辻元清美氏を全面支援
《こんな良い政治家をなぜ選挙で落とすのか。敢えて言う。有権者がアホなんや。》
文科省のトップだった前川喜平氏が、1月31日に投稿したツイートだ。前川氏は「前川喜平(右傾化を深く憂慮する一市民)」という名義で、かなりの頻度でツイートしている。
このツイートにはYouTubeへのリンクが貼られている。リンク先は「清美チャンネル」という辻元清美氏のチャンネルで、「1月31日11: 30辻元清美報告会」というタイトルがついており、辻元氏が今後の政治活動を報告した動画だ。
立憲民主党の辻元清美氏はこの報告会で今年おこなわれる参議院議員選挙への立候補を明言した。
これまで無敵の強さを誇った辻元氏も、大阪における維新旋風に巻き込まれて、昨年の衆議院議員選挙では大阪10区で落選、比例でもはじかれてしまった。前川氏にはそれが残念でならないのだろう。
「アホなんや」は前川氏が奈良県出身だからというのもあるだろうが、辻元氏の口調を真似したかったというのもあるのかもしれない。だとしたら、前川氏にとって辻元氏がよほど心情的に近い政治家であることがうかがえる。
文科省のトップだった前川喜平氏が、1月31日に投稿したツイートだ。前川氏は「前川喜平(右傾化を深く憂慮する一市民)」という名義で、かなりの頻度でツイートしている。
このツイートにはYouTubeへのリンクが貼られている。リンク先は「清美チャンネル」という辻元清美氏のチャンネルで、「1月31日11: 30辻元清美報告会」というタイトルがついており、辻元氏が今後の政治活動を報告した動画だ。
立憲民主党の辻元清美氏はこの報告会で今年おこなわれる参議院議員選挙への立候補を明言した。
これまで無敵の強さを誇った辻元氏も、大阪における維新旋風に巻き込まれて、昨年の衆議院議員選挙では大阪10区で落選、比例でもはじかれてしまった。前川氏にはそれが残念でならないのだろう。
「アホなんや」は前川氏が奈良県出身だからというのもあるだろうが、辻元氏の口調を真似したかったというのもあるのかもしれない。だとしたら、前川氏にとって辻元氏がよほど心情的に近い政治家であることがうかがえる。
座右の銘が「面従腹背」というトンチンカン
前川氏が2017年に天下り斡旋(あっせん)の違法行為による停職相当の懲戒処分を受けて文部科学省を退職したこと、そして事務次官のときにいわゆる「出会い系バー」に頻繁に通っていたことは多くの人が知るところだろう。
文科省事務次官という国家教育部門トップの地位にありながら、出会い系バーに通っていたことは、社会的信用を落とすのには十分な材料だろう。だが、数多くのマスコミが、前川氏が「反安倍である」という事実だけでかばい続けた。
いわば、リベラルの節操のなさと人材不足を体現したような人物に思える。
その前川氏が辻元氏を全面支援するのはわかるのだが、辻元氏が落選したことを「有権者がアホなんや」と国民側を批判したことに、私は言い知れない不安を感じた。というのは、本来官僚は国民の負託を受けて仕事を全うすべきなのに、特定の政党の特定の政治家を絶対視して、国民をバカにしているからだ。確かに前川氏は現在は一民間人であるが、一連の発信から察すると、文科省時代は政治的に中立であったとは到底思えない。
このような人物が文科省トップであったということは、文科省自体が特定政党の支持に固まっている、あるいは特定政党の支持者が出世しやすいという可能性があるということになる。
ところで、前川氏は、自分の座右の銘は「面従腹背」だとテレビで言い放ったことがある。
面従腹背とは、「表向きは服従するように見せかけて、実は内心では従わないこと」。国民が最も信頼した与党に従うように見せて、裏では反発しているというわけで、つまりは一貫して国民を裏切ろう(あるいは裏切りたい)と思っているということにほかならない。
やがて、これが冗談ではなかったことがわかる。前川氏は毎日新聞から『面従腹背』という本を出版するのである。
前川氏は有権者の多数派である与党に内心ずっと反発しつづけて、国民の負託を裏切りつづけた官僚だったと見ていいのではないだろうか。
