濱田浩一郎:小室圭さんは単独で質疑応答会見するべきだった

濱田浩一郎:小室圭さんは単独で質疑応答会見するべきだった

眞子さんと小室圭さんとの記者会見。疑惑は払拭されなかった

噴出する国民の不満

 10月26日、小室圭さんと秋篠宮家の長女・眞子さんの結婚会見が行われた。都内のホテルでの記者会見のなかでは質疑応答はなく、会見後、報道機関側からの質問に対する回答が文書で出された形となった。そのような形となったのは、眞子さんの心の問題にあったようだ。

 質疑応答全文の中に、
「質問の中に、誤った情報が事実であるかのような印象を与えかねない質問が含まれていました。このことに衝撃を受けるとともに、このような質問に会場で口頭でお答えすることを想像すると、恐怖心が再燃し心の傷がさらに広がりそうで、口頭で質問にお答えすることは不可能であると思いました」
 との一文があることから、そのことが分かる。

 眞子さんは「複雑性PTSD(複雑性心的外傷後ストレス障害)」であることを公表されたばかりであり、前掲文書によると、現在も体調は良くないとのこと。そのような状態なので、確かに、眞子さん参加の質疑応答会見は難しいだろう。安静にされて、ゆっくりと心身を休めていただきたく思う。

 ところが、会見後のネットなどの反応を見ていると、今回の会見には否定的な意見ばかりが目立つ。なかには、小室圭・眞子さんへの批判のみならず、皇室をも攻撃するかのような言葉も見られた。小室圭さんの母親の金銭問題に対する問題等は、国民のなかでは、まだまだ払拭(ふっしょく)されていないし、圭さんも今回の会見でそれが果たされるとは思っていなかっただろう。であるならば、圭さん自身が、単独で長時間の質疑応答会見をするべきだったのだ。

質疑応答ができないはずはない

 これまでの経緯から、現在の状況、自身や母親にまつわる様々な「疑惑」にまで「違うことは違う」「おかしいことはおかしい」としっかりと反論したり、至らない点は素直に認めるなどしつつ、真摯に質問に答えていたら、場合によっては、国民の疑念が晴れ、「国民全体で祝福」ムードになっていたかもしれない。小室圭さんも30歳になるのだし、弁護士になろうというほどの人である。質疑応答会見ができない人ではないはずだ。

 そもそも、報道されている様々な問題は小室家の「問題」である。小室家の問題で、皇室がバッシングされている、そうした現状なのだ。これは大変、畏(おそ)れ多いことであろう。そのような状態を改善する機会が、今回の結婚会見、そして幻に終わった圭さん単独会見だったはずだ。

 眞子さんは、
「否定的な報道やインターネット上の書き込みについてですが、誤った情報が、なぜか間違いのない事実であるかのように取り上げられ、謂れのない物語となって広がっていくことには、強い恐怖心を覚えました」(前掲文書)
 と述べている。

 小室圭さんの母親の金銭トラブル、母親による遺族年金の不正受給疑惑、圭さんが米フォーダム大学への入学に際して、「プリンセス・マコのフィアンセ」として特別待遇を受けたのでは、との疑惑、圭さんの行動が独断であるとの報道……。
 これらを眞子さんは「誤った情報」と断じ、それがあたかも「事実」のように報道されているというのだ。

 眞子さんの心に傷をつけたのは、これら一連の報道とそれに伴うコメントと思われるが、そうであるならば、なおさら、圭さんが単独会見をして、客観的な事実を基に反論するべきだった。それがなされなかったのは、今後の皇室への影響を考えると、大変残念である。
濱田浩一郎:小室圭さんは単独で質疑応答会見するべきだった

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2人の結婚を反対するデモも発生した 

残る疑問

 今回の会見で特に気になった点は、眞子さんが、
「圭さんのお母様の元婚約者の方への対応は、私がお願いした方向で進めていただきました」
 と言われたことだ。
 なぜ、皇族の立場にある方が、(将来、義母になるかもしれない人の問題とは言え)民間の女性の金銭問題にかかわる対応に介入したのか。小室家(もしくはその代理人)と元婚約者(その代理人)との話し合いに任せれば良かったのではないか。なぜ、直接的な当事者ではない、眞子さんがそこに絡む必要があったのか。私にはそれが謎(疑問)として残った。

 そして眞子さんは、
「私にあたたかい気持ちを向けてくださった全ての方々に、心から感謝申し上げます」
「私のことを思い静かに心配してくださった方々や事実に基づかない情報に惑わされず、私と圭さんを変わらずに応援してくださった方々に、感謝しております」
 と会見で述べられた。
 罵詈雑言(ばりぞうごん)や誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)がダメであることは言うまでもない。
 だが、小室圭さんへの「キツく」「強い」意見のなかにも、皇室や眞子さんのことを思う人々の熱情が込められていることをお忘れになってはいけないだろう。
濱田 浩一郎(はまだ こういちろう)
1983年、兵庫県相生市出身。歴史学者、作家、評論家。皇學館大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。兵庫県立大学内播磨学研究所研究員・姫路日ノ本短期大学講師・姫路獨協大学講師を歴任。現在、大阪観光大学観光学研究所客員研究員。現代社会の諸問題に歴史学を援用し迫り、解決策を提示する新進気鋭の研究者。著書に『日本人はこうして戦争をしてきた』、『日本会議・肯定論!』、『超口語訳 方丈記』など。

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