疫力が高いという研究結果があります。だから、女性はそういう男性に近づいて子供をつくろうとする。そうすると、高い免疫力を持った遺伝子が継承されていきますから。

白坂 芸能人が人気なのは当然なんですね。

竹内 はい。夫がいる女性でも「この人は素敵だな、ダンナよりも質がいいな」と思う人が現れたら、浮気をして遺伝子を取り入れます。生まれた子供は、結婚している夫に育てさせる。これが女の最大の戦略です。「浮気はダメ」「倫理に反する行為だ」と四角四面に批判するのではなく、生物は、そういう行為をしなければ、自分の遺伝子を将来、効率よく残すことはできないということです。
 ただ、夫がいる女性が浮気をする場合、夫を騙して「あなたの子供よ」と言って育てさせることになる。これは夫からすると大損害です。その一方で、浮気相手の男性には損害がまったく発生しません。そういう不均衡があるので、男性より女性の浮気のほうが罪深いと言えます。

白坂 かつて歌を習っていた先生から聞いた話ですけど、裏声は、そもそも男性を惹きつける声なんだとか。だから、水商売の女性は低いトーンでしゃべるよりも、やや裏声気味で話すと、男性の食いつきがいいと言われました(笑)。
 女性もさまざまな男性の遺伝子が欲しいので、性行為中、裏声で喘ぎ声を出す。そうすると、さまざまな男性が寄ってくる。行為が終わった後も別の男性と性行為をし、遺伝子をシャッフルさせ、それで一番いい遺伝子をもらうというわけです。この話は『「裏声」のエロス』(高牧康著/集英社新書)という本に書いてあり、ニホンザルなどの研究からわかったそうです。

竹内 いや、実はそれ、私が独自に考えても同じ結論に至ったんです。精子競争をさせる。男性ホルモンのテストステロンのレベルが高ければ、その分、声が低い。女性も、年齢を重ねると声が低くなりますが、それはホルモンバランスが変わるため。だから、声が高い=若い。若いということは、妊娠しやすい、子供を産めるという信号でもある。

白坂 科学的にも証明されているんですね。ミツバチを飼育しているのでよくわかりますが、精子競争をします。オスたちは働きません。働くのはメスで、女王蜂が飛び立つと、オスたちは女王蜂を追いかけていく。追いついたら、女王は飛びながら何匹ものオスと交尾します。無事に事を果たすと、オスたちはその場で墜落死する。女王蜂は精子競争をさせて、いい遺伝子をもらい、卵をたくさん産む。交尾できなかったオスは用なしということで、新しい巣穴に入ることができません。つまり、ミツバチのオスの末路は即死か、野垂れ死にするか──(笑)。遺伝子をつなぐことは、それだけ厳しい世界なんだと実感します。人間界も、本能的に常にいい遺伝子を欲するのであれば、浮気するのも仕方がない。

竹内 ただ、たいていの女性はみなが羨むようなとびきりいい男と結婚できるわけではありません。「この程度でいいか」というところで手を打ち、そこで結婚する。2人ほど産んだところで、急に浮気する確率が高まります。そこでこっそりいい遺伝子を取り入れて、夫を騙して育てさせる。最初から浮気をしない理由は、2人の子供という既成事実ができれば、別に新たな子供が交じっても、男性側は受け入れるしかないとわかっているから。女性の性欲が一番高まるのは、30代後半から40代にかけてです。

白坂 びっくりするくらい高まりますよねえ(苦笑)。女性から相談を受けることも多いのですが、40代になって性欲が高ぶっている話をよく聞きます。友人から久方ぶりに連絡が入って会うと、だいたい浮気相手付きですね。

竹内 男性の性欲とは、ちょっと質が違うようです。男は10代後半から20代前半にかけてテストステロンのレベルがピークに達します。このテストステロンは女性にもありますが、男性ホルモンの代表格で、性欲もテストステロンのレベルと連動するので、性欲のピークもこの時期にあります。そして、あとはテストステロンのレベルも性欲も、なだらかに落ちていきます。
 女性の性欲も女性ホルモンの代表格であるエストラジオールのレベルが高いため、テストステロンは影を潜めます。しかし30代後半から40代にかけては、相対的にエストラジオールのレベルが低くなり、テストステロンのレベルが高まる。それで、性欲も亢進されるというわけです。同時に声も低くなる。

白坂 そういった女性たちは恋愛を楽しんでいるように見えます。みな若く、華やいでいる。

銀座のルール

竹内 銀座でも仕事ができる男性は、やっぱりモテますよね。

白坂 成功する男性の多くは、ギラギラとした野性味があります。ただ、ギラギラが強すぎると、むしろダメになりやすい。内面からあふれ出る力強さや野心が大事です。それも嫌らしくないほうがいい。当然、社交的であって、幅広く人付き合いができないと出世しづらい。お店に来れば、人望があるかどうか、すぐにわかります。仕事熱心ですし、メールのやり取りでも反応が早く、中身も端的です。メールが長い人は出世しません(笑)。