文科省事務次官という国家教育部門トップの地位にありながら、出会い系バーに通っていたことは、社会的信用を落とすのには十分な材料だろう。だが、数多くのマスコミが、前川氏が「反安倍である」という事実だけでかばい続けた。
いわば、リベラルの節操のなさと人材不足を体現したような人物に思える。
その前川氏が辻元氏を全面支援するのはわかるのだが、辻元氏が落選したことを「有権者がアホなんや」と国民側を批判したことに、私は言い知れない不安を感じた。というのは、本来官僚は国民の負託を受けて仕事を全うすべきなのに、特定の政党の特定の政治家を絶対視して、国民をバカにしているからだ。確かに前川氏は現在は一民間人であるが、一連の発信から察すると、文科省時代は政治的に中立であったとは到底思えない。
このような人物が文科省トップであったということは、文科省自体が特定政党の支持に固まっている、あるいは特定政党の支持者が出世しやすいという可能性があるということになる。
ところで、前川氏は、自分の座右の銘は「面従腹背」だとテレビで言い放ったことがある。
面従腹背とは、「表向きは服従するように見せかけて、実は内心では従わないこと」。国民が最も信頼した与党に従うように見せて、裏では反発しているというわけで、つまりは一貫して国民を裏切ろう(あるいは裏切りたい)と思っているということにほかならない。
やがて、これが冗談ではなかったことがわかる。前川氏は毎日新聞から『面従腹背』という本を出版するのである。
前川氏は有権者の多数派である与党に内心ずっと反発しつづけて、国民の負託を裏切りつづけた官僚だったと見ていいのではないだろうか。
文科省を「反安倍」に利用
前川氏は実際、文科省のリソースを使って、露骨に反安倍活動をやっている。その裏には、文科省の現役官僚に協力者がいたからだろう。
2017年6月22日号の『週刊文春』では、加計学園に関する文書を作成して流出させた内部の人間として、文科省高等教育局課長補佐の女性補佐が登場している。文科省の一部門の責任者が国の首相を追い込むために、わざわざ文書を再生して流出させたという事実からは、この役所が日本の教育などそっちのけで政治活動にかまけていることが窺える。
日本の教育がダメなのは文科省が腐っているからだと確信できる出来事だった。
加計学園の問題は、前川氏がどんなに安倍前首相の関わりがあったかを力説しようと、証拠は1つも出てこなかった。事実ではなく、「面従腹背」という自分の信条で行動した結果、具体的な証拠もないまま憶測で人を貶(おとし)めていただけのことだろう。
能力と人望で長期政権を担った安倍首相を「嘘つき」と罵(ののし)り、教育部門トップでありながら出会い系バーに通い続けた前川氏を「紳士」扱いしつづけた大手マスコミが、前川氏と同様、信頼に値しないことは言うまでもない。
2017年6月22日号の『週刊文春』では、加計学園に関する文書を作成して流出させた内部の人間として、文科省高等教育局課長補佐の女性補佐が登場している。文科省の一部門の責任者が国の首相を追い込むために、わざわざ文書を再生して流出させたという事実からは、この役所が日本の教育などそっちのけで政治活動にかまけていることが窺える。
日本の教育がダメなのは文科省が腐っているからだと確信できる出来事だった。
加計学園の問題は、前川氏がどんなに安倍前首相の関わりがあったかを力説しようと、証拠は1つも出てこなかった。事実ではなく、「面従腹背」という自分の信条で行動した結果、具体的な証拠もないまま憶測で人を貶(おとし)めていただけのことだろう。
能力と人望で長期政権を担った安倍首相を「嘘つき」と罵(ののし)り、教育部門トップでありながら出会い系バーに通い続けた前川氏を「紳士」扱いしつづけた大手マスコミが、前川氏と同様、信頼に値しないことは言うまでもない。
共産党への強いシンパシー
また前川氏はそのことによってリベラル側から信頼される存在に祭り上げられてしまった。前川氏が元官僚トップにしては入れないほど過度にリベラルなツイートを繰り出せるのには、「アホな国民=保守派」が眼中にないからだろう。
前川氏は上記のツイートの呼び水となっているツイートを2021年11月3日に投稿している。