竹内 要点を押さえるのがうまい。

白坂 相手が何を求めているのか、どういう返事を欲しているのか、瞬時に察知できる。面白いのですが、お店に来て、女性を間に挟んでいろいろ会話をすると、いいアイデアも浮かびやすいようです。まわりの女性も男性をうまく乗せる。「素敵」「すごい」と褒められると、それが男性にとって刺激になるようです。

竹内 男性はおだてれば、何でもする生き物ですから。

白坂 褒められるために、高い料金を払っているなと思うこともあります。中には叱ってほしい人もいますけど(笑)。

竹内 本来なら奥さんが褒めるべきです。

白坂 女性だけの講演会で「ご主人をたくさん褒めてくださいね」と言います。私たちは仕事上、褒めて男性を出世させる必要があります。そうすると元気になって、より稼ぐようになる。そしたら、お店にまた来てくれます。お互い様の世界なんですよ。

竹内 至極納得です(笑)。

白坂 もちろん褒めるにしてもツボを押さえていないとダメ。むやみやたらに褒めるだけだと、相手も勘づいて冷めてしまう。

竹内 今は夫婦が対等で、同列という考え方が強くなっています。「男尊女卑」と言いますけど、その本質を見る必要があります。女性が男性を褒め、おだてて、乗せる。それで仕事が順風満帆になればいいではありませんか。実際に裏で実権を握っているのは、女性のほう。鹿児島の方もそう話していました。女性が家の財布の紐を握っている。要するに役割分担なのです。

白坂 重いものを運ぶときも、私だったら男性に「重いから持って」とお願いします。運び終わったら「ありがとう。お疲れ様」と言って、冷たいお茶を出す。でも、今の若い人たちは、女性も平等だからと重い荷物を自分で運びます。それで疲れ果てて、「わたし、こんなに頑張っているのに」と評価されないことを不満に思う。本末転倒です。女性は口がうまいのだから、男性にうまく甘えればいい。

竹内 欧米のフェミニズムの影響が大きいのでしょうけど、日本は「平等」という言葉の意味をはき違えたまま、戦後75年を過ごしてきたような気がします。

白坂 男性を褒める文化が銀座には残っているので、今も多くの人が足を運ぶんでしょう。ただ、ルックスがよく、野心的な男性はやっぱりライバルが多い。だから、別の男性にターゲットを絞り、次につなげることを考えたりします。

竹内 お客様として、そういう穴場的な方を選ぶということですね。そこは戦略的でいらっしゃる。

白坂 女性の場合、やはり若くてキレイな子がモテます。お店に1人キレイな子が入ると、店内がざわつくこともある。ただ、銀座には暗黙のルールがあります。お店の女の子と付き合いたいと思っても、直接、連絡を取り合うことはNG。このお客様はこのホステスが担当と決まっているので、担当以外のホステスと連絡を取り合ってはいけません。だから、人目を惹く女性が入店したときは要注意です。男性側も同じですけど。

竹内 ルール違反をすれば……。

白坂 銀座で生きていけなくなります。銀座も1つの村社会となんら変わりません。

竹内 そういう点では、京都・祇園とよく似ています。

白坂 男女の世界ですから、秩序を保つための知恵とも言えます。

竹内 渡部さんは、そういう銀座に来て〝粋〟を学んでほしい。もっと素敵な遊び方ができるのに(笑)。
竹内 久美子(たけうち くみこ)
1956年、愛知県生まれ。1979年、京都大学理学部卒。同大学大学院博士課程にて動物行動学を専攻する。92年、『そんなバカな! 遺伝子と神について』(文春文庫)で第8回講談社出版文化賞「科学出版賞」受賞。ほかに、『フレディ・マーキュリーの恋』(文春新書)、『悪のいきもの図鑑』(平凡社)など多数。共著に『「浮気」を「不倫」と呼ぶな』(川村二郎氏との共著/ワック)がある。

白坂 亜紀(しらさか あき)
大分県竹田市生まれ。早稲田大学第一文学部入学後、日本橋の老舗クラブにて勤務、女子大生ママとなる。1996年、銀座にクラブ2店舗を開店。2007年、GSK(一般社団法人銀座社交料飲協会)理事になり、現在は副会長。11年、京都造形芸術大学東京学舎において、「銀座のママに学ぶ、人間力、女子力、ビジネス力」のテーマで講座を持つ。13年、志高い女性の会「銀座なでしこ会」を発足。15年、銀座料理飲食業組合連合会理事、大分県竹田市東京事務所所長、16年、銀座ミツバチプロジェクト理事に就任。店舗経営のほか、講演会、テレビ・ラジオ出演、新聞・雑誌への寄稿など、精力的に活動中。

関連する記事

関連するキーワード

投稿者

この記事へのコメント

コメントはまだありません

コメントを書く