《政治家には言えないから僕が言うが、日本の有権者はかなり愚かだ。》
これは2021年10月31日の総選挙で立憲民主党が大敗したことを受けて投稿されたもので、ここに出てくる「政治家」は当然のことながら、立憲民主党の政治家ということになる。
しかも、このときの立憲民主党は共産党と選挙協力をしており、その敗戦は多くの有権者に愛想をつかれた結果だった。ということは、立憲民主党でも左派の政治家を代弁しての言葉だろう。
立憲民主党が大敗したのは共産党と協力したからであるのに、有権者の選択を「愚か」と言い切る前川氏は心情的に共産党に近いのだろう。実際、共産党の機関誌である『赤旗』で前川氏の言動は好意的に扱われてきた。
ちなみに、前川氏は2022年1月28日の『赤旗』で次のような発言をしている。
《中立性を意識するあまり、本当のことを言っている人と、うそをついている人を、同列に並べて報じるということが起きています。これはジャーナリズムではない。洋の東西を問わず平気でうそをつく政治家はたくさんいます。何が真実であるか突き止めるのがジャーナリズムです。その点で「赤旗」は真実を突き止めるということを一生懸命、地道にやっています。だからこそ信頼性があります。》
ジャーナリズム全般を批判して、共産党の機関紙こそがもっとも信頼性があると断言している。
教育行政トップがこれほど共産党に近い人物であったという事実を私たちは重く受け止める必要がある。日本学術会議が共産党に近いこともあわせて考えると、日本の教育が左に偏(かたよ)る原因が、日本学術会議とともに文科省にあることは明らかだ。
教育は国家運営の土台であり、根本である。今も日本の教育に「共産党」が深く浸透していることを認識して、これからも粘り強く対応していく覚悟が必要だ。
前川氏は上記のツイートの呼び水となっているツイートを2021年11月3日に投稿している。
《政治家には言えないから僕が言うが、日本の有権者はかなり愚かだ。》
これは2021年10月31日の総選挙で立憲民主党が大敗したことを受けて投稿されたもので、ここに出てくる「政治家」は当然のことながら、立憲民主党の政治家ということになる。
しかも、このときの立憲民主党は共産党と選挙協力をしており、その敗戦は多くの有権者に愛想をつかれた結果だった。ということは、立憲民主党でも左派の政治家を代弁しての言葉だろう。
立憲民主党が大敗したのは共産党と協力したからであるのに、有権者の選択を「愚か」と言い切る前川氏は心情的に共産党に近いのだろう。実際、共産党の機関誌である『赤旗』で前川氏の言動は好意的に扱われてきた。
ちなみに、前川氏は2022年1月28日の『赤旗』で次のような発言をしている。
《中立性を意識するあまり、本当のことを言っている人と、うそをついている人を、同列に並べて報じるということが起きています。これはジャーナリズムではない。洋の東西を問わず平気でうそをつく政治家はたくさんいます。何が真実であるか突き止めるのがジャーナリズムです。その点で「赤旗」は真実を突き止めるということを一生懸命、地道にやっています。だからこそ信頼性があります。》
ジャーナリズム全般を批判して、共産党の機関紙こそがもっとも信頼性があると断言している。
教育行政トップがこれほど共産党に近い人物であったという事実を私たちは重く受け止める必要がある。日本学術会議が共産党に近いこともあわせて考えると、日本の教育が左に偏(かたよ)る原因が、日本学術会議とともに文科省にあることは明らかだ。
教育は国家運営の土台であり、根本である。今も日本の教育に「共産党」が深く浸透していることを認識して、これからも粘り強く対応していく覚悟が必要だ。
白川 司(しらかわ つかさ)
評論家・翻訳家。幅広いフィールドで活躍し、海外メディアや論文などの情報を駆使した国際情勢の分析に定評がある。また、foomii配信のメルマガ「マスコミに騙されないための国際政治入門」が好評を博している。
評論家・翻訳家。幅広いフィールドで活躍し、海外メディアや論文などの情報を駆使した国際情勢の分析に定評がある。また、foomii配信のメルマガ「マスコミに騙されないための国際政治入門」が好評を博している。